新宿区議会 > 2011-09-16 >
09月16日-11号

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  1. 新宿区議会 2011-09-16
    09月16日-11号


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    平成23年  9月 定例会(第3回)        平成23年第3回定例会会議録(第2日)第11号平成23年9月16日(金曜日)出席議員(38名)   1番   中村しんいち     2番   井下田栄一   3番   北島敏昭       4番   桑原羊平   5番   鈴木ひろみ      6番   久保広介   7番   佐藤佳一       8番   川村のりあき   9番   豊島あつし     10番   野もとあきとし  11番   池田だいすけ    12番   吉住はるお  13番   ひやま真一     14番   佐原たけし  15番   沖 ともみ     16番   なす雅之  17番   平間しのぶ     18番   志田雄一郎  19番   あざみ民栄     20番   阿部早苗  21番   鈴木ゆきえ     22番   赤羽つや子  23番   おぐら利彦     24番   下村治生  25番   深沢としさだ    26番   宮坂俊文  27番   のづたけし     28番   えのき秀隆  29番   おのけん一郎    30番   根本二郎  31番   近藤なつ子     32番   沢田あゆみ  33番   有馬としろう    34番   小松政子  35番   山田啓史      36番   かわの達男  37番   田中のりひで    38番   雨宮武彦---------------------------------------欠席議員(なし)---------------------------------------説明のため出席した者の職氏名  区長       中山弘子    副区長      野口則行                   総合政策部長                   (新宿自治  区長室長     寺田好孝             猿橋敏雄                   創造研究所                   担当部長)                   地域文化部長  総務部長     酒井敏男             加賀美秋彦                   事務代理  福祉部長             子ども家庭  (社会福祉協議会 小栁俊彦             伊藤陽子  担当部長)            部長                   みどり土木  健康部長     濵田幸二             野﨑清次                   部長  環境清掃部長   伊藤憲夫    都市計画部長   鹿島一雄                   企画政策課長                   (新宿自治  会計管理者    竹若世志子            針谷弘志                   創造研究所                   担当課長)  財政課長     木城正雄    総務課長     木全和人  教育委員会            教育委員会           石崎洋子             蒔田正夫  教育長              事務局次長  選挙管理  委員会      今野 隆    常勤監査委員   布施一郎  事務局長  監査事務局長   河原眞二---------------------------------------職務のため出席した議会事務局職員  局長       名取伸明    次長       米山 亨  議事係長     武藤 弘    議事主査     井口浩子  議事主査     佐藤勇治    議事主査     岸川 裕  議事係主査    濵野智子    書記       岡嵜俊也  書記       須藤りさ---------------------------------------  速記士      坂本佳世---------------------------------------9月16日    議事日程 日程第1 代表質問 日程第2 一般質問 日程第3 諮問第4号 人権養護委員候補者の推薦に関する意見の聴取について 日程第4 認定第1号 平成22年度新宿区一般会計歳入歳出決算 日程第5 認定第2号 平成22年度新宿区国民健康保険特別会計歳入歳出決算 日程第6 認定第3号 平成22年度新宿区介護保険特別会計歳入歳出決算 日程第7 認定第4号 平成22年度新宿区後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算 日程第8 認定第5号 平成22年度新宿区老人保健特別会計歳入歳出決算 日程第9 第51号議案 新宿区災害弔慰金の支給等に関する条例の一部を改正する条例 日程第10 第52号議案 新宿区特別区税条例等の一部を改正する条例 日程第11 第53号議案 新宿区障害者施策推進協議会条例の一部を改正する条例 日程第12 第54号議案 新宿区自転車等の適正利用の推進及び自転車等駐輪場の整備に関する条例の一部を改正する条例 日程第13 第55号議案 新宿区立住宅管理条例の一部を改正する条例 日程第14 第56号議案 新宿区ワンルームマンション等の建築及び管理に関する条例の一部を改正する条例 日程第15 第57号議案 新宿区立の小学校、中学校及び特別支援学校の非常勤の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例 日程第16 第58号議案 土地の買入れについて 日程第17 第59号議案 損害賠償の額の決定について 日程第18 第60号議案 特別区道の路線の廃止及び認定について 日程第19 第61号議案 公の施設の指定管理者の指定について 日程第20 第47号議案 平成23年度新宿区一般会計補正予算(第3号) 日程第21 第48号議案 平成23年度新宿区国民健康保険特別会計補正予算(第1号) 日程第22 第49号議案 平成23年度新宿区介護保険特別会計補正予算(第1号) 日程第23 第50号議案 平成23年度新宿区後期高齢者医療特別会計補正予算(第1号) 日程第24 議員提出議案第15号 新宿区心身障害者福祉手当条例の一部を改正する条例--------------------------------------- △開議 午後2時00分 ○議長(宮坂俊文) ただいまから、本日の会議を開きます。 会議録署名議員は、  7番 佐藤佳一議員  27番 のづたけし議員 を指名します。--------------------------------------- ○議長(宮坂俊文) 本日の会議時間は、議事進行の都合により、あらかじめ延長します。--------------------------------------- ○議長(宮坂俊文) 請願及び陳情の付託について申し上げます。 受理した請願及び陳情は、お手元に配付しました請願・陳情付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託しましたので、報告します。     〔巻末諸報告の部参照〕--------------------------------------- ○議長(宮坂俊文) これから本日の日程に入ります。 日程第1、代表質問を行います。 質問の通告を受けましたので、順に質問を許します。 最初に、11番池田だいすけ議員。     〔11番 池田だいすけ議員登壇、拍手〕 ◆11番(池田だいすけ) 私は第3回定例会に際し、自由民主党区議会議員団を代表しまして、区長並びに教育委員会に質問いたします。 何とぞ誠意ある御答弁をよろしくお願い申し上げます。 今では、もう約2カ月前のことになりますが、日本じゅうを明るく、元気にした女子サッカーのなでしこジャパンの活躍がありました。このワールドカップの盛り上がりは大変なもので、世界ランク1位のアメリカとの決勝戦は、早朝の3時からの放送にもかかわらず、視聴率が20%を超えたとのことです。今、国民は明るくなる、元気の出る、希望の持てる話題に飢えていると言うとおかしいのかもしれませんが、この時間帯にこの視聴率というのも、何となくわかる気がいたします。本当に日本じゅうが大変な盛り上がりをしたものでした。 キャプテンの澤穂希選手は、チームメイトに対し「苦しくなったら、私の背中を見て」と言うそうです。そこにはチームメイトの、澤選手への絶大な信頼と連帯があるからで、この信頼感と連帯感こそがリーダーシップのもとになるのだと思います。このような澤選手のリーダーシップを見ていますと、今、国政を指揮していかなければならない方に求められることは、まさにリーダーのこういう姿勢であり、立ち位置なのだと改めて思わずにはいられません。 あの3月11日から既に半年がたつというのに、いまだ復興は言うに及ばず、復旧さえも遅々として進まないこの国の政治の現状には、心に寒さと幻滅さえ覚えます。 さて、本論に入らせていただきます。 議員として初めての代表質問ということで、いささか緊張しております。このような緊張の面持ちとなったことは、振り返ってみますと何度かありますが、そのうちの一つに今から9年前の11月、中山区長の最初の選挙のお手伝いをしたときにも、本日と同じような緊張感を抱いたものでした。そのことが政治の世界へ入るきっかけとなり、政治を志す原点となりました。まだまだ若輩の身でございますが、周囲の方々に恵まれ、さまざまな体験を経てきたことが現在の私に至っているのだなと、この壇上に立ち、ただ今申し上げたようなことが、改めて感慨として浮かんできた次第です。 その当時のことを振り返りつつ、区長の所信についてお尋ねします。 当時、私は区長の遊説や演説会などの話の様子から、我が党が推薦する候補として施策が劇的に変わることはあり得ないにしても、例えば少子化対策やみどりの施策などにおいて何らかの変化があるのではと感じていたものでした。区長はその当時を振り返り、御自身、当選の暁にはこのようにしたい、あのようにしたいなどと考えておられたことで、そのことが、今日、こう具体化しているというようなことの幾つかをお話しいただければと思いますが、いかがでしょうか。御答弁願います。 ◎区長(中山弘子) 池田議員の御質問にお答えします。 区長に初当選した当時の考えと、それを具体化した事例についてのお尋ねです。 私は、平成14年11月24日に区長に就任しました。当時の区長選挙では、生活者の視点で区政改革を行うことを掲げました。 具体的には、常に区民の暮らしを第一に考え、現場・現実を重視すること、区政の透明性を高めること、そして自立し、ともに支え合う共生と協働の地域社会を築いていくことを基本姿勢として、職員の先頭に立って効果的で効率的な区政改革を進めたいと考えていました。 こうした姿勢のもと、暮らしやすさとにぎわいのある、魅力あふれるまちを築いていくため、高齢者、子育て支援、環境、みどりの分野で施策の重点化を図り、安全・安心の仕組みづくりや、地域コミュニティの推進などにも積極的に取り組んでいく考えをお示ししました。 私はこうした考えに立ち、区長就任時から現在まで、さまざまな施策を進めてまいりました。具体的には、介護保険サービスの基盤整備、保育園の定員拡大や多様な保育サービスの充実等による待機児童解消対策。玉川上水をしのぶ流れの創出や区民ふれあいの森の整備等による水とみどりの充実。区民、事業者、区の各主体で取り組む地球温暖化対策建築物等耐震化支援事業など、新宿区の現場・現実をとらえた施策を実施してきました。 また、歌舞伎町を初めとする地域との協働による安全・安心への取り組み、多文化共生プラザの設置や地区協議会の設立などにより、共生と協働の地域づくりを推進しました。さらに区民会議など区民参画による基本構想づくりや行政評価制度の確立などにより、透明性の高い区政運営を進めてきました。 今後も、時代認識を的確に持ち、生活者の視点から必要な施策を効果的・効率的に実施することで、区民から信頼される区政を実現していきたいと考えております。 ◆11番(池田だいすけ) 御丁寧な、そして考えさせられる御答弁をいただき、ありがとうございます。これも私が新人であるがゆえにわかりやすくお話しされたのだと理解しています。 現在、新宿区の経常収支比率は平成22年度決算では87.8%で、新規事業なり普通建設事業に充てることができる財源は、わずかに10%強ということになります。これで、現在をそして将来をにらんだ区政運営をしていくというのは並大抵の話ではありません。大局観を持ち、しっかりした理念と将来への見通しを持たなければならないと思います。 さて、この第3回定例会は、決算の認定が付される議会です。したがいまして、平成22年度の決算の審査が中心となるわけですが、その一方で、9月1日付の野口新副区長名の依命通達のとおり、現在既に区では、平成24年度の予算編成作業に着手されているところですので、審査の結果が今後の予算編成や行政執行にも活かされるよう、質疑を進めさせていただくとともに、本議会が終了した段階では、速やかに我が会派としての平成24年度予算編成に対する要望を中山区長に提出したいと考える次第です。 続きましては、予算編成について区長に伺います。 区長は、基本方針の中で「区は、区民生活を支え、守っていく基礎自治体としての役割を積極的に果たし、将来にわたる持続可能な区政を展開していくことが強く求められています。」と述べられています。簡潔・明瞭に新宿区政の役割、立ち位置を、そして基本方針の全体の中で区がどこへ向けて進むのか、進んでいるのかを語られています。政治は生き物と言われるように、理念だけではだめで、方向性や時間軸などが語られなければ空理、空論にすぎなくなります。 そこで区長に伺いますのは、平成22年度は区長選挙実施の年でしたが、新宿区では、この年度も骨格予算ではなく、例年どおりの本格予算を編成されました。基礎自治体がやるべき仕事は、経常収支比率87.8%の数字が示すように、予算のほとんどが経常経費として支出されると言ってよいと思います。したがって、裏を返すと、政策的経費が極めて限られており、真に必要な施策に財源を投入するという、部などの枠組みを超えて全体を見た順位づけが必要となります。このことは、選択と集中の施策決定が必然的に求められることであり、財政が厳しくなればなるほど、トップの決断がより重要となります。 しかし一方で、だからこそ、細部にわたる見直しにより生ずる小さな金額を積み上げて、経費の捻出を図ることがある面で欠かせないとも考えられます。自治体の事業は、決して派手なものではなく、地道に一歩ずつ着実に進められていくたぐいのものであり、また、区民の生活を1日24時間、1年365日寄り添いつつ、支援していくものでもあって、一日たりとも停滞が許されないものです。その意味では、区民サービスは毎日、きちんと着実に、かつ丁寧に積み上げられていくことが大切であり、だからこそ日常的にたゆまぬ事務事業見直しの努力も必要になるのだと思います。 このたびの3.11によるサプライチェーンの途絶により、自動車産業などで、日本のみならず世界レベルで生産に大打撃があったと伝えられていますが、このサプライチェーン問題に深くかかわったものに、日本の中小企業があったと言われています。日本の中小企業がこのような役割を果たせるのも、ものづくりにおける現場に裏打ちされた磨かれた技術を保有しているからこそです。日々の現場仕事の中に新しい改善、技術を見つけ進化し続け、技術力とコスト競争力を身につけているとのことです。このような中小企業の例は、言うなれば日々自己点検、自己研さんとでも言うような身近な現場からの見直しの中だからこそ、よりよい現実的な技術やサービスへの改善、改革が生まれ、コスト競争力もつくということを物語るものだと思います。その結果、お金も、時間も生み出されるのではないでしょうか。 確かに、これはものづくりの製造現場の話ではないかとの声も聞こえてきそうですが、しかし、現実には、間接部門の事務部門にこそ改善、改革がおくれているのも事実のように思います。自治体には、打ち出の小づちや国のように便利な埋蔵金などというものは考えられませんし、多くの中小企業同様、日々の現場の努力の積み重ねの中から生み出すしかないと思いますが、区長の平成22年度を本格予算として編成されたところのお考えと、そして大上段に構えるのではない、身近な現場からの事務改善、事務改革についての御所見を伺います。 次に、平成22年度の予算執行について伺います。 区長は、平成22年第1回定例会において、平成22年度予算は明日につなげる予算と位置づけ、第1に将来への明るい展望を切り開くため、緊急性の高い事業へ重点的に財源を配分すること、第2に決算実績や行政評価を踏まえ、事業の進捗状況や成果を分析、検証することで、より効果的、効率的な事業の実現を目指すことと述べられています。 この第2の効果的、効率的な事業の実現を目指すことというのは、区長のほかのところでの発言にある事業の実績を積み重ねながら総合化するなどとも同じで、要はすき間なく継続性を持って効果的、効率的にやっていくことが大切なのだと思います。個々の事業の一つ一つは小粒な事業も数多くあるところですが、それらをつないで線にし、線を面にしていくことが大事であると思います。一枚の布を例に挙げますが、糸の一本一本は細かいものですが、縦糸と横糸の組み合わせで布となり、模様ができていきます。実際には、横糸の工夫によっていろんな彩りができます。行政サービスも区民一人ひとりの方にふさわしいサービスを提供しています。 一方で、とかく行政は箱物行政などとやゆされがちですが、確かにともすれば施設をつくることなどが目的となり、ゴールとなりがちになっているようにも見られています。しかし当然ここがスタートであって、どのように利用、活用されていくかが重要です。その意味で、施設に限らず事業のすべてについて分析や検証が欠かせません。そして布の美しい彩りが横糸を中心とした一本一本が相互に影響し合ってつくり出されていくように、いかに事業のそれぞれがお互いの事業を意識し合い、相乗効果を発揮していけるかだと思います。方向性が共有できたなら、その中でお互いに支援、連携し、総合化し、相乗効果を出すことができないかを常に意識し、模索し続けることが大事なのではないでしょうか。 区長に伺います。第2として述べられている決算実績や行政評価を踏まえ、事業の進捗状況や成果を分析、検証することで、より効果的、効率的な事業の実現を目指すことのために、日常的に心がけていることにどのようなことがあるのでしょうか。 次に、平成22年度の歳入について伺います。 具体的には、特別区民税になりますが、ここ5年間の決算書で補正予算額の推移を調べましたところ、平成18年度は19億円余り、平成19年度は8億円余り、平成20年度は5億円余りの増額補正で、平成21年度には補正はなく、平成22年度では11億円余りの減額補正となり、5年間における補正額の山と谷の差が30億円と、その振り幅が大変大きいことがわかりました。このことは、納税者を取り巻く最近の経済環境が目まぐるしく急変していることを物語るものと理解できますし、このこと一つとりましても、区政運営のかじ取りの大変さがわかりました。また、不納欠損額と収入未済額のここ10年間の推移を見ますと、不納欠損額がこの間、ほぼ逓減傾向にあるのは、徴収部門の方々の努力によるものだと敬意を表するものです。 一方、収入未済額のほうは、平成18年度まで逓減してきたものの平成19年度からは、ここ4年、毎年逓増していることに今後を不安視するものです。確かに所得が減少傾向にある中で納税が大変なことも理解できます。また、世間には不測の事態により収入が途絶えてしまうことなどがあることと、このような場合に減免の制度が用意されていることも承知しています。前年に所得があったから課税されているのであって、常識的には所得のあった翌年には区民税が課税されるというのは当たり前のことであるはずであり、納税の義務論を持ち出すまでもない話だと思います。 しかし、それらの上でもって収入未済額が対調定額で8.8%という数字には、少ないとは言いがたいと考えます。確かに収入未済額の多くは前年度以前からの累積なのでしょうが、少々大げさに言いますと、だれかの未納はだれかのサービスの低下につながると思います。ことは本人限りの問題で済むことではなく、第三者のだれかが本来受けられるサービスが使えなくなるという重大なことにつながるということをよく受けとめるべきだと思います。ぜひ引き続き徴収の事務処理に当たっては、資力があるのに納税をしないことがないように厳格を期していただきたいと思います。 そして何よりも大切なことと思いますのは、不納欠損や収入未済を未然に防ぐ予防対策ではないでしょうか。滞納者にさせないことで不納欠損や収入未済にしない、いわば入り口対策が欠かせません。平成23年度は納税催告センターの設置を初めとする滞納対策が行われることは承知していますが、これは滞納者に対する出口対策としてのものかと思います。 もう一つは、平成23年6月から導入されたモバイル収納がありますが、このような滞納者にさせないための対策も欠かせないものと考えます。そこで区長のお考えを伺います。 その1つは、徴税における区民負担の公平、公正性の確保についてです。 その2つは、不納欠損や収入未済の予防としての滞納者にさせない入り口対策についてです。御答弁願います。 ◎区長(中山弘子) 予算編成についてのお尋ねです。 まず、平成22年度を骨格予算ではなく本格予算で編成した考え方についてです。 骨格予算は、自治体の長の改選を目前に控えていたり、国の予算編成のおくれ、または経済事情が極めて不安定な状況にあるなど、1カ年の行財政のすべてにわたってあらかじめ予算として予定することが困難な場合や、適当でないと判断される場合に、新規の施策などを計上しない予算として編成するものと認識をしています。 平成22年度予算は、区長の改選期日が年度の下半期に当たる11月であること、また第一次実行計画の折り返しを過ぎた3年目の予算であることから、区民生活に密接に関係する施策を遅滞なく、継続的かつ安定的に進める観点から、年間の本格予算として編成したものです。 次に、身近な現場からの事務改善、事務改革についてのお尋ねです。 御指摘のとおり、自治体には打ち出の小づちや埋蔵金はなく、限られた財源を最大限効率的に活用していかなければなりません。このため、例えば職員一人ひとりが物品を購入したり、印刷したりするなどの事務経費についても無駄が発生していないかなどを意識して、日々仕事を進めていくことが大切です。 また、ふだんの窓口業務や内部事務を行う中で、区民の立場への想像力の翼を広げ、職員個人が発見した課題や問題を課や係全体で検討して、改善策を実施していくことも大切な作業です。 こうすることで、個人による小さな改善・改革が係や課に広がり、身近な現場からの事務改善が生活者視点の区政改革につながるものと認識しています。 次に、決算実績や行政評価を踏まえ、事業の進捗状況や成果を分析、検証することで、より効果的、効率的な事業の実現を目指すことのために日常的に心がけていることについてのお尋ねです。 区は平成19年度から効果的、効率的な事業の実現と区政の透明性の向上を目指して、区民も参加した外部評価委員会による行政評価を実施しています。 行政評価は、事業が効果的・効率的に実施されているか、サービスの負担と担い手は適切か、目標は適切に設定されているか、目標は達成されているかという4つの視点で評価を行っています。そして、区は行政評価によって明らかになった課題やその解決策を検討し、翌年度の組織目標に反映させているところです。組織目標は部及び課単位で作成しますが、職員一人ひとりが職場会や面談を通して組織目標をしっかり認識し、個人の目標に反映するようにしています。 このようにして決算実績や4つの視点で分析した行政評価結果などを踏まえた組織目標を職員全員が共有し、一丸となって事業の実現を図っていくことが、より効果的、効率的な事業を目指す上で大切であると考えています。 次に、徴税における区民負担の公平・公正性の確保と滞納者にさせない対策についての御質問です。 御指摘のように、納税者を取り巻く環境は目まぐるしく変化し、かつ先行きも不透明な状況にあります。こうした厳しい状況下にあっても、さまざまな課題に対し区政のかじ取りを的確に行っていくことは極めて重要であり、そのためには、まず税財源を確保し、自治体としての体力を維持していくことが不可欠であると考えています。 お尋ねの徴税における区民負担の公正・公平性の確保についてですが、平成22年度の特別区民税現年分の収納率は96.5%と、大半の納税者の方々は自主的に納付していただいています。こうした真面目に納付されている多くの納税者の信頼を裏切らないためにも、区民負担の公平・公正性の確保を行うことは非常に重要であると認識しています。 そのため、これまでも収入や財産のある滞納者に対する粘り強い納税交渉と捜索や差し押さえなどの滞納処分を積極的に行っています。その結果として、不納欠損額の縮減と収納率の向上がなされたものと考えています。今後も、インターネットによる動産の公売や、10月から開始する納税催告センターの活用など、さらなる徴税努力を重ね、厳格な滞納整理と収入未済額の圧縮に努めてまいります。 また、滞納者にさせない入り口対策についてですが、御指摘のとおり納期内に納付していただき、滞納者にさせないことは何より大切です。このことを踏まえ、コンビニエンスストアで収納できる対象の拡大を初め、本年度からモバイル収納を開始するなど、滞納者にさせないための納付環境の整備を積極的に実施しています。さらに納税催告センターにおける納付を案内する際にも、納付忘れのない口座振替の勧奨をあわせて行ってまいります。 また、次世代を担う生徒・児童に対し、租税の意義や役割の理解を深めるため、中学生の税についての作文の表彰や区内小・中学校への租税教育副読本の配布なども行っています。 今後も区としては、より一層徴税の公平・公正性を確保するとともに、滞納者にさせない入り口対策を推進してまいります。 ◆11番(池田だいすけ) 続きまして、子育て支援について伺います。 区長は、平成22年第1回定例会の区政の基本方針と施策の大綱についての中で、子育てしやすいまちの実現のためには、ワーク・ライフ・バランスの視点とともに、子育て・教育施策を総合的に推進していくことが必要ですと述べられました。また、平成22年第4回定例会での区長就任に当たっての所信の中では、今まで以上に新宿区が子育てしやすいまちになるよう、すべての子どもと子育て家庭への支援の充実を図ります。また、子育て中の方だけでなく、だれもが安心して子どもを産み、育てられる社会を目指し、子どもの育ちを支える地域や社会環境の整備を推進しますと述べられました。 そこでまず伺いたいことの第1は、子育ての社会化についてです。ともすれば、子どもは社会で育てるという議論がありますが、私としては平成19年版国民生活白書に言う、子育ては一義的には家族を中心に行われるものであるが、家族だけが担うべきものではない。子どもを家庭がはぐくみ、その家族を地域社会が支え、さらに企業、地方公共団体及び国などの連携のもと、社会全体で支えていくことが必要という立場で、主体は家庭で、それを社会全体で支えていくものと考えるものです。 このような記事を読んだことがあります。ある教育者の体験的子育て四訓として、「乳児はしっかり肌を離すな。」「幼児は肌を離せ、手を離すな。」「少年は手を離せ、目を離すな。」「青年は目を離せ、心を離すな。」と、そして子育てが人として誇るべき大事業であり、社会の活力の基盤であるという認識を社会全体に広げる必要があると結んでいます。区長の御所見を伺います。 次に、私は区長の定例会での発言の延長上には、保育園や子ども園という施設と、そこに働く保育士等の方々は社会資源として通園する親子にとどまらず、地域の子育て支援のために広く還元されるべきものというのがあり、既に保育園等での子育て相談などで、施設もスタッフも地域対応をされていることは承知していますが、現在の子育て状況を考えるとき、引き続き努力をお願いするものであります。 保育所待機児問題白書のアンケート調査結果によれば、待機児童のいる家庭が求める支援策として、保育所の交流行事に子ども、親子を参加させてほしい、安全な遊び場を開放してほしい、一時保育を充実してほしいなどが上がっています。これらのことは、区では既に対応済みのことかと思いますが、いかがでしょうか。 また、同様なことは在宅で子育て中の家庭でも要望があるものと思いますが、どのような状況なのでしょうか。地域社会の変化もあって、在宅で子育て中の家庭の中には、実家が遠く、近所には知り合いも少なく、1人で育児に取り組み、悩む母親も少なくなく、またこのような在宅で子育て中の家庭ほど深刻な問題を抱え込むことも多いと聞きますが伺います。 次に、この保育所待機児問題白書によれば、認可保育所利用保護者が勤め先の制度として取得できる育児休業期間は平均17.4カ月だったのに対して、実際に取得した期間は平均8.7カ月と1年を大きく下回っています。期間を満了しなかった理由の半数を占める、ゼロ歳で入園しないと入園が難しそうという理由を初め、仕事・職場の状況上、早く復職しなければならなかった、制度上とれる最長期間の中で4月入園、などがこの順で挙げられています。 このことからすれば、区長の言われるワーク・ライフ・バランス、とりわけ子育て期の仕事と育児の両立支援の立場からすれば、行政も企業もまだまだ努力が必要であるようですが、しかし行政のサービスの拡充だけでは達成できないことは明らかであり、同時に、企業の理解も欠かせないことが読み取れます。区長は、白書のこの部分について、どのような御見解をお持ちでしょうか。 次に、先ごろ日本経済新聞に、「保育所の面積基準独自緩和が可能に」の見出しで、35市区が独自に緩和した基準を決めることができるということで、厚生労働省の発表が掲載されていました。 新宿区は待機児数が100人を超えるという条件の関係で対象にはならなかったようです。その意味では、区長にお尋ねするのもいかがかとも思いますが、私は、このような基準緩和は、基本的には数年後なりの見通しの中にあって、ここ一、二年を乗り切るという極めて限定的な緊急避難としての緩和であれば活用もやむなしと思いますが、次につながらない、見通しの持てない、その場限りともなりかねない緩和策は、自転車操業にも似て、次善の策とならないと考えるものですが、いかがでしょうか、区長の御見解を伺います。 この項の最後になりますが、これまで区長は就任の時以来、待機児問題に取り組まれ、定員の弾力化についてもいち早く着手され、また子ども園の導入等、多くの先進的な施策を実現されてきました。このことは平成23年版「子ども・子育て白書」の中で「コラム:地方自治体における独自性のある幼保一体化の取組事例」として、新宿区の子ども園が紹介されていることからも見受けられます。区長は、今、振り返られて、どのような感慨をお持ちでしょうか、伺います。 ◎区長(中山弘子) 子育て支援についてのお尋ねです。 子育ての主体は家庭であり、それを社会全体で支えていくことが必要であり、また、子育てが社会の活力の基盤であるという認識を社会全体に広げる必要があるとの御指摘ですが、私も同様に考えております。 かつて子育ては3世代同居という家族も多く、近所づきあいも盛んな中で、祖父母を含めた家族が中心となり担ってきました。しかし、核家族化や少子化などにより家族構成や地域コミュニティが変化する中で、家庭の子育て力が低下してきました。そうした中で、社会全体で子育てを支援するという考え方が定着し、さまざまな子育て支援策が必要とされてきました。このような現状の中で、子育て家庭からは気軽に悩みを相談したり、子育て中の親同士で話ができる仲間づくりなど、子育ての不安や悩みを解消することが求められています。 区では、ことし4月に子ども総合センターを開設し、子どもと家庭に関する相談機能の充実を図るとともに、親子の居場所づくりの拡充などにも積極的に取り組んでいます。 今後とも家族のきずなや地域コミュニティの再生を図りつつ、地域社会全体で子どもの育ちを将来にわたって支えていくための基盤整備を進めてまいります。 次に、待機児童のいる家庭や在宅で子育て中の家庭への支援についてのお尋ねです。 区立保育園では、定期的に園庭、園舎開放を実施するとともに、地域の方々に御参加いただける地域交流事業を年に一、二回実施しているほか、運動会、誕生会、七夕会、焼きいも会、豆まき会など、地域の子どもが参加できる季節の行事も実施しています。 また、区内の公私立認可保育園等において空き利用型一時保育を実施するほか、保育園の民営化や子ども園化等により、建てかえ、新設するときには、専用室型一時保育室を設置してまいりました。 さらに、子ども総合センター、榎町子ども家庭支援センター、地域子育て支援センター二葉では、主に買い物、通院、リフレッシュなど、短時間の利用を想定したひろば型一時保育を実施しています。 また、乳幼児親子の仲間づくりや安全な遊び場の提供等の支援として、児童館や子ども家庭支援センターで親子が集い、相互に交流できる場を設けています。 こうしたさまざまな事業を通して、在宅で子育てをしている保護者の不安を解消し、希望を持って子育てを楽しんでいただけるよう、これからも支援してまいります。 次に、東京都社会福祉協議会作成の「保育所待機児問題白書」における育児休業取得の調査結果についてのお尋ねです。 保育園利用保護者の育児休業の取得期間が、平均8.7カ月と、1年を下回っているとの調査結果については、保育園の入園時期の課題とともに、事業者のワーク・ライフ・バランスへの取り組み等の課題が大きな要因であると考えます。 育児休業制度が普及した結果、子どもが1歳前後に保育園への入園を希望する育児休業明け世帯が増加していることから、区でも認可保育園や子ども園の整備、認証保育所への支援、保育ルームの設置など、ゼロ・1歳の受け入れ枠の拡大を中心とした対策を推進しているところです。 また、認可保育園では、産休育休明け入所予約事業を平成12年度から行い、現在では13園で49人の受け入れを実施するなど、育児休業取得者の年度途中での復職を支援しています。 一方、育児休業期間を短くした理由の第2位の「仕事・職場に早く復職しなければならなかった」ことについてです。昨年度、区で実施した、ワーク・ライフ・バランスに関する意識実態調査における従業員調査の結果でも、育児休業等の支援策が利用されない理由として、「代替要員が確保できない」が3割近くで最も高く、「日常的な長時間労働」が2割強で続いています。 こうした現状を踏まえ、区では、区内事業者を対象としてワーク・ライフ・バランスセミナーを実施するとともに、コンサルタントの派遣等を通じて、従業員みずからが仕事と生活の調和を図り、働くことができる職場環境づくりに向けた支援や、区民や事業者に対する意識啓発を行っています。 さらに、区内中小企業を対象に、男性従業員が育児・介護休業を一定期間取得した実績に応じて、事業所に奨励金を支給する、男性の育児・介護サポート企業認定モデル事業を平成21年7月から実施し、育児・介護休業を取得しやすい職場環境づくりを支援しています。 今後とも、子育てを社会全体で支えていくために、待機児童の解消に向け、より一層取り組むとともに、仕事と生活の調和のとれた生活が実現できるよう、区民、事業者への意識啓発に積極的に取り組んでまいります。 次に、保育所の面積基準の独自緩和についてのお尋ねです。 今回の面積基準の緩和策は、保育所待機児童問題の解消策として、平成24年4月から2年間、用地確保が難しい特定の都市において、認可保育所の面積基準を独自に設定できるようにするものです。 待機児童が100人を超えているなどの条件で対象自治体が選ばれていますので、新宿区は該当していません。しかし、今回の保育所の面積基準の独自緩和については、対象となった区や市でも慎重な姿勢であるところが多いと聞いています。暫定的な措置として面積基準の緩和ができるのか、一度緩和した影響はどこまで続くのかなどの、先を見通した中でなければ、難しい選択だと思います。 しかし、待機児童の解消策としての観点からではなく、保育の実態に合わせた面積基準としての見直しということはあり得ると思います。私は現場・現実の重視という基本的な方針に照らし、有意義な見直しであれば検討することは必要だと考えております。 次に、区長に就任以来の待機児童解消対策についてのお尋ねです。 私は区長に就任以来、区政の最重要課題の一つとして待機児童の解消を挙げ、計画事業と緊急対策の両面から取り組んでまいりました。 計画事業としては、私立保育園の建設等による認可保育園の定員拡大や認証保育所の増設、子ども園の開設を、また、緊急対策としては、認可保育園定員の弾力的受け入れ、信濃町保育園分園の設置や区立保育ルームの設置を行いました。この結果、就学前人口に対する保育サービス定員の割合は、23区の中でもトップクラスになっています。 さらに、多様化する保育ニーズにこたえるために、延長保育や一時保育、病児・病後児保育なども積極的に展開してきましたし、親の就労状況にかかわらずに、就学前の子どもの成長と発達段階に応じた保育・教育を一体的に行えるように、新宿区独自の理念をつくり上げながら、子ども園化も推進してきました。 こうした取り組みを続けてきたのは、男女ともに社会の担い手として仕事をし、家庭を持ち、子どもを産み育てられる環境をつくっていくことが行政の大切な仕事であるという基本的な考え方や時代認識があったからです。 まだまだ保育サービスへのニーズはふえ続け、多様化していますが、今後もこれまで同様、積極的に保育環境の整備を進め、子どもを真ん中に子どもの育ちを皆で支える子育てコミュニティタウン新宿の実現を目指してまいります。 ◆11番(池田だいすけ) 続きまして、みどり行政について伺います。 新宿区では、組織上、部としてはみどり土木部であり、課はみどり公園課です。念のため、23区の状況を調べてみますと、部のレベルでは土木か都市を冠とする部が大半を占めていて、みどりを部の組織名に持つのは、新宿区と世田谷区だけでした。課のレベルになりますと半数ぐらいの区で、ひらがなや漢字の表記の違いはありますが「みどり」が使われていました。名は体をあらわすのとおり、新宿区はみどりを部の、しかも土木の前に冠としていることで、区長のみどりの施策に対する意気込みのほどが、このことからわかりました。 余談になりますが、23区の組織名を調べていて、それぞれの区長の視線の先がどこにあるのかが何となくわかり、組織は単なる看板ではなく、そこには区長の意思が働いていることを改めて理解しました。緑が決して多くもない新宿区のような大都市だからこそ、余計に緑の大切さやありがたさを感じるとともに、都心である新宿区だからこそ緑に力を注ぐ必要性を再確認した次第です。ことしの夏は、特に庭先やマンションのベランダのゴーヤやヘチマなどのツル植物が目につきました。そういえばゴールデンウイーク明けのころ、ラジオでことしはゴーヤの苗が売り切れ続出などと報じていました。 先日、まだまだ日差しの暑い昼下がりに、高齢者の方を訪ねました際、この緑のカーテンの効果を実感しました。本当に緑陰越しの縁側では、4度、5度は違うのではないかと思ったもので調べてみますと、緑陰の場合は、すだれやよしずなどと違い、外断熱で遮光効果があり、かつ、気化熱による冷却効果が効果的、継続的に温度抑制ができるようです。 また、先日の新聞では、防衛大学校などの研究チームの報告として「ヒートアイランド現象で熱くなった都市部を、緑地が夜間に冷やす効果を算出した結果、都心の約200平方メートルの公園で、家庭エアコン4,000台分の冷却効果が見込める」と報じていました。 7月15日の広報しんじゅくで、区長のコラムに緑のカーテンやみどりの実態調査のことが書かれていました。早くから広報などでエコや省エネなどの観点から緑のカーテンの効用を主唱されていました。そして、エコや省エネでは、新宿エコ自慢ポイント制度も導入され、家庭での節電もポイントのメニューに加えられるなど施策のすそ野を広げて総合化し、主管課だけでなくほかの部署も連携して効果の相乗化を図ることに腐心されていることに敬意を表します。 また、7月15日号の1面の区長のコラムにあわせて、2面には「ゴーヤ料理・2011新宿「みどりのカーテン」プロジェクト」なる記事が用意されており、事業のすそ野を広げるとともに、PRも相乗効果を考えた記事づくりをされていました。このように一つの事業を他の事業と関連づけて、点から線へ、線から面にしていく総合性に今後とも心がけていただければと思います。 このみどりにつきまして、在任3期目として組織名のことも含め、どのような感慨をお持ちでしょうか。そして先ほど申しましたように、施策の総合化に腐心されていますが、みどりの施策に限りますとどのようなものがあるのでしょうか。1つ、2つ挙げていただければと思います。 次に、第7次みどりの実態調査について伺います。 みどりの実態調査の概要版がわかりやすいもので、このリーフレットの航空写真を見ると、結構緑があるように見えますが、これで緑被率は17.87%で、前回比0.4%の増、面積で7.31ヘクタールの増加だとありました。実質的な緑被率が調査開始以来の30年で初めて増加したことは、新宿区の今日的な状況では、樹林地はどうしても減ってしまい、公共施設の緑化や屋上緑化・壁面緑化などに代表される緑の創出という、限られた方法による増加でしか緑被率を伸ばせない中では、大変な実績だと思います。それをさらに平成21年2月のみどりの基本計画では、今後10年間の目標を、当面1%アップとしているのは、この5年間の努力によっても0.4%アップであり、かなり高い目標と言えます。 このことを区長は第7次報告書の巻頭で「知恵と工夫、そして新たな緑化技術を駆使して達成したい」とされています。私は、目標は達成が困難と思われるぐらいの少し高いほうがよいと思っています。新宿区は、新しい課題がひっきりなしに生まれるまちです。そんな中、これまでも新宿区では進取の心意気で切り開いてきてこれらました。古くには、みどり土木の関係者の面目躍如ともいうべき平成6年6月発刊の「都市建築物の緑化法(みどりある環境への技術指針)」は、必要な技術情報を全国の自治体や多くの人たちに提供するなど指導的役割を担うとともに、著作権収入も得て、区財政にも寄与されてきています。 このような新宿区の技術者魂といいますかDNAを大いに発揮して、1%という多くの困難を伴う目標も達成していただきたいのですが、知恵と工夫によるところですけれども、どのような形で今後取り組んでいかれるのでしょうか、伺います。 ◎区長(中山弘子) みどり行政についてのお尋ねです。 初めに、みどりに対する感慨についてです。 私は平成14年11月、新宿区長に就任以来、一貫してみどり豊かなまちの実現に取り組んできました。それは私自身、緑が好きで大切であると考えていることはもちろんですが、今、時代が求めているまちづくりは、「歩きたくなるまち新宿」であり、歩いて楽しめるまちづくりに水辺や緑を欠かすことはできません。緑は、都市の品格を高めるために必要不可欠であり、水や緑を主役に据えたまちづくりを進めたいとの思いを込めて、平成20年度の組織の再編に際し、部の名称を「みどり土木部」としました。 新宿区は都市化の進展が著しいまちであり、緑をふやすことが最も難しい都市の一つです。開発や建てかえによって昔からあった緑地や大木が失われていくのを目のあたりにして残念な気持ちになったこともありましたが、だからこそ、屋上緑化の普及促進や保護樹木制度の充実、緑のカーテン事業などに力いっぱい取り組んできました。 次に、みどりの施策の総合化についてのお尋ねです。 緑は、そこにあるだけで十分すばらしいものですが、区のさまざまな事業と連携することで、より効果を発揮することができます。一例として、小学校の校庭を天然芝に改修することにより、子どもたちがいきいきと走り回れるようになるとともに、地域の方々が芝刈りや除草などの維持管理に参加することで、地域コミュニティの醸成にも役立っています。また、新宿中央公園ビオトープの整備では、区内では珍しいアマガエルやクロスジギンヤンマが観察できるまで自然を回復させるとともに、公園サポーターや環境学習情報センターの協力を得て、子どもたちに田植えや稲刈りなどを体験させることによって、お米を大切にする気持ちをはぐくんでいます。このことからも、緑は区の施策の総合化に大きな役割を果たしています。 次に、今後の取り組みについてのお尋ねです。 平成22年度に実施したみどりの実態調査第7次において、新宿区の緑被率は17.87%となり、0.4ポイントではありますが、これまで減少一方だった区内の緑が初めて増加しました。緑が増加した理由は、屋上緑地の増加や街路樹の成長などによるものであり、これまで区が取り組んできた空中緑花都市づくりや新宿りっぱな街路樹運動などの施策が実を結んだものと考えています。 特に、緑化が難しい繁華街においても、例えば区役所の門柱緑化、歩道上の空間を活用したアケビやノウゼンカズラによる緑のひさしやバス停緑化、ハンギングバスケットの設置など、さまざまに工夫してみどりのまちづくりに積極的に取り組んでいます。 今後もこれらの施策の充実を図るとともに、公共施設の緑化や民間開発における緑化指導を推進することにより、創意工夫を凝らし、新宿区ならではの緑化に果敢に取り組んでいきます。新宿区に住む人や働く人はもちろん、将来、新宿区に暮らす人のためにも、今ある緑を残し、さらにふやすことにより、安らぎと潤いのあるまちづくりに取り組んでまいります。 ◆11番(池田だいすけ) 続きまして、木造住宅密集地域の整備促進について伺います。 私の住んでいる北新宿から西新宿七、八丁目にかけての地域の土地利用の状況を見ますと、小滝橋通り、大久保通り、職安通り、青梅街道などの大きな道路に面した地域でのマンション、商業施設の拡大する地域とそれらの内側にある木造住宅密集地域が存在するという、ある種の二極化の様相を呈しているとも言える状況があると思っております。 そしてこの地域には、平成20年2月、東京都公表の地震に関する地域危険度測定調査で、総合危険度4に該当する北新宿二丁目がありますが、新宿区内には、同調査で都内2位ともなる危険度5の地域もあります。当然のことですが、この地域危険度は、古い木造建物が密集している地域で高くなり、耐火建物が多く、道路、公園などの公共施設が整備された地域では低くなっています。3.11の東日本大震災について、京都大学防災研究所の田中哮義氏は、海洋プレート型巨大地震における火災の様相に接した初めての震災であり、津波と関係しない場合の正確な出火率については今後の綿密な分析に待たねばならないとのことです。 しかし、津波の影響の少ないと思われる関東各都県で見ると、地震動による家屋被害の程度に対しての出火数は阪神大震災における神戸市での出火に比較してけた違いに大きい。また、高い耐震性が出火率減少に寄与すると記しています。この指摘からすれば、南関東におけるマグニチュード7程度の地震の発生確率は、今後30年以内に70%程度とされている中では、木造住宅密集地域の防災性の向上は最優先に解決すべき課題であると考えます。 新宿区では現在、モデル地区事業等、耐震化支援事業を強力に推進してきていますが、この施策も含め、木造住宅密集地域に対する区の取り組みの現状と今後についてお聞かせください。 ◎区長(中山弘子) 木造住宅密集地域の整備促進についてのお尋ねです。 私も、木造住宅密集地域の防災性の向上は喫緊の課題であると認識しています。現在、木造住宅密集地域における取り組みとしては、若葉・須賀町地区における木造住宅密集地区整備促進事業による老朽木造住宅の共同建てかえの促進や、西新宿八丁目成子地区などにおける市街地再開発事業による街区単位での整備を進めています。 また、狭隘な道路の拡幅を行う細街路拡幅整備事業や、地区計画などを定め、計画に沿った建てかえによる不燃化を促進することで防災性の向上を図っています。 古い木造建物が密集している総合危険度または建物倒壊危険度が5の地域においては、建築物等耐震化支援事業の中で積極的に地域に入り耐震化を推進していくモデル地区事業を平成22年度から実施しています。 今後、この事業の検証を踏まえ、北新宿二丁目を含む総合危険度4の地域などについてもモデル地区事業の拡充を検討するとともに、引き続きこれらの多様な手法を活用し、木造住宅密集地域の整備促進に取り組んでまいります。 ◆11番(池田だいすけ) 続きまして、教育委員会に伺います。 最初に、第一次実行計画事業の新しい中央図書館のあり方の検討について伺います。 新中央図書館は、中央図書館の役割や機能を抜本的に見直し、IT社会に対応した情報センターとしての機能を強化した整備を検討するとして、昨年11月に新中央図書館等基本計画が策定されました。今回の大地震を踏まえ、新中央図書館のスケジュールについては改めて判断するとのことで、検討を進められているものと思います。 この基本計画の第2章(仮称)新宿メディアプラザの方向性の中で「集う」-「人々の情報交換や交流の拠点となります。」とありますが、交流の拠点に関して、基本計画策定委員会での議論にはどのようなものがあったのでしょうか、伺います。 次に、図書館の指定管理者制度の導入について伺います。 私の住んでいる北新宿の地域には、三丁目の東京薬科大学跡地に多目的広場とともに図書館、生涯学習館、児童館、ことぶき館、保育園と老若男女のだれもがみずからのライフステージにも応じ、日々いつでも利用できる恵まれた施設の集積があります。 昼間は広場や図書館などに親や祖父母と一緒の乳幼児を含め、多くの人たちに利用され、また夜間には7時まで開館のため、当然のことながら利用者の顔ぶれには勤め帰りの人も見られます。この施設は、2年前から指定管理者制度の導入により開館時間が長くなったと聞き、早速調べてみますと、地域図書館8館について平成21年度から3カ年をかけ、複合施設では平成21年度、地域センター併設館は平成22年度、そして平成23年度には単独館をと、グループ分けして段階的に実施されてきました。 そして、グループ間では開館時間が異なっていますが、より早く開館、より遅く閉館と開館時間は長くなっていて、指定管理者制度の目的にかなった導入だと思います。限られた予算の中で、必要十分かつサービスの質と量を拡大していくためには、この制度の導入は時宜を得たものだと思っています。古くには、よく図書館の稼働日数、時間の低さが議論となりましたが、平成23年度に全地域館で導入へ移行された現在、開館時間から見た導入の評価と課題について伺います。 最後に、ボランティアの育成と活用について伺います。 私は図書館は多くの人が集まる公共空間として、その有する資源を活用してコミュニティ活性化の一翼を担う必要があると考えます。また、地域人材の発掘と育成、活用の場として図書館の責任のもとに、ボランティアの方々に積極的な協力を求め、一緒に協働していくべきと考えるものです。当然、既に取り組んでいることではあると思いますが、さらに活用していただければと考える次第です。 また、地域の人たちの交流の場として、できる限り図書館施設を利用したイベントなど、老若男女多くの人たちが参加できる工夫と仕組みが欠かせないと思うのですが、御所見を伺います。 ◎教育長(石崎洋子) 新中央図書館等基本計画策定委員会の中で、交流の拠点に関して、どのような議論があったのかとのお尋ねです。 基本計画では、基本コンセプト及び3つのキャッチフレーズを掲げており、その中の一つを「集う」として情報交換や交流の拠点となることを掲げています。 新中央図書館等策定委員会の中では、図書館における「集う」という機能は、図書館の特性を活かして展開していくべきであるとの趣旨の意見があったほか、新宿区で活動する人だけではなく、新宿区を通過する人を含めて考えるべきであるとの趣旨の意見がありました。 策定委員会ではこうした意見を踏まえ、新中央図書館は知の拠点という図書館の特性を活かした集う機能を展開するべきであるとして、幅広い資料の充実や魅力あるイベントの開催等を通じて、通過する人々を含む多様な区民が利用しやすい情報拠点を目指していくべきであると位置づけました。 教育委員会では、いただいた御意見を踏まえて新宿区の知の拠点としてふさわしい図書館サービスを充実させ、「「新宿力」で想像する、やすらぎとにぎわいのまち」の実現を目指していきたいと考えています。 次に、開館時間から見た指定管理者制度導入の評価と課題についてのお尋ねです。 地域図書館への指定管理者制度の導入により、経費の縮減を図りながら開館時間を拡大しました。開館時間拡大の結果、実際に本を貸し出した利用者数や貸し出し冊数の増加につながっています。 平成21年度には戸山、北新宿、中町の各図書館に指定管理者制度を導入しました。その結果、利用者数は、3館合計で導入前の16万1,000人に対し18万5,000人と2万4,000人、約15%増加し、貸し出し冊数は導入前の45万4,000冊に対し54万2,000冊と、8万8,000冊、約19%増加しました。 また、平成22年度には四谷、角筈、大久保図書館に指定管理者制度を導入しましたが、その結果、利用者数は導入前の3館の合計29万2,000人から32万人と、2万8,000人、約10%増加し、貸し出し冊数は85万2,000冊から89万1,000冊へと、3万9,000冊、約5%増加しました。 また、拡大した時間における利用状況を見ますと、午前は乳幼児の親子連れを中心とした利用者が増加し、夜間は予約した資料の受け取り、返却や閲覧利用について社会人の利用者が増加しており、より幅広い層に図書館が利用されています。 こうしたことから、指定管理者制度導入に伴う開館時間の拡大は、図書館利用者の利便性を向上させることで利用者数や貸し出し冊数の増加に結びついたものと評価しています。 このように開館時間の拡大は一定の効果をもたらしていますが、より多くの区民に図書館を利用していただくために、開館時間の拡大についてさらなる周知を図る必要があると考えています。 次に、ボランティアの育成と活用についてのお尋ねです。 新宿区立図書館では、図書館業務にボランティアとして携わることを希望する地域の方々が図書館サポーターとして登録し、さまざまな活動を行っています。 図書館サポーターの活動内容は、絵本の読み聞かせや区内在住の身体障害や高齢等のために来館が困難な方に自宅まで配本する家庭配本、視覚障害者に希望図書の朗読を行う対面朗読、音訳などとなっています。 これらの活動のほかに、サポーター有志が自主的に企画し実施する行事である合同お話し会が中央図書館で年2回実施されています。今年度は、実行委員を公募としたことで新たに地域で活動する団体や個人の参加も得られ、行事の内容がさらに充実したものとなっています。こうした活動内容は、サポーター有志の企画、編集によるサポーターズニュースにより周知しております。 サポーターへの支援としては、中央図書館及び各地域館にサポーター担当者を置き、各館の活動状況を踏まえサポーターの希望が活かせる体制を整えているほか、絵本の読み聞かせの実演講習などの研修を実施しています。さらに中央図書館に設置したサポーター交流コーナーでは、活発な交流も行われています。 また、人形劇や映画会、中高年のためのパソコン講座、起業を目指す方のためのビジネス情報支援相談会、寄席、年金や介護などの基礎知識を学ぶ暮らしの講座など、子どもから高齢者まで幅広い年齢層の方を対象とした多様な行事を、各図書館で工夫を凝らして開催することにより、多数の参加を得ています。 今後も、ボランティアの方々との協働を進めていくとともに、魅力ある行事の開催を通じて、地域の方々の交流の場となるような図書館を目指してまいります。 ◆11番(池田だいすけ) 何分初めての代表質問ということで、大変失礼な面もあったかと思いますが、皆様方におかれましては最後まで御清聴いただき、まことにありがとうございました。 以上で、自民党区議団を代表しましての代表質問を終了させていただきます。 どうもありがとうございました。(拍手) ○議長(宮坂俊文) 次に、16番なす雅之議員。     〔16番 なす雅之議員登壇、拍手〕
    ◆16番(なす雅之) 区長の基本的政治姿勢と震災支援についてお伺いいたします。 イ、区長はさきの新宿区議選で新宿区政の基本的課題に対する姿勢が区長と同じ方向の方を24人推薦しましたと答弁しています。私の推測では、区長が推薦した24人のうち2人が落選し、現在の新宿区議会の会派では、自民、公明、民主・無所属、みんな・無所属、区民主権のうち22人が当選して新宿区議会議員となっていると思います。区の職員にとっても、区長が推薦した議員と推薦しなかった議員の問題は大きな関心事であり、区長が推薦しなかった議員に区職員としてどのように対応すべきかは悩ましい問題であると私は感じております。 平成15年6月第2回定例会でも質問しましたが、区の職員に対しても区長がどのような考えに基づき候補者を推薦したのかはきちんと説明すべきと考えますが、いかがでしょうか。 区長が推薦した、推薦しなかったにかかわらず、すべての議員に対し区の職員は公平に対処せねばならぬことは言うまでもないことだと思いますが、いかがでしょうか。このことはある意味で職員として、区長に対してどのような態度をとるべきかと相通じることがあると思うので質問するものです。よく言われることですが、権力は腐敗すると言われます。中山区長も3期目となり、アメリカの大統領を超える長期政権となっています。区の職員が区長の顔色や上司の機嫌を気にしながら仕事をすることのないよう、区の職員に対し、区長が選挙で推薦した、しないにかかわらず、議員に対しては公平な態度で接することが大事だということを議会でも明らかにし、常日ごろも区の職員に説明することが大切だと思うので質問するものです。 ロ、幼稚園の全園子ども園化についてお尋ねします。 私は、子ども園をふやしていくことには基本的に賛成の立場です。しかし、幼稚園には幼稚園のよさがあり、区立幼稚園を残すべきと思う方は大勢いらっしゃると考えています。 新宿区の全小学校に区立幼稚園が併設されていることは23区でもほとんど例がなく、新宿区の誇るべき点だと私は思います。これは青空保育園から区立幼稚園と転換され、岡田区長当時の昭和36年から小学校併設が始まり、昭和42年に新宿区内の全小学校に区立幼稚園が併設されることが実現できました。 区長は、区立幼稚園の全園子ども園化をやめ、区立幼稚園を一定程度残すべきと思いますが、いかがですか。津久戸小学校と江戸川小学校の統廃合が見送られました。これは基本的には教育委員会が決定したことですが、この統廃合見送りに果たした区長の役割はとても大きかったと私は推測しています。区立幼稚園を残すことに区長は英断を下すべきです。 ハ、東京都は2020年のオリンピック開催に立候補しました。 新宿区は東京オリンピック実現に向かってできる限りの協力をすべきと考えますがいかがでしょうか。 私は2016年のオリンピック招致には反対でした。しかし、今回は賛成の立場に変わりました。東日本大震災からの復興、平和の実現、原子力発電所縮小、再生可能なエネルギーへの変換を大きな柱と掲げて、東京オリンピックを実現したいと思います。今のオリンピックの開催形式では、サッカーなどの一部の競技を東北地方で開催することも可能だと思います。 新宿区は、都道府県県庁所在地市長会の一員です。都道府県県庁所在地市長会の一員として、東京オリンピック開催のために主導的な役割を果たすべきです。新宿区は2016年度東京オリンピック・パラリンピック招致イベント実行委員会を発足させましたが、そのときを大幅に上回る予算と体制で取り組むべきと考えますがいかがですか。 ニ、次に、WEバスについてお伺いいたします。私は以前もWEバスは撤退すべきではないかと質問しましたが、区長は「WEバスは平成21年9月に開業しましたが、ルートやバス停のわかりづらさ、バス停での時間調整などに課題があり、利用者が予想を下回っていました。このためバス事業者と利用実態調査を行い、利用者の動向や要望を踏まえ、本年2月から新宿御苑や新宿通りを通るルートに変更したところです。この結果、昨年同時期に比べ約3割程度利用者が増加しています。今後も新宿駅周辺の回遊性を向上させるため、新宿WEバスを継続的、安定的に運行できるよう努力してまいります。」と答弁しています。 私は、今でも利用者は予想を下回っていると思いますが、いかがですか。 1、区長は、今のような努力をしていけば近いうちに利用者数が予想を上回ると信じているのですか。 2、一つのアイデアですが、WEバスを1年間休止して、津波の被災地の復興支援に役立たせてはいかがですか。新宿区は、職員の派遣や再生自転車の提供など、さまざまな支援をしています。これにプラスして被災地の方々の交通支援としてWEバスを被災地の自治体に提供する方向で京王バスや被災地の自治体と協議してはいかがですか。ボランティアや視察団の交通手段とするか、医療機関への高齢者の交通手段とするかは各自治体にお任せすればよいと思います。現在の広告スポンサーには、被災地支援団体として大きくPRすればよいと思います。運転手は地元から募れば雇用の確保にもつながると思います。人件費は京王バスと新宿区と地元自治体で話し合って負担すればよいと思います。 今回の補正予算でも、震災のため保養所の指定管理者への補償が提案されています。被災地支援のためにある程度の費用が発生してもよいではないですか。新宿区が被災地支援のためにWEバスを使えば大きなPRにもなり、新宿区民の多くがWEバスを知ることにもなると思います。このアイデアを都政新報の記者に話したら、とてもおもしろいとの反応でした。 ホ、新宿区のホームページを見ますと、義援金が約1億円、日本赤十字社を通じて贈られています。この義援金は町会や企業団体、そして多くの区民から集められた本当にとうといものです。しかし、マスコミの報道によれば、多くの義援金が被災された方に届かず滞っていると報道されています。私の友達の区民の方も、「あんなことを聞くとカンパする気になれないし、集める気にもなれないよな」と言っています。新宿区民が日本赤十字社を通じて贈った義援金は現在はどのような使われ方をしているのでしょうか。難しいことだとは思いますが、わかる範囲で結構ですからお答えください。 以上について答弁を求めます。 ◎区長(中山弘子) なす議員の御質問にお答えします。 区議会議員選挙の際の候補者の推薦等についてのお尋ねです。 私は、これまでもお答えしてきたとおり、私と区政の基本的課題に対する姿勢が同じ方向にある方から、その意向があれば推薦しています。 また、区の職員は、全体の奉仕者として誠実かつ公正に職務を遂行する義務があり、私も職員もすべての方に対して公正・公平に対応しています。私の区長としてのこの姿勢は、職員はもとより区民の皆様にも御理解いただいているものと考えております。 次に、区立幼稚園の全園子ども園化についてのお尋ねです。 区では、平成17年度から愛日幼稚園と中町保育園で幼保合同保育を開始し、さらに平成19年度に四谷子ども園を開設するなど、国の子ども・子育て新システムの基本方針に先行する形で、区独自で子ども園化の推進に取り組んできました。 そして、平成23年2月に策定した新宿区子ども園化推進の基本方針では、区立保育園及び幼稚園の保護者を就労の状況にかかわらず、保育、教育を一体的に行う子ども園に一元化することとしました。 御指摘のように、幼稚園には幼稚園のよさがあり、特にこれまで培ってきた幼児教育の理念や実践は子ども園の運営の中で現に活かされており、また、これからも活かされていきます。 いずれにしましても、待機児童の増加への対応や施設の有効活用を図りながら、既存の幼稚園や保育園という枠組みを超え、就学前の保育、教育を、子どもを真ん中に、子どもの発達段階に応じて一体的に展開できる施設としての子ども園化を、今後も地道に進めていきたいと考えています。 2020年オリンピック・パラリンピックの招致についてのお尋ねです。 さる7月16日、東京都は日本オリンピック委員会に対し、第32回オリンピック・パラリンピック競技会への立候補を表明しました。 立候補した都市は、東京のほか、イタリアのローマ、トルコのイスタンブール、スペインのマドリード、カタールのドーハ、アゼルバイジャンのバクーの6都市となっています。 東京都は、8月1日に招致推進部を設置しましたが、招致には都民、国民、関連自治体、政府、経済界等からの幅広い支持が得られるよう、引き続き日本オリンピック協会の主体的な取り組みが必要であるとしており、現時点で、区に対し招致活動等に関する具体的な要請はありません。 オリンピック・パラリンピックの招致については、こうした東京都の動向を注視するとともに、区民や区議会の意向を十分に踏まえて、今後、的確に対応してまいります。 次に、新宿WEバスについてのお尋ねです。 初めに、新宿WEバスの利用者数が予想を下回っていることについてです。 新宿WEバスの利用者数は、本年2月にルートを変更したことにより利用者数が前年比約3割増加しました。東日本大震災発生以降も他の路線バスの利用が落ち込む中で、おおむね昨年と同程度の利用者数で推移しています。しかしながら、運行事業者が当初見込んでいた1日の利用者数を下回っています。 次に、近いうちに利用者数が予想を上回るかとのお尋ねです。 区とバス事業者は、これまでも新宿WEバスの写真展を実施したり、街頭の大型ビジョンでの周知活動を行ってきました。今後もバス停周辺の店舗や事務所へのPRやイベントに参加して周知を行うなど、一人でも多くの方に御利用いただけるよう努力してまいります。 次に、新宿WEバスを被災地の復興支援に役立ててはいかがかとのお尋ねです。 新宿WEバスを所有し、運行している京王バス東株式会社では、新宿WEバスを運休すると、日ごろこのバスを利用されている方が不便になることから、新宿WEバスを被災地へ提供することは考えていないとのことです。 区としても、新宿WEバスを被災地に提供することは考えていませんが、被災地ではバスや電車などの交通機関が十分回復していないことは認識していますので、引き取り手のない放置自転車を整備した後、被災者の方々へ提供できるよう関係団体と調整してまいります。 次に、新宿区民が日本赤十字社を通じて贈った義援金は、現在どのような使われ方をしているのかについてのお尋ねです。 まず初めに、多くの区民の皆様から義援金を御協力をいただいたことに大変感謝しております。お預かりした義援金については、3月30日を皮切りに9回にわたり日本赤十字社へ送金しています。 日本赤十字社によると、9月2日時点で、日本赤十字社などの受け付け団体への募金総額は3,207億円です。日本赤十字社から被災者への配布状況については、義援金の具体的な配布基準などを決定する、各都道府県の義援金配分委員会へ第一次配分と第二次配分をあわせて2,862億円送金されています。被災者へは、義援金配分委員会から配布事務を行う被災市町村を通じて1,960億円配布されています。 区としても、被災地において義援金支給事務等が円滑に行われるよう被災自治体の要請に応じ、これまでも職員を派遣してまいりました。引き続き職員派遣を行い、被災自治体を支援してまいります。 私としても、被災された方々全員に一刻も早く義援金が配布されることを願っております。 ◆16番(なす雅之) 区長は各議員に、推薦した、しないにかかわらず公平に対応していると、全くそのとおりだというふうに思いますよ。ただ先ほども言いましたけれども、権力は腐敗するということになりますと、やっぱりどうしても区長が喜ぶような情報しか入ってこないというような、なかなか僕みたいに本音で言う人は少ないみたいなことがありますので、そういうようなことにも気をつけながら、いろいろ対応していっていただきたいというふうに思います。 次に質問に入りますね。 次に、「アリバイ条例」と思える自治基本条例についてお伺いします。 イ、自治基本条例第8章地域自治、第21条の3項に「区民は、第1項の地域づくりを行うため、地域の区分ごとに地域自治組織を置くことができる。」とあります。中山弘子マニフェストには、「地区協議会のあり方を含め、新たな地域自治の仕組みを検討するとともに、特別出張所の機能強化を推進します。」とありますが、新たな地域自治の仕組みは必要なのでしょうか。 私は、町会も地区協議会も一つの自治組織だと思います。そして、それぞれに活動しており、徐々にではありますが区民の中に定着しつつあると思います。おのおののよさを活かし、それぞれの活動が発展していくことでよいと思います。 区長は、なぜ新たな自治の組織が必要で、新たな自治の仕組みはどのようなものがよいと思いますか。また、自治基本条例の検討連絡会の中では、区としては新たな自治の仕組みを具体的に提案したのですか。 ロ、基本的に自治基本条例では、「地域自治組織を置くことができる」となっており、いわゆる「できる規定」です。地域自治組織は、区が積極的に主導的な役割を持ってつくるべきではないと思います。これこそまさに地域の人に任せればよいことで自然体にすればよいと思いますが、いかがですか。 川口市自治基本条例には、第9条、地縁による団体及び市民団体による活動として、「市民は、町会、自治会等の地縁による団体及び自主的に形成された市民団体による活動を通じて自治を実現することができる。2、市民及び市は、前項に規定する地縁による団体及び市民団体を、自治を実現する担い手として尊重しなければならない。」とあります。つまり、川口市では、自治基本条例の中で町会、自治会等を自治組織として認知しています。新宿区は、第一次実行計画の中で、地区協議会を自治基本条例の中で位置づけると明記していましたが、町会の方が地区協議会より区民の中には定着していると言えます。区長は、新宿区自治基本条例の中で新宿区の町会、自治会を自治組織として規定することについてはどのようにお考えですか。なお、新宿区のさまざまな条例の中に町会という言葉が使われていることは言うまでもありません。 ハ、自治基本条例の区民検討委員の方が中心となり、自治基本条例を推進する会が結成され、区の職員の方も結成総会に出席しあいさつされていました。この総会に出席したのは議員の中では私1人でしたが、50人近くの区民の方が参加し熱心な討論が行われました。まだ結成間もなく、きちんとした活動方針などは出されておらず、「とりあえず勉強しなければ」の段階のようですが、新宿区としては、この自治基本条例を推進する会を支援していくべきと思いますがいかがですか。区役所の会議室を利用したいなどの要望があれば、認めていくべきと思いますがいかがですか。 ニ、自治基本条例がいま一つ区民の中に広がらないのは、理念条例ということで、これに基づいた施策がなく、実効性がほとんどないからだと思います。第9章、子どもの権利等、「子どもは社会の一員として自らの意見を表明する権利を有するとともに、健やかに育つ環境を保障される。」とありますが、健やかに育つ環境を保障されることに関しては、教育政策の充実や子育て支援策の充実が以前から実施されています。一つの案ですが、社会の一員としてみずからの意見を表明する権利を有するということに関して、具体的な施策をスタートさせるべきと思いますがいかがですか。自治基本条例ができたことによって新宿区が変わったと区民が感じることがふえていけば、自治基本条例が少しずつ区民の間に定着していくと思います。 以上について答弁を求めます。 ◎区長(中山弘子) まず、新たな地域自治組織は必要なのか。また、なぜ新たな地域自治の仕組みが必要で、どのようなものがよいと思うかとのお尋ねです。 地域自治組織については、現在の基本構想・総合計画の策定に当たっての新宿区民会議の提言なども踏まえ、地区協議会を条例に位置づけることなどを総合計画に盛り込みました。私は、これからの地域自治を考える上で、地域の実情を踏まえて課題解決に地域が取り組めるように、その役割や位置づけなどを明確にする仕組みづくりと、実践する組織づくりが必要であると考えています。 次に、新宿区自治基本条例検討連絡会議に区は新たな地域自治組織の仕組みを具体的に提案したのかとのお尋ねです。 自治基本条例区民検討会議、議会、区の三者それぞれから、地域自治組織に関して自治基本条例に盛り込むべき事項として、地域区分や活動の支援などについての案が検討連絡会議に示されました。検討連絡会議では、その案をもとに検討がなされましたが、十分な議論が必要であるとのことから別に条例で定めることとしました。 次に、地域自治組織は地域の人に任せたほうがよいのではないかとのお尋ねです。 自治基本条例では、「地域区分ごとに地域自治組織を置くことができる」と規定しています。置くことができるとした趣旨は、区が組織を設置するのではなく、地域の皆さんみずからが主体的に設置するものとの考えによるものです。 次に、自治基本条例で町会、自治会を地域自治組織に規定することについてのお尋ねです。 自治基本条例では、地域自治組織に関して必要な事項については別に条例で定める旨規定しています。町会、自治会を地域自治組織に位置づけることについては、別の条例を検討する中で区民の皆さんや議会の皆さんの御意見を聞きながら検討していきたいと考えています。 次に、自治基本条例を推進する区民の会への支援についてのお尋ねです。 自治基本条例を推進する区民の会は、自治基本条例区民検討会議委員の有志の方が中心となり、区民の皆さんみずからが自治基本条例の普及活動などを目的に設立された会と聞いております。区においても、自治基本条例を推進するためにハンドブックの作成やシンポジウムの開催などを予定していますが、一緒に取り組んでいけるものについては連携していきたいと考えております。 区庁舎の会議室は一般の利用に供していないことから貸し出すことは困難ですが、新宿区の自治を推進するために必要な協力はしていきたいと思います。 次に、子どもが社会の一員としてみずからの意見を表明する権利を有することに関し、具体的な施策をスタートさせるべきというお尋ねです。 区では、子どもの権利を大切にし、子どもの幸せを第一に考えることを基本的な視点の一つとして、次世代育成支援計画を策定し、さまざまな施策を推進しています。その中で、子どもが意見を表明する具体的な機会として、毎年、小・中学生フォーラムを実施しています。子どもたちの意見を私が直接聞き、実際の施策に活かすための検討も行っています。 例えば平成21年度の小・中学生フォーラムでは、自分たちで大久保のまちの歴史、記憶をつなぐ大久保つつじを育てたいという積極的な申し入れがあり、早速大久保小学校に植樹しました。また、今年度は、6月に小学校2校、7月に中学校1校でフォーラムを実施しました。男女共同参画をテーマに、子どもたちとたくさんの意見を交換し、将来、新宿のまちを支えてくれる子どもたちの存在を心強く感じました。フォーラムでいただいた意見は、今年度策定する第二次新宿区男女共同参画推進計画の参考にしてまいります。 今後も、子どもがみずからの意見を表明する権利を大切にしながら、施策を進めていきたいと考えております。 ◆16番(なす雅之) 今の最後の自治基本条例の子どもの云々のところはいろいろされているのはよくわかりましたけれども、子どもたちが自治基本条例ということを一応ちゃんと意識した中でいろいろやっているかどうかというところはいま一つのところがあるかな。そういう意味で言うと、やっぱり自治基本条例というのはある意味では新宿区の憲法と言われるものだし、それなりに大切だというふうに、いろいろな事ある機会に新宿区民に、子どもも大人も自治基本条例のよさとかねらいをいろいろ説明していくというようなことが、とても大切なのではないかなというふうに思います。 では、次にいきますね。 新宿区の英語教育について、教育委員会にお伺いいたします。 自治基本条例に、第24条、「区は国際都市として自覚を持って国際社会との相互理解及び協調に努めるものとする。」とあります。私は基本的に国語教育のほうが英語教育よりも大事との立場ですが、ボーダーレス社会、日本の多くの大企業の海外の売り上げが50%を超えるという今日においては、国際語としての英語教育の大切さは言うまでもないと思います。 イ、平成14年度から小学校でも英語教育活動が取り入れられており、もちろん新宿区でも実施されています。以前もお尋ねしましたが、最初に新宿区の英語教育活動ALTの目的、現状と実態をお聞かせください。 ロ、学習指導要領解説によれば、外国語活動の目標は、外国語を通じて、言語や文化について体験的に理解を深め、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図り、外国語の音声や基本的な表現になれ親しませながら、コミュニケーション能力の素地を養うとあります。言うまでもありませんが、コミュニケーション能力の素地を養うためには、国語教育もとても大切です。もちろんそのような考えから保護者や児童生徒に接しているとは思いますが、国語教育の大切さを教えるために、実際の教育の現場ではどのような努力を行っていますか。 ハ、また、指導計画の作成と内容の取り扱いの要点によれば、学年ごとの目標については、各学校において児童や地域の実態に応じて適切に定めることとされています。新宿区は多文化共生を大きな柱として掲げるものであり、新宿区には3万人以上の外国籍の方が住んでいます。このような新宿区の特性を活かした外国語活動が大事だと思います。新宿区ならではの活動もできると思います。区内の学校でさまざまな努力、実施をしていると思いますが、その幾つかを紹介してください。 ニ、特色ある教育、学校の関連で言えば、学力に関しても数値目標を各学校が持つことも自然なことだと思います。今でも保護者の立場で言えば、学校への最大の関心事は高校への進学実績と言われています。以前、文教委員会で奈良県の中学校に視察に行きましたが、その中学校は英検3級に合格している生徒が多いと誇らしげに話していました。その点からすれば、英検3級合格者数を誇るとか、文部省や東京都の学力テストの結果を保護者に誇る新宿区の区立小・中学校も出てもよいと思いますが、教育委員会としてはどのように考えますか。 もっとも、賛否両論あるだろうと私自身も思います。しかし、例えば水泳などで言えば、25メートルは全員泳げるようになろうとの目標を立てている小学校も多いです。100人いれば100人の教育論があると言われますので、私の考えは一つの考えであることを承知でお伺いいたしますので、教育委員会の考えを遠慮なくお話しください。 次に、中学生の海外派遣の質問に入るんですが、その前段に、私は新宿区の区議会も海外視察を復活すべきだというふうにずっと主張しているんですが、なかなか実現しないんですが、そんなこともありまして、次の質問に入りたいというふうに思います。 ホ、千代田区など10区が中学生の海外派遣を実施しています。人口が多いこともありますが、大田区は56人、練馬区は68人、毎年海外に派遣しています。港区ですら--ですらと言ったら多少失礼なんですが、36人オーストラリアに派遣しています。10区以外に渋谷区と江戸川区は教育委員会ではなく、区長部局が実施しています。新宿区でも以前は中学生の海外派遣を実施していましたが、また復活する考えはありませんか。私は中学生の海外派遣を復活すべきと思います。実施の方法はいろいろな方法があると思いますので、みんなで検討して実施すればよいと思いますがいかがですか。 以上について答弁を求めます。 ◎教育長(石崎洋子) 小学校における英語教育活動、ALTの目的、現状と実態についてのお尋ねです。 区では、児童が英語になれ親しむ機会の充実と外国語を通して積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を目的に、平成14年度から全小学校に外国人英語教育指導員、ALTを配置しています。今年度は、ALTを各校に年間平均43日配置し、新学習指導要領に基づく5、6年生を対象とした英語活動を年間35時間実施するとともに、ハロウィンなどの外国のお祭りや文化などに直接触れる機会を設けて異文化理解を支援しています。 次に、国語教育の大切さを教える学校の努力についてのお尋ねです。 言語はコミュニケーションだけではなく、知的活動や感性、情緒の基盤であり、義務教育段階でその能力を高めていくことは重要です。そのために各学校では、さまざまな取り組みを行っています。 例えば、自他を大切にし、思いや考えを伝え合うことができる子の育成というテーマで校内研究を行い、教員同士が授業を参観する研究授業を通して、互いに切磋琢磨しながら実践的な指導力の向上にも努めています。 また、各教科等の指導において、話し合い活動を積極的に取り入れた授業を展開することや、学校生活上の諸問題を意見交換をしながら解決する学級会、生徒会等の取り組みを通して、日常的な言語活動の充実を図っています。 さらに、学校はこのような取り組みを研究発表会や学校公開等により、保護者等に公開し、国語教育の大切さを伝えるとともに、家庭、地域と連携、協力した取り組みを推進する努力も行っています。 次に、新宿の特性を活かした外国語活動の事例についてのお尋ねです。 各小学校では、英語を使って自分のまちを案内する活動やゲーム形式、インタビューなど、さまざまな工夫を取り入れた外国語活動を実践しており、外国語を通してコミュニケーションを図ることの楽しさや大切さを学んだことを、地域に在住する外国人や留学生等との交流に発展させています。 例えば、戸塚第一小学校では、ワールドウイークとして新宿日本語学校や早稲田大学の留学生との交流会を、淀橋第四小学校では東京日本語教育センターの留学生との交流会などを行っています。また、戸山小学校や西戸山小学校では、モンゴルの馬頭琴の演奏者との交流を、東戸山小学校では韓国の保護者を講師として身近な外国を知ろうという授業を行っています。 次に、各学校が学力に関する成果を数値で公表することへの教育委員会の考えについてのお尋ねです。 学校が確かな学力の育成についての成果や課題を保護者や地域にわかりやすく説明し、説明責任を果たすことは重要です。これまでも数値を提示しながら検定や学力調査の結果を紹介している学校があります。 しかしながら、学力調査等の結果で測定できるのは学力の一つの側面であり、この数値を公表したり目標として掲げたりする際には、児童・生徒や保護者の間に過度の競争意識や優越感、劣等感を抱かせないよう配慮することが必要です。 また、学力調査等の結果は個に応じた指導に活かしていくことが重要です。結果や目標の数値のみを公表するのではなく、課題解決のための指導法の改善策について具体的に示していく必要があると考えています。 次に、中学生の海外派遣を復活すべきとのお尋ねです。 新宿区では、平成元年から平成11年にかけて全中学校各2名の生徒をオーストラリアに派遣していました。しかしながら教育委員会では区財政の健全化に向けた取り組みを進める中で、公平性という観点から限られた生徒だけに体験させているという指摘もあり、平成11年9月に策定された区政改革プランに基づき、平成12年度からの中学生の海外派遣を中止したものです。現時点においても、事業の費用対効果や公平性についての考え方に変わりはないことから、中学生の海外派遣を復活させることは考えていません。 現在、区では小・中学校へALTを配置し、英語の授業や外国語活動の充実を図っています。また、各学校は総合的な学習の時間において外国籍の方をゲストティーチャーとして活用するなど、創意工夫した国際理解教育を推進しています。 今後も外国籍の方が多いという新宿区の特性を活かし、さまざまな人的資源を有効活用しながら、各校の国際理解教育を推進してまいります。 以上で答弁を終わります。 ◆16番(なす雅之) いろいろと答弁を受けましたけれども、教育委員会の答弁なんですが、やっぱり教育の考え方というのは100人いれば100人の教育論があるというような形でいろいろな考え方があるわけですから、僕の言っていることが絶対正しいというふうには思わないんですけれども、こういうような考え方があるというようなことを、いつかの機会にそれなりに活かしていただければというふうに思います。 それから1つだけ再質問というか、要請というか、先ほど日本赤十字社への義援金の中で、区長としてもやっぱり一刻も早く、できるだけ被災した方のところに直接届くふうに願っていますというような趣旨の答弁をされていましたけれども、その気持ちはとても大事なことだと思いますし、そういう意味で、区長会とか、区としていろいろな機会でそのような趣旨で一刻も早く被災地に届くように、いろいろな形で要請してもらいたいというふうに思うんですが、いかがでしょうか。 ◎総務部長(酒井敏男) なす議員の御質問でございますが、要請というよりも、先ほど区長からも御答弁させていただきましたけれども、どうも現在、全額が被災者に届いてない。その原因は被災自治体のところでなかなか業務が滞っているというような実態があるようでございますので、そういう部分に対して区の職員を派遣する形で実態的に支援をして、一刻も早く被災者の方々に義援金が届くように努力をさせていただきたいというふうに考えてございます。 ◆16番(なす雅之) まとめです。WEバスの件ではいろいろ考え方があるのですが、先ほどの池田議員の質問に対する答弁でも、歩いて楽しめる新宿云々というような答弁がありましたけれども、ある意味で言うとWEバスに乗らなくても楽しめる新宿というような考え方もあるのかなというふうな、多少嫌みっぽいんですけれども、いつも家族からほかの議員や区の職員から嫌われないように発言してねというふうに一応注意されるんですけれども、きょうもまたいろいろとほかの議員から、区の職員から嫌みだなというふうに思われて、不愉快な思いをさせたかもしれませんが、気持ちとしては花マルをもらえる新宿にしたいという、それなりの私の思いがあっての質問ということでお許しくださればありがたいというふうに思います。 これで新宿区議会花マルクラブの代表質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(宮坂俊文) 以上で代表質問は終わりました。 ここで、議事進行の都合により15分間休憩します。 △休憩 午後3時47分--------------------------------------- △再開 午後4時00分 ○議長(宮坂俊文) ただいまから会議を再開します。 日程第2、一般質問を行います。 質問の通告を受けましたので、順に質問を許します。 最初に、3番北島敏昭議員。     〔3番 北島敏昭議員登壇、拍手〕 ◆3番(北島敏昭) 公明党の北島敏昭です。 本日は動物との共生社会の構築について一般質問をいたします。どうか誠意ある御答弁をよろしくお願いいたします。 今月20日から26日までが動物愛護週間となります。 今回は動物愛護の観点から質問を行いたいと思います。 さて、一般的には愛玩を目的として飼育される動物のことを愛玩動物、いわゆるペットと呼び、そして生活していく上での伴侶とする、より人間と密接な関係を持つ動物を伴侶動物、いわゆるコンパニオンアニマルと呼びます。 そこで1点目の質問は、動物愛護と行政の対応についてお伺いいたします。 新宿区としては、首都東京で最も早く、平成3年に猫の去勢・不妊手術費助成制度を立ち上げました。平成20年には、中山区長を名誉会長とし、人と猫との調和のとれたまちづくり連絡協議会をも立ち上げました。また、新宿区学校避難所動物救護マニュアルは、その完成度の高さから、全国から問い合わせの声がたくさん寄せられるとともに、東京でさえこのマニュアルをベースに動物救護マニュアルをつくったことも伺っております。犬と猫がコンパニオンアニマルとして飼われるケースが増加傾向にある中、調和と秩序のある人間と動物の共生社会の構築は、行政としても積極的にかかわらなければならない課題であると思いますが、区の認識をお聞かせください。 次に2点目の質問です。 厚生労働省の調査及びペットフード協会の全国調査から導かれる犬の推定登録率は50%です。平成22年度において、区内で飼われている犬の登録数は9,733頭です。しかし、推定登録率で算出すると、およそ2倍の2万頭が飼育されているものと思われます。そして団塊世代の方たちがリタイアされていく中で、ペットの飼育率がさらに上がると予想されています。 そのような状況下の中で、狂犬病の予防接種数は犬の登録数の半分であり、その接種率は年々低下しています。平成14年度には接種率80.9%だったものが、平成22年度では接種率65.4%に大幅に下がり、新宿区の接種率は23区中20位と極めて低くなっています。世界狂犬病デー実行委員会によれば、世界では5万人以上の人命を奪っている狂犬病がもし日本に侵入してしまったら、今の接種率では蔓延を防げないと警鐘を鳴らしています。 海外から狂犬病が侵入した際の発生拡大を防止するために、犬の登録数と接種数の啓蒙を行うことは急務です。犬の取得後は登録申請し、鑑札の交付を受け、狂犬病予防接種を受けることが必要ですが、現実は非常に厳しい状況にあるようです。法律があってないような現状に危惧を抱くとともに、飼い主に対する啓蒙の必要性を痛感します。 そこで、犬の登録数と接種数の向上に本格的に取り組むべきと思いますが、現状をどのように認識されているか。また、今後、法にのっとった犬の登録の履行促進についてどのように取り組むおつもりかあわせてお聞かせください。 次に3点目の質問です。 動物愛護管理法第4条第3項では、国及び地方公共団体は、動物愛護週間にはその趣旨にふさわしい行事が実施されるように努めなければならないとありますが、新宿区は動物愛護週間に際し、継続的な取り組みを行っていないと聞いています。 ここで提案ですが、例えば区として毎年継続的なイベントの開催をしてはいかがでしょうか。具体的には、1、飼育の仕方や飼育マナー、しつけ教室の開催。2、人間と動物の共生社会のあり方について、知見の得られるようなシンポジウムの開催。3、盲導犬、聴導犬、警察犬、災害救助犬の実演。4、子犬、子猫の譲渡会や動物飼育健康相談コーナーの設置など、区民の皆様からさまざまなアイデアを募り、大都市新宿らしい恒例イベントを開催してはいかがでしょうか。区の御所見をお伺いいたします。 次に4点目の質問です。 犬の登録と接種数の向上を図るためには、飼い主のマナーに期待するだけでは現状は何も変わりません。そこで、鑑札と接種済票をつけた犬に対し、区として積極的な施策を打ち出すことが必要ではないでしょうか。 ここで提案したいのは、鑑札と接種済票を皆さんがつけたくなるような新宿らしい、全国の模範となるものをつくって啓蒙促進してはいかがでしょうか。こうした犬の登録及び接種率向上の誘導策については、どのようにお考えかお聞かせください。 次に5点目の質問です。 ドッグランについてであります。ドッグランについては設備管理等で設置に慎重な向きもありますが、犬を飼っている区民の皆さんから私も施設を強く求められています。ドッグラン設置で大きな課題となるのが施設管理者だと思っていますが、区が運営する場合と、ペット愛好者がグループで責任を持つケースが考えられますが、どちらにしても負担がかからない管理が肝心です。 そこで、例えばドッグランの出入口に暗証番号つきのかぎをつけ、犬の登録時にその暗証番号を交付して、鑑札と毎年度色を変えている接種済票をつけた方だけが利用できるような規約をつくることで、管理の単純化と施設利用のメリットが同時に享受できるようになると考えます。犬の登録や鑑札の発給、そして接種率の向上の観点からも、ドッグラン施設の整備は有効です。 そこで、区立公園としては一番大きい新宿中央公園の一角を利用したドッグランの設置をぜひ前向きに御検討いただきたいと強く要望いたします。また、以前から多くの先輩議員の方々からも質問がありました都立戸山公園のドッグラン設置について、都への働きかけは現在どのようになっているのかお伺いします。 最後に6点目の質問です。 昔、犬は狩猟や外敵と戦うために人間によって家畜化されました。そして猫は穀物をネズミから守るために同じく人間によって家畜化されました。このように歴史的背景からも犬と猫は人間ととても関係の深い動物ですが、平成21年度において全国では23万匹もの犬と猫が窒息死による殺処分をされました。この実情を区長はどのように思われますか、御所見をお聞かせください。 以上、6点の質問をさせていただきます。 ◎健康部長(濵田幸二) 北島議員の御質問にお答えいたします。 人間と動物の共生社会の構築に行政として積極的にかかわるべきではないかとのお尋ねです。 ひとり暮らしの高齢者の増加等を背景に、今後も犬や猫を飼う人がふえていくものと予測されます。区としては、飼い主には動物を最後まで飼う等の動物に対する責任と、犬を登録し、年に1回の狂犬病予防注射を行うことや動物を飼っていない人への配慮等の社会的責任があると考えます。こうした責任を果たしていくことが人間と動物の共生社会の構築に重要なことだと認識しています。 したがいまして、区は動物を飼うに当たっての飼い主責任を果たすことや、集合住宅が多く近隣への配慮が不可欠等の新宿区の地域特性に適した飼育方法の啓発などを積極的に行ってまいります。 次に、犬の登録数と接種数の向上に関する区の認識と登録の履行促進策についてのお尋ねです。 新宿区の犬の登録数は、平成13年度は5,059頭でしたが、この10年で倍増し、平成23年6月には1万頭を超えました。一方、御指摘のとおり狂犬病予防注射の接種率は低下傾向にあります。区では、こうした現状から接種数の向上が重要な課題だと認識しています。 そのため、毎年区が実施している犬の飼い方教室において、登録と予防注射の必要性を訴えています。また、広報しんじゅくやホームページに掲載したり、ポスターとチラシを作成し、ペットショップや区内動物病院に掲示を依頼するなどして登録を呼びかけています。 さらに、平成20年度からは飼い主がつけたくなるように、小型犬をデザイン化した鑑札へ変えるなどの工夫を凝らしています。 今後もさまざまな手段を活用し、犬の登録数の向上を図っていきます。 次に、動物愛護週間に区民から意見を募ってイベントを開催することについてのお尋ねです。 区では、毎年、広報しんじゅくの9月15日号を動物愛護週間特集号と位置づけ、犬や猫などの適正な飼育、犬の登録や狂犬病予防注射に関する啓発、ペットの防災対策、地域猫対策などに関する特集を組んでいます。 動物愛護週間におけるイベントの開催については、今後、地域で活動している動物に関するボランティアの方々から意見を伺うなどして、犬や猫のパネル展や相談会の開催などを検討していきます。 次に、犬の登録と狂犬病予防注射の接種率向上の誘導策についてのお尋ねです。 犬の飼い主に必ず登録をさせ、狂犬病予防注射を受けさせることは、区の重要な課題であると認識しています。その誘導策の一環として、飼い主が犬につけたくなるようなデザインの鑑札へと変えるなどの工夫を行ってきました。また、毎年4月、飼い主に狂犬病予防定期集合注射の実施について通知し、9月には予防注射済みの届け出をしていない飼い主に対して督促状を発送しています。 今後は、接種率を向上させるため、狂犬病予防注射済票についても飼い主がつけたくなるような工夫をするなど、多様な視点から検討していきます。 次に、犬と猫の殺処分の現状についてどのように思うかとのお尋ねです。 犬や猫は古代から家畜として飼われ、近年は家族と同じように暮らしています。しかし、大きくなり過ぎたなどという飼い主の身勝手な理由で捨てられたり、動物愛護センターへ持ち込まれ、最終的には殺処分される犬や猫が少なくないのも現状です。区は、こうした行為を未然に防ぐため、飼い主へ一生飼い続けることや不要な繁殖を防ぐための去勢・不妊手術を行うこと等の責任ある飼い方を啓発しています。さらに殺処分の約8割は子猫である現状から、区の人と猫との調和のとれたまちづくり事業を区民の方とともに発展させ、去勢・不妊手術数を拡大し、殺処分ゼロに向けて今後も努力してまいります。 ◎みどり土木部長(野﨑清次) 次に、ドッグランの設置についてのお尋ねです。 区では、落合公園に地域の方々の理解を得て、犬同士のふれあいを目的とした犬の広場を設置しています。この広場の管理運営は、公園サポーターにより自主的に行われており、犬の広場の日常的な清掃や専門の講師を招いて犬のしつけ方教室を開催するなど、マナーの向上を図る活動も実施しています。 一方、落合中央公園では、利用のルールを守らない方や管理に協力しない方が多いなどの理由から、公園サポーターが撤退してしまい、管理運営が滞っている状況にあります。このようなことから、継続して良好な状態で犬の広場を維持していくには、愛犬家による自主的なしっかりした管理運営が必要だと考えています。 また、新宿中央公園では、2年ほど前に愛犬家の皆さんから犬の広場の設置要望があり、昨年4月から試験的に芝生広場で引き綱をつけた犬の利用を行っており、交流の場となっています。御要望のドッグランの設置につきましては、今までの犬の広場の設置管理の経験を踏まえ、東京都や他区の設置基準や管理運営などを調査の上、今後、地域の方々の御意見なども伺いながら検討してまいります。 なお、御提案の管理の工夫や施設の使い方については、今後の課題とさせていただきます。 また、都立戸山公園におけるドッグランの設置について東京都に確認したところ、駐車場の設置やボランティアの協力などについて、東京都のドッグラン設置基準を満たせないでいるため、現在のところ実現には至っていないとのことでした。 ◆3番(北島敏昭) 私の質問に対し、大変丁寧な御答弁をいただきありがとうございました。 最後に、インド独立の父マハトマ・ガンジーの言葉に、「国の偉大さ、道徳的発展は、その国における動物の扱い方でわかる」とあります。生命の尊厳を軽んずる動物愛護後進国の日本で、我々大人たちがどのような社会を未来ある子どもたちに残してあげられるのか、私の議員生命をかけて戦い続けることを誓願いたしまして質問を終わらせていただきます。     〔「頑張れ」と呼ぶ者あり〕 御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(宮坂俊文) 次に、19番あざみ民栄議員。     〔19番 あざみ民栄議員登壇、拍手〕 ◆19番(あざみ民栄) 日本共産党区議団のあざみ民栄です。 特別養護老人ホームの増設と介護職員の処遇改善について一般質問いたします。 私は地域を回ると、「特別養護老人ホームに入所できず病院を3カ月ごとに変わっている、何とかならないか」、「妻を在宅で介護している、もう疲れた」などなど、同様の訴えをたくさん伺います。新宿区の特別養護老人ホームの待機者は5月現在1,264人であり、増設は待ったなしです。先日、私たち日本共産党区議団は、町会連合会の皆さんと懇談しましたが、その中でも、「特別養護老人ホームの待機者が1,300人いる、早く建設を進めてほしい」と要望をいただきました。 しかし、来年度からの新宿区第5期介護保険事業計画素案を策定する高齢者保健福祉推進協議会の9月6日の資料によれば、待機者の中で即入居が必要な人は1割などと国の調査を示し、特別養護老人ホームの整備については平成23年度に実施する待機者実態調査に基づき方向性を検討としています。第4期介護保険事業計画では、在宅生活が困難な方のために、公有地の活用などにより整備を検討するとしていることと比べても切迫感が全く感じられません。直ちに特別養護老人ホーム整備の具体化を進め、第5期計画及び第二次実行計画に特別養護老人ホームの整備を盛り込み、市谷薬王寺町の公務員宿舎跡地など、引き続き区内の国公有地等を活用して特別養護老人ホーム建設を積極的に進めることを改めて要求いたしますが、いかがですか。 第4期計画では、昨年5月に東戸山中学校跡地にマザアス新宿、ことし2月には牛込消防署跡地に特別養護老人ホーム神楽坂が開設し、入所を待っていた方からはやっと入ることができたと喜びの声が上がりました。 しかし一方で、マザアスは職員の入れかわりが激しく、一時新卒者が8割を占めました。そのため経験者と新卒職員の間で不協和音が起こり、そうした中で職員2名が経営側から一方的に契約内容の不利益変更、降格、配転命令を下されるという事態が起こりました。幸い、職員2名は個人加盟の労働組合に加入し、団体交渉の末、配転命令を撤回させたそうです。また、別の区内特別養護老人ホームでも職員の入れかわりが多く、引き継ぎがきちんとされず入居者家族から不安の声があったと伺いました。残った職員が新人のフォローに当たるためシフトどおりにはいかず、一部の職員は残業や労働強化が常態化しているそうです。 区はこうした実態を把握されていますか。待望の特別養護老人ホームができても、このような職員の労働環境では入居者の皆さんは安心して暮らすことができません。労働行政も介護施設の監督官庁も東京都だからということではなく、区民が安心して介護サービスを受けられるよう実態を把握し、介護施設の労働環境改善や労働法に抵触する疑いがあれば是正することを、新宿区としても積極的に行う必要があると思いますがいかがでしょうか。 具体的には、区内の介護施設の中でも、とりわけ区が補助金を交付し監査の対象となるいわゆる財政援助団体に対し、職員の労働環境チェックも含めた事業評価を行うべきと考えますがいかがでしょうか。 また、新宿区が今後介護施設を公募する際の応募要件や建設事業助成や運営助成の交付要件に、労働環境についての基準を設け、それをクリアする項目を加えてはいかがでしょうか。 今回の介護保険法改定では、事業者に対する労働法規の遵守の徹底が盛り込まれています。そのための具体的な施策は今後、政省令で示されることになりますが、労働基準監督署による労働法令違反是正のための立ち入り調査など指導を強化することと、新宿区が現在、指定管理施設に行っている労働環境モニタリング調査のような実効性のある施策を行うよう国に求めてはいかがですか。 さて、事業所を指導するだけでは介護職員の労働環境改善、人材確保にはつながりません。なぜなら、そもそも事業所に入る介護報酬額が低いため、人件費を十分に捻出できないからです。2009年の介護保険改定に当たっては、介護報酬の3%引き上げと2011年度までの時限措置として月1万5,000円分の介護職員処遇改善交付金が創設され一定の改善が行われましたが、実態はどうでしょうか。 厚生労働省所管の財団法人介護労働安全センターが実施した2010年度の介護労働実態調査によると、介護職員の離職率が前年度比0.8%増の17.9%となり、2008年度から続いた改善傾向がとまったことが明らかになりました。また、職員の平均月収は21万6,494円で前年度から約4,000円アップしているものの、全産業平均で見ると、大幅に低い状況は変わりません。働く上での悩み、不安、不満等についての質問で最も多い回答は、「仕事の割に賃金が低い」が46.6%です。 21世紀・老人福祉の向上をめざす施設連絡会が昨年8月に行った全国老人ホーム施設長アンケートによると、回答数1,638人の施設長のうち、介護報酬3%で十分な給与改善ができたと答えた施設長はわずか2%です。また交付金については、暫定ではなく安定的に支給すること、介護職員だけではなく施設で働くすべての職種を対象にすることなど、多くの施設長が継続、拡充を望んでいます。2009年の報酬改定と処遇改善交付金によって、区内介護施設でどの程度改善につながったのか、区の評価をお聞かせください。 そもそも介護職員の処遇改善は民主党のマニフェストの目玉の一つであり、具体的に介護労働者の賃金を月額4万円引き上げると明記していました。これに照らせば、民主党政権は国費を拡充してさらなる賃上げを図るのが当然ではないでしょうか。 しかし、国は処遇改善交付金を予定どおり廃止し、この分を介護報酬に盛り込む方針です。これでは保険料の値上げにつながってしまいます。 港区は第5期介護保険計画策定に先立ち、国に対し提言書を提出しました。その中で、処遇改善交付金の維持など、介護報酬とは別建てで保険料の増額は抑えるべきと指摘しています。特別区長会が来年度の施策及び予算に関する要望として同様の要望を掲げていることは承知していますが、新宿区も独自に国に対して言うべきことを言っていく姿勢を持つべきです。 介護職員処遇改善交付金は廃止せず、臨時特例交付金ではなく恒久的な交付金として継続し、交付額を引き上げ、対象は介護職員だけではなく、介護施設で働くすべての職種に広げることを新宿区として国に強く働きかけるべきではないでしょうか。 地方自治体でも独自の介護人材確保や処遇改善対策を行っています。千代田区はパート職員の時給単価上乗せや非正規職員の正社員化に要する費用、都心区の物価等を考慮した住宅手当の上乗せ費用への補助を行っています。また鳥取県は、介護サービス向上のための職員加配事業として、開設初期の繁忙期対応、夜間・土日・早朝延長対応などの配置基準を上回る加配職員を派遣する事業を行っています。新宿区も人材確保・育成事業として研修事業と介護福祉士資格取得費用助成を実施していますが、こうした他自治体の例も参考に、より実効性のある人材確保、職員の処遇改善のための施策を拡充すべきと考えますが、いかがでしょうか。 以上、答弁を求めます。 ◎福祉部長(小栁俊彦) あざみ議員の御質問にお答えします。 特別養護老人ホームの増設と介護職員の処遇改善についてのお尋ねです。 初めに、特別養護老人ホームの整備を次期計画に具体的に盛り込むことについてです。 区は、特別養護老人ホームを在宅での介護が困難になった高齢者のセーフティネットとして整備を進め、昨年度は公有地を活用した新たな施設を2カ所開設しました。特別養護老人ホームが果たす役割は今後も引き続き重要であると認識しており、次期計画においても公有地の活用による整備の可能性を検討していきます。 次に、特別養護老人ホームの労働環境の改善についてのお尋ねです。 マザアス新宿の従事者から労働環境等をめぐる不満が出されていたことは把握しています。 区の調査では、労働関係法令に抵触するような事実はありませんでしたが、その後、運営法人の代表者から施設の責任者の交代を初めとする運営体制改善の報告を受けており、現在は地域に親しまれる施設として適正に運営されているものと理解しております。その他の施設についても、利用者や従事者から苦情や相談があった場合、区は東京都と連携して速やかに調査を行い、法令違反や不適切な事実を把握した場合は、その都度改善や是正の指導をしていきます。 次に、労働関係法令に抵触する際の是正措置についてです。区は現在、計画的にサービス事業者の実地指導に入っていますが、その際には勤務シフト表や常勤、非常勤の配置などの労働環境に関する点検も必ず行っています。介護保険法の改正により来年度からは介護サービス事業者が労働法規に違反した場合は、指定を拒否できることになります。こうしたことを踏まえ、区内事業者へは実地指導や集団指導、事業者向け研修など、さまざまな機会をとらえて労働法規の遵守の徹底を指導していきます。 次に、財政援助団体に対する労働環境のチェックです。 指定管理者制度においては、区の責任において労働環境モニタリングを実施しています。しかし、財政援助団体であっても民設・民営による事業については労働関係法規の遵守も含め、事業者自身で取り組むべき問題で区の関与は慎重さが求められます。このため現時点においては、実地指導等の機会をとらえての労働環境のチェックで対応します。 次に、区が建設費を助成する施設の事業者の公募条件についてです。応募の要件に労働法規の遵守について判断できる項目を設け、それを一つの判断基準にすることも検討していきます。 次に、今回の法改正に伴い実効性のある施策を国に求めることについてですが、今後法改正による指定拒否事例や事業者自身による法令遵守の取り組みなど、法改正による影響を十分に見極め、判断してまいります。 次に、介護報酬改定3%引き上げと処遇改善交付金についてのお尋ねです。 最初に、区内介護施設でどの程度改善につながったのかの評価についてです。 国の事業所調査によると、介護報酬の改定で施設職員は月額8,930円の増額、介護職員処遇改善交付金については、月額平均1万5,000円の賃金引き上げの効果があったとされています。区内の介護保険施設はすべて介護職員処遇改善交付金を申請しており、昨年に実施した新宿区高齢者の保健と福祉に関する調査によると、回答のあった8施設のうち意識的に処遇改善を図った施設が7カ所、処遇改善の結果、離職率が下がったとする施設が5カ所でした。このことから、交付金については一定の処遇改善につながったものと評価しています。 次に、介護職員処遇改善交付金についてです。 処遇改善交付金の交付時期は平成23年度までとされており、恒久的なものでないため、介護事業者、介護従事者は不安定な状態に置かれています。介護保険財源として恒久的な財源が確保されるまで、引き続き介護職員処遇改善交付金が継続されるよう、区は昨年度から全国市長会や特別区長会を通じた要望を行ってきました。港区が独自に提言書を提出したことは承知していますが、同内容の提言は、本年1月、特別区介護保険課長会の緊急提言書として国に提出しています。当時幹事区だった新宿区がその提言書を持参した際には、面談した国の担当官に交付金の継続はもちろん、都心区特有の課題を踏まえたさまざまな要望を伝えています。 次に、人材確保、職員の処遇改善のための施策についてです。 処遇改善のために区が介護職員にのみ給与の一部相当分を補助すること等は慎重であるべきと考えますが、介護人材の確保・育成策として区独自の研修事業である新宿ケアカレッジや介護福祉士資格取得費用助成ほか、介護サービス事業者協議会への支援なども継続しながら、区内の介護人材の確保・育成を図ってまいります。 以上で答弁を終わります。 ◆19番(あざみ民栄) 御答弁ありがとうございました。 特別養護老人ホームの増設については、公有地の活用を引き続き行っていくということですけれども、ここでちょっと例を出しました市谷薬王寺の公務員宿舎ですけれども、ことしじゅうには売却方針が正式に決定をして、年明けには地元自治体さんが手を挙げられるような状況になるということを関東財務局のほうには伺いましたので、ぜひそこは積極的に進めていただきたいなというふうに思います。 いろいろ積極的というか、前向きな答弁、これはちょっとという答弁、いろいろありましたけれども、この後、決算特別委員会が設置をされますので、私は残念ながら入りませんけれども、同僚議員にこの後のことを託していきたいと思います。 以上で、私の一般質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。(拍手) ○議長(宮坂俊文) 次に、18番志田雄一郎議員。     〔18番 志田雄一郎議員登壇、拍手〕 ◆18番(志田雄一郎) 民主・無所属クラブの志田雄一郎です。 私自身は非喫煙者ですけれども、喫煙者と非喫煙者がともに共生するという趣旨で一般質問をいたします。 新宿区では、新宿区の空き缶等の散乱及び路上喫煙による被害の防止に関する条例の趣旨を踏まえ、公園利用者の受動喫煙を防止するために、従前は原則として500平方メートル未満の公園は禁煙、500平方メートル以上は分煙としてきました。 しかし、これまでの500平方メートル以上の面積の公園を分煙化するという基準では、風の強い日や喫煙者の多いときには煙が分散し、十分な分煙が図れず一般の公園利用者から公園の禁煙化を求める声が多く寄せられたこと、また、周辺に喫煙できる場所がないため、喫煙者が公園に集中し、公園が喫煙所と化したり、通勤途中の方の喫煙利用が増加したことで、一般の公園利用者や周辺にお住まいの方々の迷惑となっていることなどから、公園を禁煙とする基準を見直し、本年4月からは面積が2,000平方メートル以下の公園は禁煙になりました。 神奈川県では、平成21年に神奈川県公共的施設における受動喫煙防止条例が施行、また同県では、海水浴場においても神奈川県海水浴場等に関する条例により完全分煙となり、今や公共施設や場所における受動喫煙防止への取り組みは全国各地に広がりを見せ、昨年2月には厚生労働省は健康局長名により受動喫煙防止対策についてに関する通知を都道府県等に向けて発出しました。この中では、今後の受動喫煙防止対策の基本的な方向性が示され、受動喫煙対策として全面禁煙が極めて有効であることから、多数の者が利用する公共的な空間については、原則として全面禁煙であるべきであるとされました。さらに特に屋外であっても子どもの利用が想定される公共的な空間では、受動喫煙防止のための配慮が必要とも明記されました。 このような取り組みにより喫煙者は減少傾向にあります。しかしながら、そうはいっても現在、喫煙率は24%と言われており、これを新宿区の昼間人口から単純に割り出すと新宿区には約19万人の喫煙者がいると想定されます。当然ながらこういった方たちへの十分な配慮、今さら言うまでもありませんが、喫煙者と非喫煙者がお互いの立場を理解しながら、ともに共生していくことが求められます。 以前は区内に188園ある公園のうち、禁煙の公園が88園、分煙が100園であったのが、さきに申し上げたとおり、本年4月から2,000平方メートル以下の公園が禁煙となった結果、禁煙が167園、分煙が21園となりました。今日、鉄道駅、飲食店、タクシーの車内等、多くの場所や空間において喫煙に関する規制、取り組みが行われ、喫煙者の行き場がなくなり、多くの喫煙者が公園に集まり、その結果、公園が喫煙所と化しました。新宿区においては、今度はその公園の多くが禁煙となり、さらに行き場がなくなってしまった喫煙者の居場所をきちんと確保しなければなりません。これは行政、販売事業者、企業等が一致協力して行わなければならないことです。何より喫煙者が節度を持った喫煙をすることが求められますが、これにより受動喫煙防止やまちの美化につながることと思います。 これらを踏まえて質問いたします。 1点目に、公園利用者の受動喫煙を防止するために新たな基準を設けて5カ月経過しましたが、私には地元から「4月になっていきなり禁煙の看板が立っていた」また、「禁煙になったけど、まだ結構吸ってるねえ」というような声が聞かれます。事前の周知はどのように行われたのでしょうか。また、この5カ月の間に新宿区には区民等からどのような反応があったかお聞かせください。 2点目に、この間、きちんとこのことが遵守されているのか把握されていますか。さきに述べたような声も聞かれます。その後の対応をお聞かせください。 3点目に、区有施設の分煙対策について伺います。 現在、比較的新しい施設においては完全分煙が可能な設備が設けられていますが、年数が経過している施設については、出入口のように必ず通らなければ出入りできない場所に喫煙場所があるところがあります。確かに施設によって状況が異なり、なかなか適当な喫煙場所を設置するのは難しいとは思いますが、この状況は非喫煙者に大変不快な思いをさせてしまいます。区としても御改善に御努力されているようですが、現在の状況をお聞かせください。 4点目に、現在新宿区内にも路上に一定の喫煙場所を設置しています。新宿駅東口、新宿駅西口に2カ所、西武新宿駅前、新宿駅東南口、高田馬場駅前、新大久保駅前、信濃町駅前の8カ所で、いずれも多くの乗降客がいる駅前に設置されています。この中で高田馬場駅前、新大久保駅前、信濃町駅前は区道、新宿駅東口、新宿駅西口の2カ所、西武新宿駅前は都道、新宿駅東南口は国道となっており、東京都と国は場所の提供に協力されています。所管課も理解を得るために大変な御努力をされたと思います。また、この8カ所の喫煙場所にある灰皿と、高田馬場駅前と信濃町駅前の煙よけの仕切りはすべてJTが設置しており、今後も前向きな協力体制にあるようです。 このように行政と販売事業者が汗をかいているわけですから、企業も同様に汗をかいてもらわなければなりません。特に、電車をおりて一服という多くの喫煙者の心理があるようですので、とりわけ鉄道事業者の協力は必要不可欠です。駅を出ても喫煙所がない、まち中にもないとなると、隠れて路上等で喫煙をしたりして、まちも汚れてしまいます。駅前等にきちんと喫煙所があり、喫煙者が節度を持てば、禁止されている場所での喫煙が激減し、まちも美しくなるはずです。区として鉄道事業者に協力依頼はされていますか。されていれば、どのような反応であったのかお聞かせください。 5点目に、国は本年10月から中小企業を対象に受動喫煙防止対策として200万円を上限とし、喫煙所の設置などでかかる費用の一部を補てんする受動喫煙防止対策助成金を創設するそうです。この申請受付窓口は、厚生労働省東京労働局労働基準部健康課となっていますが、一番身近な区役所としても、この制度の趣旨を広く周知し活用されるよう、産業振興部門と健康衛生部門を初め、区全体で啓発に取り組んではと思いますがいかがでしょうか。 以上、答弁を願います。 ◎みどり土木部長(野﨑清次) 志田議員の御質問にお答えいたします。 初めに、公園における喫煙ルールの見直しに関するお尋ねです。区では受動喫煙防止の観点から喫煙ができる公園の見直しを行い、今まで500平方メートル以下の公園を禁煙としてきましたが、2,000平方メートル以下の公園を全面禁煙としました。これらに対する事前の周知については、3月に各公園に予告看板を設置するとともに、ホームページにも掲載しました。区民等からは、全面禁煙になり小さな子どもを安心して遊ばせられるという多くの声をいただく一方で、喫煙場所を確保してほしいという声も寄せられています。 次に、きちんとルールが遵守されているかとのお尋ねです。オフィス街などにある一部の公園では、喫煙者が見受けられることがありますが、多くの公園では喫煙ルールは守られています。区では、定期的に職員が公園を巡回しており、喫煙者がいた場合には禁煙化した趣旨を説明し、協力をお願いしています。引き続き、受動喫煙防止の啓発に努めてまいります。 ◎総務部長(酒井敏男) 次に、区有施設の分煙対策の現状についてのお尋ねでございます。 昨年2月にあった厚生労働省健康局長からの通知を受けまして、区においては新たに施設を建設する場合には原則禁煙に、利用者のニーズ等からやむを得ない場合には完全に分煙できる設備を設けています。 既存の施設については、昨年3月に区有施設の禁煙・分煙の状況を調査したところ、禁煙としている施設が88施設、分煙対策を施している施設が103施設でした。 区全体としては、受動喫煙防止の対策を実施しておりますけれども、その分煙の方法は屋外であったり、閉鎖した空間であったりとさまざまです。 御指摘のとおり分煙が不十分な施設は改修やレイアウト変更等の機会をとらえて、非喫煙者が煙を吸わないで済む一層の対策を講じるなど、施設の態様や利用者のニーズに応じた受動喫煙防止対策を進めてまいります。 ◎環境清掃部長(伊藤憲夫) 次に、路上での分煙を推進するため、鉄道事業者に対しての協力依頼についてのお尋ねです。 区は、分煙を目的に区内の主要駅周辺などの路上に8カ所の喫煙スポットを整備して歩行者への受動喫煙防止に努めていますが、主要駅周辺での路上喫煙者には鉄道利用者が多いと考えています。 そこで平成21年度に新宿駅を擁するJR等の各鉄道事業者に対し、喫煙所設置に必要な場所の提供や費用負担などについて申し入れました。しかしながら、駅構内の全面禁煙化を進めていることや、スペースがないことなどを理由に、いまだに協力が得られていません。 区では、駅周辺の路上喫煙対策を推進するためには、地域の水際とも言える駅の協力が不可欠と考えています。今後も各鉄道事業者へは喫煙所の整備はもちろん、ポスターの掲出や構内放送などについて、可能な限りの協力を要請してまいります。 ◎健康部長(濵田幸二) 次に、国が創設する受動喫煙防止対策助成金の周知への取り組みについてのお尋ねです。 区は、飲食店等の禁煙や分煙について、これまでも区民の方から個別に意見が寄せられた施設を中心に、禁煙または適切な分煙化に向けて取り組みを進めるよう指導してきました。御指摘の中小企業を対象とする国の助成金制度は、喫煙室の設置に係る費用の一部を助成することにより、空間分煙の促進に効果があり、区としても区民の受動喫煙の防止に寄与するものと考えます。 今後、国の所管部署と情報共有を行い、飲食店等への分煙指導など、あらゆる機会をとらえてこの制度が活用されるよう、広く周知に努めていきます。 以上で答弁を終わります。 ◆18番(志田雄一郎) それぞれ答弁をいただきまして、ありがとうございました。 私の周りには結構喫煙者が多いんですけれども、本当にどこもかしこも禁煙、禁煙ということで吸いたくても吸えないということで、そういうストレスがたまって、それがかえって健康によくないんだということも医療関係者から聞いたこともあるんですけれども、とにかくきちんとした場所を設置して、そこで喫煙をする。そしてそれ以外では吸ってはならない。喫煙者もそれを遵守して、節度を持つことが受動喫煙防止とまちの美化につながる。 やはりきちんとしたすみ分けができる体制を本当に所管部署も大変御苦労があるかと思いますけれども、行政、販売事業者、企業等、関係団体一体となって取り組んでいただきたい。そのことを改めて申し上げて、私の一般質問を終わります。 どうもありがとうございました。(拍手) ○議長(宮坂俊文) 次に、28番えのき秀隆議員。     〔28番 えのき秀隆議員登壇、拍手〕 ◆28番(えのき秀隆) 平成23年第3回定例会に当たり、区長に質問させていただきます。 今回は災害時のペット対策についてお伺いいたします。 平成15年にも同対策について質問をさせていただきましたが、東日本大震災で動物の防災対策、動物の救援活動の重要性がクローズアップされるなど、世の中の進展とともにペットと人間とのかかわり方にも変化が生じておりますので、改めてお伺いする次第です。 我が会派は7月と8月に東日本大震災の被災地である宮城県に視察に参りました。揺れによる建物や道路の被害はもちろんですが、より多くの被害をもたらしたのは津波でした。海岸近くでの被害の光景を目の当たりにして、相手を問わず容赦なくすべてを流し去ってしまう津波の破壊力のすさまじさを痛感いたしました。愛する人、家、仕事を一瞬にして失った被災者の方々を思い、胸が締めつけられました。改めてお亡くなりになられた方の御冥福と被災された方々へのお見舞いを申し上げます。 今回の視察では、仙台市被災動物救護対策臨時本部の一団体である「ハートtoハート」の代表から災害時のペット対策について詳細にお話を伺う機会を得ました。代表は、いざ災害が発生した際には、事前に予測できていても策定されていたマニュアルがうまく機能しないなどの問題点を指摘されていました。 また、ペット同伴で避難できる場所の周知徹底といった基本的事項ですらもうまく機能していなかったために、多くの混乱が生じたともお話をされていました。ペットにも命があるわけですから、緊急事態においても取り扱いがなおざりにされることがないように、どのような準備をし、心構えをしておいたらよいのかを飼い主はしっかりと確認しておく必要があります。 新宿区では、平成15年9月に東京都獣医師会新宿支部と、災害時における動物救護に関する協定を締結するなど、災害時における人と動物の安全を考え、関係団体と協議を進め、災害に備えられていることと存じます。また、昨年には保健所と危機管理課が主体となり新宿区学校避難所動物救護マニュアルを作成されました。被災動物の救護は飼い主、区、東京都、獣医師会などが協力して行う必要があり、それぞれが自身の役割を認識し、速やかに正しい行動がとれるようにしなければなりません。マニュアルは行動の指針として防護対策の方針や役割分担などが大変わかりやすく記されていると思います。 以上の点を踏まえ、何点かお伺いいたします。 まずは被害に備えてペット所有者の準備対策やマニュアル周知徹底について伺います。 災害となると周囲の環境が激変するために冷静な判断をすることができなくなります。いざというときに備え、ふだんからの準備が大切になります。ありふれたことわざですが、備えあれば憂いなし、転ばぬ先のつえということです。災害の際は、まずはみずからの命や家族を守ることが最優先となります。 しかしペットという小さな家族の命についても、ふだんからさまざまな状況を想定して準備をしておくことが求められます。当然ですが、予防接種を確実にしておくこと、知らない人と接しても暴れたり、かみついたりしないようにしつけをしておくこと、避難場所や避難経路を実際に確認をしておくこと、住所や連絡先といった身元表示情報を準備することなどは大切なことと言えます。 区では平時からの動物の適正な飼育が大変重要なことと認識され、犬については、犬の飼い方相談会、しつけ方教室を開催し、飼い主の責任やしつけのポイントなどの内容を盛り込んだ愛犬手帳を犬の登録時や集合注射の際に交付されるなどの努力をされています。もちろん、犬以外の動物に対する施策も行われております。実際に災害となった際には、これらの施策の効果が試されます。まずは災害に備えての準備や周知徹底に関して現在の課題をどのようにとらえて対策を立てておられるかお尋ねをいたします。 次に、動物へのマイクロチップの活用について伺います。 動物の愛護及び管理に関する法律は昭和48年に制定され、時代の流れとともに改正されてきました。その概要に動物の飼い主などの責任として、飼い主は動物が自分の所有であることを明らかにするための措置を講ずることなどに努力めなければならないと記載されています。そして動物の所有情報を明らかにするために、マイクロチップなどの装着を推奨しています。 環境省自然環境局総務課動物愛護管理室が平成20年3月に発行した「マイクロチップを知っていますか」というパンフレットにマイクロチップの説明が記されております。マイクロチップは直径2ミリ、長さが8ミリから12ミリの円筒形の電子標識器具で、内部はIC、コンデンサ、電極コイルからなり、外側は生体適合ガラスで覆われているということです。チップには世界で唯一の15けたの数字が記録されており、専用のリーダーで読み取ることができます。ヨーロッパ、アメリカなどを初め、世界じゅうで広く活用されています。迷子や盗難や事故、また地震などの災害で飼い主と離れ離れになった場合でも、マイクロチップをリーダーで読み取りデータベースに照合することにより、動物が飼い主のもとに戻ってくる確率を高めることができます。 固体識別、マイクロチップの動物への活用をさらに推進していくことが大切であると考えますが、現在とこれからの区の取り組みと御認識を伺います。 最後に、残念ながら亡くなってしまった動物の扱いについて伺います。 平常時の動物死体処理については、区道の場合は道路課へ、国道、都道、河川や運河では原則としてそれぞれの管理者が、私道や家の敷地内では手数料を払って清掃事務局が担当することになっております。動物の死体は死去直後から腐敗が始まるため、感染症や公衆衛生上の観点からも速やかに対処することが求められます。 平常時には、相談の窓口が分かれていますが、災害時には当然処理に関する混乱が予想され、柔軟な対応が求められると思いますが、対策に関して御見解をお聞かせください。 以上で質問を終わります。 御清聴ありがとうございます。 ◎健康部長(濵田幸二) えのき議員の御質問にお答えいたします。 災害に備えての準備や、周知徹底に関して現在の課題をどのようにとらえて対策を立てているかについてのお尋ねです。 区では、ペット所有者への準備対策として、しつけや防災用品について書かれた災害からペットを守るためのパンフレット「いざという時に災害からペットを守るために」を平成17年度に作成し、登録済みの犬の飼い主約6,000人に郵送し、その後は、新規に登録する方にお渡ししています。また、ホームページや広報しんじゅくにペットを災害から守る方法について掲載しています。さらに、避難所において動物の飼い主の方々が中心となり、自主的に動物救護班を立ち上げていただくための、新宿区学校避難所動物救護マニュアルも作成し、すべての避難所に配布しています。また、避難所管理運営協議会においては、動物救護に関する意見を交換しています。 こうした中で、実際に災害が発生した場合の課題は、これまでの訓練や周知の内容が適切に機能することと、動物を飼っていない区民の方々にも避難所の運営に御理解をいただくことだと考えています。したがいまして、区はこれからも実践的な訓練や話し合い等を積み重ねるとともに、動物を飼っていない区民の方に対しても、ホームページや広報しんじゅくなど、さまざまな場や機会を通じて御理解と御協力を求めていきます。 次に、マイクロチップの動物への活用に関する現在と今後の区の取り組みと認識についてのお尋ねです。 区は、マイクロチップは迷子や災害時などに行方不明になった動物の飼い主を特定するために有効な手段であると認識しています。そのため、区では犬の飼い方教室や猫の相談会において、マイクロチップの有効性を啓発するパンフレットの配布やホームページ、広報しんじゅくへの掲載を行っています。また、総合防災訓練において東京都獣医師会新宿支部の獣医師の方の協力を得て、マイクロチップの装着方法や効果について周知しています。 今後も、マイクロチップが飼い主のわからない動物の捜索に有効であるという認識から、地域の避難所で行われる防災訓練の機会等をとらえてパンフレットを活用し、啓発を行っていきます。 次に、災害時での動物死体処理に関して柔軟な対応が求められているが、対策への見解はいかがかとのお尋ねです。 御指摘のとおり、平常時の動物死体処理は、区道や国道、都道、私有地などと、それぞれの管理者、所有者によって行政の対応窓口が異なっています。そのため、災害時には混乱が生じ、死体処理がおくれることも予想され、公衆衛生上の観点からも速やかな対応が必要であると認識しています。したがいまして、災害時は区が窓口となり総合的に対応してまいります。 以上で答弁を終わります。 ◆28番(えのき秀隆) 御丁寧な御答弁をいただきまして、ありがとうございました。 段取り八分という言葉がありますけれども、普通、仕事をしていくに当たって段取りを八分やっておけば大体仕事はうまくいくだろうということになりますが、こういった震災ですとか、災害のときには、その段取りを幾らしていても想定外のことが起こってしまうために、なかなかうまく対応できない。 例えばきのう、本会議中に地震がありましたけれども、普通、地震があると部屋の扉をまずあけろということが言われています。しかし、この本会議場でだれもその扉をあけに行った人はいない。それはなぜできないかというと、ふだんからそういう想定を、映像ですとか、ビジュアル化してできてないということだと思います。こういった災害のマニュアルにしても、予測をしてビジュアル化していく、そしてより多くの人がそれを共有をしていく。共有をしておくということは非常に大切なことであるというふうに思いますので、その点も含めて対策をしっかりとしていただければなと、このように考えております。 どうもありがとうございました。発言を終わります。(拍手) ○議長(宮坂俊文) 次に、35番山田啓史議員。     〔35番 山田啓史議員登壇、拍手〕 ◆35番(山田啓史) 社会新宿区議会議員団の山田です。 私は新人議員でございますけれども、席がずっと後ろにございますので、横一列がずっと、私が小さいころから議員をされているような方々に囲まれている状態で、大変緊張しておりました。ようやくこの場に来れましてほっとしたのもつかの間でございますけれども、今回は10分間しか時間がないということでございますので、早速ではございますけれども、質問に移らせていただきたいと思います。 1つ目のテーマは、事業仕分けの手法を活用した区民討議会の事業判定による第二次実行計画の策定及び今後の事業仕分けの実施についてです。 通常、営利組織でも自治体のような非営利組織でも、経営戦略の策定プロセス、これはある程度共通をしているものでございます。即ち、組織の存在理由とも言うべき変わることのない基本理念があり、基本理念を中長期的に具体化するための方向性としてビジョンがあり、ビジョンをさらに短期的に具体化するために経営戦略が策定されるという流れでございます。 これを新宿区に置きかえた場合、基本理念は自治基本条例、ビジョンは基本構想と総合計画、そして経営戦略は今回策定される第二次実行計画に当たります。 さて、今回新宿区が行おうとしております取り組みは、区民討議会において第二次実行計画の素案に対して事業仕分けの手法を活用して事業を判定するというものでございます。今のところ18程度のテーマとそれに付随する事業について検討するということでございますけれども、他の自治体の最近の事例を見ると、府中市では40の事業のうち従来どおりのやり方で続けてもいい、このように判定されましたのは2事業、松阪市は29分の2、高松市は10分のゼロ、大阪市は10分の1という状況でございます。恐らく新宿区においても相当程度の見直しが入るということが、このことから予想されるわけでございます。 ここで1つ目の質問です。 経営戦略は川の流れのように上流から下流に向かって策定され、下流を変えたからといって上流が変わるというものではございません。仮に第二次実行計画の中のある事業、これが区民討議会にて廃止と判定された場合、上流、すなわち自治基本条例、基本構想、総合計画の中で具体化されない内容、達成されない項目が発生してしまうのではないでしょうか。今回の取り組みにおいて、そういった部分での整合性をどうやってとっていくのか、お答えをいただきたいと思います。 次に、事業判定に係る体系的な仕組みづくりについてです。 三重県、札幌市、練馬区を初めとして、多くの自治体では、計画の策定及び評価に当たり、バランスト・スコアカードのような管理会計の仕組みを体系的に取り入れております。これら自治体に聞き覚えはないでしょうか。これら自治体は、いずれも事業仕分けを先進的に実施した自治体でございます。バランスト・スコアカードは財務という財務的な指標と業務プロセス、顧客、そして成長と学習といった非財務的指標の4つで大系化をされているものでございます。組織が継続的に発展するために必須の項目を漏れなく、ダブりなくコントロールする仕組みとして、また行政経営の説明責任と戦略推進責任を果たす仕組みとして活用されています。 ここで2つ目の質問です。 新宿区でも内部評価、あるいは外部評価において管理会計の考え方を部分的には取り入れておりますけれども、例えば先ほどのバランスト・スコアカードの考え方によれば、相対的に学習と成長に関する項目、すなわち組織や個人、従業員満足度等に関する指標がまだ少ないように感じます。まだまだ漏れやダブりが確認できますけれども、職員の目標管理と新宿区の計画といったものをうまく連動させるためにも、こういった仕組みを体系的に取り入れるべきではないでしょうか。 次に、今後の事業仕分けの実施についてです。 中山区長は、今期のマニフェストの中で事業の棚卸、事業仕分けを実施し、施策の選択と集中を進めるとともに、増収対策を図るなど総合的な行財政改革を推進しますと言われております。今回の区民討議会は、これまでの新宿区になかった取り組みとして評価できるものの、これはあくまで事業仕分けの手法を活用した事業判定を行うものであり、事業仕分けそのものではございません。 ここで1つ目のテーマ最後の質問です。 いまだ示されていない今後の事業仕分けそのものの実施について、その検討状況はどうなっているのかお聞かせください。 続きまして2つ目のテーマに移らせていただきます。 2つ目のテーマは、新宿区における障害者施策及び障害者権利条例の制定についてです。 新宿区議会議員になってから、障害のある方、あるいは家族の方、事業者の方々からさまざまな要望をいただきました。新宿区が一丸となって障害者施策にしっかりとしたストーリーを描くために、障害者権利条例の制定は今や不可欠であるという思いを私は改めて抱いたところでございます。 ある自治体におけるタウンミーティングでの視覚障害者の方の発言をここで御紹介したいと思います。「もしも、このまちで目が見えない有権者の方が多くなったら、私はこのまちの市長選に立候補する。そして、『この町は財政も厳しいし、地球の環境にも配慮しなければいけないので、明かりをすべて撤去する』ということを公約にする。私が当選したら目が見える人たちは『何てことを公約にしてくれるんだ。大体夜は危なくて通りを歩けやしないじゃないか』と慌てるだろう。そのとき私はこう言います。『あなたたちの気持ちはわかるけれども、一般市民のことも考えてください』障害の問題の本質は、何かができるかできないかということではない。どういう特性を持った人が多数で、そうじゃない人が少数なのか、そして多数の人は少数の人を理解しているのか、配慮しているのか、そういうことに尽きるのではないだろうか」。この話は、障害のある方への理解を広め、差別をなくすために、いかに広範な分野の取り組みが必要であるかということを物語っております。 また、障害に関する施策は多岐に及んでおりますので、障害福祉課や福祉部だけで対応できるものではございません。では、なぜ今このタイミングで障害者権利条例なのでしょうか。子どもの権利条例など、他にも検討すべき条例はたくさんございます。しかしながら大きく理由は2つでございます。 一つは3月11日の東日本大震災、こちらが理由になっております。今回の大震災の影響により電話がつながらない、エレベーターが使えない、明かりが少ないなどの生活上の不便を感じ、私たちはだれもが災害弱者になる可能性があるということを痛感したことと思います。そうした中でも、特に障害のある方に対しては、災害時の配慮というものが議論をされ始めております。しかし、改めて考えてみてください。災害時だけでよろしいのでしょうか。 そしてもう一つは、国内外での動向です。2006年の国連における障害者権利条約採択とその批准に向けた動き、障害者虐待防止法の成立、障害者基本法の改正、障害者総合福祉法、そして2013年に法案が提出される予定の障害者差別禁止法など、今、障害者に関する施策は大きく変化をしております。数十年に一度と言われる大きな法律の改正が、この5年間で立て続けに成立、改正することとなっております。 また地域主権改革の流れの中で、障害者施策においても自治体が果たすべき責務、期待される役割は、これまで以上に大きいものとなっています。こうした変化に対応するために、自治体としての考えを今こそ明確に打ち出していく必要がないでしょうか。 障害者権利条例は、既に北海道、岩手県、千葉県、さいたま市、そして最近では熊本県で制定され、そして今も多くの自治体で準備が進められております。障害者権利条例は、決して障害のある方のためだけでのものではございません。障害のあるなしにかかわらず、すべての人間、特に子どもたちにとってお互いの個性の違いをわかり合い、理解し、そして尊重し合って、同じ時代を同じ地域で生きていこうとする共生社会の実現につながるものでございます。 ここで2つ目のテーマにおける質問です。 まずは障害のある当事者、関係機関、そして区民と議論を行う機会を設け、さまざまな事例、特に障害があることによって受けた差別、不利益な取り扱いなどの事例を収集し、その制定過程を通じて障害の理解促進を図り、障害者権利条例の制定に向けて方向性を示すべきではないかと考えますが、この点についてお考えをお聞きかせください。 以上でございます。 ◎総合政策部長(猿橋敏雄) 山田議員の御質問にお答えします。 区民討議会についてのお尋ねです。 まず、区民討議会で廃止と判定された場合、第二次実行計画に反映されない基本構想等の項目が発生してしまうのではないかとの御質問です。 実行計画は、基本構想に定めた、目指すまちの姿の実現を目指し、総合計画で示した施策を具体の事業として計画的に実施していくための行財政計画であり、区政運営の具体的指針です。また、実行計画には財源の裏づけをもって計画的に実施する計画事業に加えて、経常的に実施する経常事業を示すことで基本構想や総合計画の実現に向けて、区が実施する事業の全体像を明らかにしており、第一次実行計画には経常事業のみで構成されている施策があります。 御指摘の区民討議会で廃止と判定された事業についてですが、判定結果はパブリック・コメント等での意見と合わせて区長が総合的に判断します。 その際、施策の達成に向けて事業化の必要性が低いと判断した場合には、事業の廃止を含めて見直しを行うことが考えられますが、その場合においても同じ施策内の他の計画事業や経常事業を着実に実施することで基本構想や総合計画で示した方針を実現することができると考えています。 次に、計画の策定及び評価に当たり、バランスト・スコアカードのような管理会計の仕組みをさらに体系的に取り入れるべきではないかとのお尋ねです。 区は内部評価に加え、平成19年度から区民も参加した外部評価委員会による評価を実施するとともに、内部評価と外部評価を踏まえた区の取り組みを公表するなどして評価の客観性、透明性を高めてまいりました。 この間、評価シートの見直しや4つの視点等による評価の実施、アウトカム指標の充実など、評価制度の改善と精度の向上にも力を注いでまいりました。今後、計画、実行、評価、見直しのサイクルをしっかり定着させていくとともに、行政評価制度の改善も必要です。今回御提案がありましたバランスト・スコアカードのような仕組みを実行計画レベルの事業評価に適用するには、多くの課題があると考えております。今後、この仕組みの適用について慎重に調査、研究してまいりたいと思っております。 次に、事業仕分けの今後の実施についてのお尋ねです。 今回実施する区民討議会は、第二次実行計画素案に掲げる事業について、無作為抽出により参加を募った区民60人の討議により、素案のとおり事業を実施すべきか、見直すべきか等の判定をしていただくもので、外部の視点を入れて公開の場で事業の要否等を議論する事業仕分けの手法を活用したものです。 これは、ふだん区政に参画する機会の少ない区民から率直な意見を伺うとともに、区民目線で議論していただくことを重視したもので、この区民討議会方式による事業判定を、いわゆる新宿版事業仕分けとして位置づけて実施し、その結果をパブリック・コメント等とあわせて総合的に判断することで、多様な区民の声を反映した透明性の高い計画づくりとするものです。国や他の自治体が実施する一般的な事業仕分けは、専門家等が仕分け人として自治体職員と議論し、区民等の判定人が事業の是非を多数決等により判定するものですが、区としてはそうした一般的な事業仕分けを実施する考えはありません。 ◎福祉部長(小栁俊彦) 新宿区における障害者施策及び障害者権利条例の制定についてのお尋ねです。 このたびの障害者基本法の改正により、障害の有無にかかわらず、相互に尊重し合いながら共生できる社会を実現するために差別の禁止など社会的障壁を除去し、障害者の権利擁護をさらに推し進める方向性が明確に示されました。このことは、今後の新宿区の障害者施策において重要な課題であると認識しています。 これまでも新宿区では、障害がある人もない人も、ともに地域でいきいきと暮らせるまちづくりを目指し、障害者基本法に基づく新宿区障害者計画の中で、障害者が尊厳を持って生活できる地域社会の実現を基本理念に掲げ、さまざまな事業により地域における障害の理解促進に積極的に取り組んできました。 あゆみの家、生活実習所、福祉作業所など障害者施設のお祭りでは、近隣町会などの協力を得て開催することで、障害者と地域住民が交流する有効な機会となっています。また、区内のグループホームなどでは、地域清掃活動や町会のイベントに参加することにより、地域の中で障害の理解を広げています。 さらに、毎年12月の障害者週間には、新宿駅西口イベント広場において、障害者の共同バザールと作品展を開催し、多くの方に御来場いただき好評を得ております。 このように、さまざまな取り組みや活動を通じて、少しずつではありますが、着実に地域における障害への理解が深まっているものと受けとめております。 現在、学識経験者、当事者や障害者団体の代表、公募区民、関係行政機関の代表などで構成する障害者施策推進協議会において、改正障害者基本法や障害者虐待防止法など、その趣旨を十分に酌み取りながら障害者計画の見直し及び第3期障害福祉計画の策定を進めています。条例という形ではありませんが、この計画の見直しや策定の過程において、パブリック・コメントや地域説明会などを通じて、幅広く区民に計画の基本理念などを周知し、障害の理解促進に努めてまいります。 以上で答弁を終わります。 ◆35番(山田啓史) 障害者施策に関しましては、担当者、あるいは市長がかわってもぶれない考え方を示すことが大切だと思います。私はそれに対しては、必ず条例で定めるべきだと思っておりますので、そういった考え方で今後も要望や質問をさせていただきたいと思います。 そしてもう一つ確認なんですけれども、私はたしか中学校だったと思うんですが、質問に答えるときは、いつ、どこで、だれが、何を、どのようにするかというようなことを習った記憶がございます。改めて確認なんですけれども、今期新宿区で区長は一般的な事業仕分けを実施しないという方向であるか、これを再質問させていただきたいと思います。 ◎総合政策部長(猿橋敏雄) ただいまの山田議員の御質問にお答えいたします。 一般的な事業仕分けにおいては、今期において区として実施するという考え方はございません。 ◆35番(山田啓史) 区長がマニフェストの中でうたわれました事業仕分けは、いわゆる一般的な事業仕分けではないということが理解できました。 区長もそうですけれども、我々議員としてもマニフェストはしっかりと守っていかなければいけないと、このように思っております。私もマニフェストの中で事業仕分けを新宿区は実施するべきであると、このように訴えますというふうにうたっておりますけれども、私の考えの中では、この事業仕分けというのはいわゆる一般的な事業仕分けでございます。そういったスタンスに立ちまして、今後とも一般的な事業仕分けをぜひ新宿区でも実施していただきますように要望、質問をしていきたいと思っております。 どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。(拍手) ○議長(宮坂俊文) 次に、30番根本二郎議員。     〔30番 根本二郎議員登壇、拍手〕 ◆30番(根本二郎) 区民主権の会の根本二郎でございます。 3月11日の東日本大震災を受けて、区庁舎の移転について提案し、質問いたします。 本当は、順番で言いますと深沢議員が先で質問しまして、その後、私が続けて質問するということだったのですが、なぜか私の後に深沢議員が質問することになってしまいました。したがって、深沢議員の質問も聞いていただかないとちょっとわからないところがあるかもしれませんけれども、議運の関係でこうなってしまいまして。 というのはですね、8月9日、10日、深沢議員と佐原議員と一緒に、岩手県の大槌町に、被災地の視察、調査に行ってまいりました。 全国で唯一、首長が亡くなった町でございます。なぜ亡くなったのかということが私は疑問でした。それで深沢議員のお誘いをいただいて、一緒に行ってまいりました。 いろいろなお話を伺ったんですけれども、その後、大槌町の被災地を案内していただきました。この話が本当は深沢議員から七、八分あって、それを受けて私が質問するということになっているんですが、ですからその話は後で聞いてください。すばらしい報告になると思います。 庁舎は鉄骨だけを残して、本当に無残な姿でした。大変言葉がないと言いましょうか、あらわしようがない。そこで、前副町長の方と福祉関係の職員の方も一緒に案内していただいたのですが、私は大変疑問に思ったのは、意外と海辺に庁舎があったんですね。 数年前、岩手県の大船渡市に同じく災害対策特別委員会で視察に行ったときには、チリ津波の経験を受けて高台に庁舎を移しました。三陸一帯はほとんどそういう、今度は津波が来ても我々は大丈夫ですというぐらい自信を持って、幾つか不安はあったようですけれども、外部等には、22メートルの高さに、チリ津波のときはここまで高く来たんだと。だから大地震が来たらすぐに高台に上れということで大船渡市は準備していたわけですね。 私は三陸地帯はすべてそういうふうに訓練されていたのかというふうに思ったのですが、大槌町は海抜ゼロメートルか1メートルぐらいの高さのところなんです。本当に聞くのが忍びがたかったんですけれども、どうして庁舎を移転しなかったのですかという話をしたんです。チリ津波のときはどうでしたかというふうに聞きましたら、チリ津波のときは、1階のロビー部分まではひたひたと来たんだと。しかし、大槌町は津波が来ないというふうに言われていたと。自分たちもそう思っていた。だけれども、6メートルの防潮堤をしっかりつくったから、それで来ても大丈夫だというふうに思っていましたと。 当日は、三、四メートルの津波が来ますという情報の後は、電気が途絶えてしまって何の情報も入ってこなかった。したがって、2階で町長を中心に幹部職員を集めてすぐ対策本部を設置して、その会議をしていましたという話だったわけですね。1回外に出たそうなんですけれども、その後2階に上がって対策会議をやっていた。そこに津波が来たから、町長以下、幹部職員が逃げられなかったと。副町長だけが3階の屋上にかろうじて逃げ延びて、一晩寒空の中で水浸しになりながら過ごしたと、こういう話だったんです。 私は、どんなことがあっても、首長や職員、あるいは議員、そういう人たちを失ってはならない。なぜなら、首長はその先頭に立つということになりますけれども、首長や自治体職員や議員は、災害に当たった場合、その復旧、復興も含めて先頭に立つ責務があると、責務だというふうに思うんですね。ですから簡単に命を失ってはならないというふうに思ったんです。時計が3時25分でとまっているんですね。その3時25分の時計を見ながらつくづくそう思ったのですが、しかし、これは大槌町の皆さんを責めることは全くできない。本人たちは十分だと思うぐらいの災害対策をしてきたに違いないというふうに思うんですけれども、逆に振り返って、それでは一体新宿区はどうなのかということだろうというふうに思うんです。 ここから質問ですけれども、一つは、今定例会に耐震診断のための支出についての債務負担行為として提出されています。これは私も驚いたんですが、昭和55年に耐震診断をして以降、耐震診断していないということなんですね。昭和55年というのは、昭和56年が新耐震基準の改正ですからびっくりしたんですけれども、昭和55年に昭和56年の新耐震基準をもとに診断をしたということですので、今の基準はクリアしているということであります。 しかし、阪神大震災の後、耐震診断をしなかったのかなというふうに、当時、私は議員でいましたから、内心反省しながら、しかし今度の耐震診断の診断は、前回とはどのような違いがあるのかと。それから現在の耐震基準は、どの程度の震度に対してどのぐらいの耐震性があるのかということをまず伺いたいんです。 それから、今度はマグニチュード9、震度7ということを体験したわけですから、首都直下型は、我々はこれを想定しなければならないということになると、耐震性能をより重視して耐震設計を行わなければならないのではないかというふうに思うのですが、いかがでしょうか。これが一つです。 もう一つが本論です。 その首都直下型地震は、もう二十数年前に、30年以内に起きるというふうに言われているんですね。30年以内というのは今言ったわけではなくて、二十数年前に言われているわけですから、今から言えばもう可能性は9割に近い。10年以内ぐらいに9割に近いぐらいというふうに我々は判断しなければならないというふうに思うのですが、そこで最も怖いのは、新宿はやっぱり火災だと。歌舞伎町で考えれば、地震によるビルの倒壊、火災の発生は必ず起こるというように予測しなければならないというふうに私は思うのです。そうすると、指令機能はここでは果たせなくなるというふうに思います。 時間もありませんから具体的に申し上げますが、新宿文化センターに区役所を移転し、現在の新宿文化センターをこの今ある区役所に持ってくること。新宿文化センターの隣は、旧日テレ跡地、耐震性、耐火性、公開空地も確保されていますし、新宿中学、天神小学校があり、緑とオープンスペースも確保されています。現在地から遠くなく、庁舎移転に対しての区民の違和感もそうないものというふうに考えます。 一方、歌舞伎町ルネッサンスを進めて7年になりますが、コマ劇場の建てかえ計画も決まって、残念ながら劇場は入らないことになりました。私は歌舞伎町をエンターテイメントのまちとするには、この中心に文化施設がどうしても必要だというふうに考えます。文化センターを区役所跡地に移して、旧コマ劇場、ハイジア、区立大久保公園シアターパークを拠点として歌舞伎町TMOが頑張れば歌舞伎町は再生する、このように考えています。 お金はかかる。しかし、震災で失った後にお金をかけるのか、今、お金をかけるのかということだろうというふうに思います。東日本大震災の教訓を受けて、私は今こそ事前の一策は事後の百策だというふうに思って、真剣にこのことを考えていただきたい。 以上、申し上げて質問とします。 ◎総務部長(酒井敏男) 根本議員の御質問にお答えいたします。 まず、本庁舎の耐震診断基準のお尋ねでございます。 今回、本庁舎で予定をする耐震診断の基準は、昭和56年に改正された新耐震設計基準に加え、国土交通省の外郭団体である財団法人日本建築防災協会の平成21年改訂版、既存鉄骨鉄筋コンクリート造建築物の耐震診断基準になります。 昭和55年に行った耐震調査とその判断基準の変更としては、今回は建物劣化度調査や耐震性能の指針であるIs値などが加わり、調査内容の充実や判断基準がわかりやすくなったことなどです。現在の耐震診断基準は、新耐震設計基準で予想している極めてまれに発生する震度6強の地震に対して構造体は大破しない状態を基本としています。御指摘の耐震設計については、耐震診断結果をもとに補強基準値を高目に設定する方向で検討してまいります。 次に、区役所本庁舎の移転についてのお尋ねです。 現在の本庁舎は、昭和41年に建設したもので、建設後45年が経過しています。この間、分庁舎の建設等により、事務事業の増加等に対応してまいりましたが、合理的に配置できるスペースも限界に近づき、区民にとって利用しやすい庁舎が求められております。こうしたことから、庁内の新庁舎建設準備研究会において、他区や他市の先行事例を研究してまいりました。 今回、東日本大震災により、本庁舎ガラスの破損等の被害が発生したことや、建物の経年による劣化等を考慮して耐震診断を実施することといたしました。こうした状況を踏まえ、これまでの新庁舎建設準備研究会から検討を一歩進めるために、庁舎のあり方庁内検討会を設置をいたしました。この中で、本庁舎の耐震性の検証や御指摘の区の特性に合わせた防災拠点としての機能を含め、新たな庁舎のあり方の検討を進めてまいります。 また、耐震診断の評価や今後の検討会の検討結果については、議会に御報告するとともに、必要に応じて区民や議会を含めた検討につなげてまいります。 以上で答弁を終わります。 ◆30番(根本二郎) 今、一歩進めて庁舎のあり方検討会を設置して検討を行うという答弁を聞きました。ああそうかと、ぜひやってほしいということなんですけれども、もう時間がないわけですよね。私は5年、10年かけて新たな庁舎をどこかに探しに行こうということではない。 急いで、私が文化センターと区役所と交換するというのは、民地を探したらお金がかなりかかっちゃうわけだから、区有地でどこかを探さなくちゃいけないというふうに一生懸命考えて、7年間歌舞伎町ルネッサンスというのをわきで下村区議と一緒になってやってきてみて、ここを交換するということで区民の皆さんに問うてみるというぐらいで、それでも間に合わないかもしれない。東日本大震災以降の地形の変化というのは相当頻繁に東京周辺の地殻変動を起こしているというふうに考えれば、時間はそうないというふうに思いますので、私のところはおの区議が決算委員ですから、おの区議1人じゃなくて、決算委員全員の議員の皆さんの議論を期待して終わります。 以上です。ありがとうございました。(拍手) ○議長(宮坂俊文) 次に、25番深沢としさだ議員。     〔25番 深沢としさだ議員登壇、拍手〕 ◆25番(深沢としさだ) 私がここの質問者席に立たせていただくのは、約2年半ぐらい前ですか。何かきょうは恥ずかしいような、ちょっと辛いような、少々上がっております。まさに心境としましてはセカンドバージンであります。視聴率低いんだな、あれは。 自由民主党の深沢としさだであります。 東日本大震災から早くも6カ月以上がたちました。先ほど根本議員からもお話がございましたとおり、何か推理小説を逆さまから読むような形になってまいりましたけれども、先月9日、根本議員、佐原議員、そして私の3人、前期高齢者議員団で岩手県上閉伊郡大槌町に行ってまいりました。この時期でございますので質問が重複するのは御勘弁を願いたいと思います。 今回の震災で壊滅的被害を受けた、岩手県中部の海沿いの町でありまして、NHKのひょっこりひょうたん島のモデルとなった蓬莱島もあり、風光明媚な、のどかな漁業の町でありましたが、その姿は震災の日を境にいたしまして一変いたしました。 マグニチュード9.0という大地震の後、その地震により引き起こされた津波と火災で、まちは大きな打撃を受けました。人口1万6,000人の大半が大槌湾に面した海沿いに集中していたこともあり、死者は800人、そして現在でも行方不明者の数は600人近くに上っております。 3月11日、地震発生直後、加藤宏暉前町長を含む約60名は直ちに被害対策本部を立ち上げ、会議を始めましたが、その直後に襲ってきた津波から逃れるため、庁舎屋上へ避難を開始しました。しかし津波のスピードは猛烈に速く、加藤前町長以下40名が取り残され、行方不明となってしまいました。3月19日、残念ながら加藤前町長は、庁舎から500メートルほど離れた国道沿いで御遺体となって発見されました。その悲しみもさることながら、職員140名のうち三十数名が死亡または行方不明、そして7人の課長すべてがいないという非常事態の中、残された職員のみで復旧作業に当たらなければなりませんでした。 町長の職務代行者には、一たん前副町長の東梅政昭氏が就任されましたが、その任期も6月20日まででした。次に平野総務課長が職務代行者となり、8月28日に正式に町長選挙が行われ、現在では碇川豊氏が町長に就任され、首長不在という異常事態は解消されております。しかし人手不足はまだ続き、人的応援も万全ではありません。そのような中、失礼に当たるようなら視察を断念しようと思っておりましたが、東梅氏から御了承をいただきまして、8月9日、視察が実現いたしました。 当日は、新幹線と普通列車の乗り継ぎにて5時間30分、まず釜石駅まで参りました。数十軒の釜石駅前商店街は、津波と火災のためほぼ全滅でございました。店舗の正面や壁には大きな丸の中に十の文字、あるいは丸のみというサインがありました。それらのサインは、内部調査が終了したので解体して瓦れきを運んでくださいという意味だと後でお伺いをいたしました。 大槌町に到着した後も、同様にたくさんのサインを見かけました。木造や小さな建物は土台だけを残してすべて流されるか焼失していましたが、残された土台の中心には赤い旗か黄色い旗が無数に広がっておりました。赤い旗は土台を解体し、瓦れきとともに捨ててください。黄色い旗は、瓦れきのみ撤去してくださいとの持ち主の意思表示だそうであります。三陸の海を見れば、津波を引き起こしたとは思えないほど美しいままでしたが、内陸を見渡せば荒野の中に赤や黄色の旗のみが林立している、そんな光景が広がっていました。 大槌町役場元庁舎も2階まで浸水し、そこでの業務は不可能となっていました。私たちが最初にお伺いしたのも仮庁舎で、町長代行を務めていた東梅氏と平野氏、そして数人の職員の方々とお話をさせていただきました。旧庁舎にも御案内をいただきましたが、根本議員のお話にもありましたように、庁舎の正面の大時計は、あの日、あのときの時間を指しているのでありましょう、3時25分を指したままとまっておりました。旧庁舎内は瓦れきだらけ、あれが元町長の部屋、あれが元会議室と指をさしながら御説明いただかなければ、もとの姿は想像もつきませんでした。 その後、高齢者等共同仮設住宅という、いわばグループホームの仮設版も視察させていただきました。高齢者等共同仮設住宅では、高齢者が共同で暮らせるだけでなく、グループホームとして介護サービスも受けることができます。視察の時点ではまだ居住者はおらず、建設したばかりの状態でありましたが、仮設住宅に入った高齢者の孤独死増加が問題となっている現在、こういった高齢者のための仮設住宅の建設は急務となっております。 今回の視察はとても胸を打たれるものとなりました。被災地の現状は御存じのとおりとても悲惨なものでありますが、みずからも被害者であるにもかかわらず、一丸となって復旧、復興作業に当たっている職員の方々の姿には本当に感服をいたしました。大槌町の悲しみを教訓とし、新宿区も一自治体として災害対策を強化していかねばなりません。 そこで、東京で直下型大地震が発生した場合を想定し、以下の質問をいたします。 1つ目は、瓦れき置き場についてであります。 大槌町でも瓦れき置き場の不足が大変な問題となっていました。地震発生後には大量の瓦れきが出ると思われますが、新宿区では相当量の瓦れきを収容できる場所等の調査及び確保はなされているのでしょうか。また、収容場所が1カ所では足りないような場合を想定し、第二次、または第三次等の瓦れき収容場所についても検討はお済みでございましょうか。 次に、夜間等の地震発生時の対策についてお伺いいたします。新宿区全職員のうち、区内在住の職員の方の割合は11.8%と伺っております。これは千代田区の8%に次いで2番目に低い数字であります。したがって、夜間及び休日など、職員の方々が帰宅後またはお休みのときに地震が発生した場合、即座に対応できる区職員の人数はとても低いことになります。平日勤務時間中の地震発生については、もちろん準備があると思いますが、それ以外の時間に地震が発生した場合の対策はなされているのでしょうか。 3つ目は、大型重機についてです。地震後、復旧、復興のためには大型重機が不可欠と思います。建設業協会のみならず、その他の業界等で大型重機を使用している団体との事前の契約があれば、復旧、復興の作業もスムーズにいくはずでありますが、新宿区ではそういった重機貸与等の協定は既になされているのでしょうか。 最後に、高齢者等共同仮設住宅について質問いたします。被災後の暮らしは私どもの想像以上に厳しいことと思います。当然、高齢者の方々にとっても精神的、肉体的負担は大きく、その中でのひとり暮らしはとても危険であります。新宿区では、被災後に仮設住宅を建設することになった場合、高齢者のための共同仮設住宅を建設する計画はおありでしょうか。 以上、お尋ねいたします。 ◎環境清掃部長(伊藤憲夫) 深沢議員の御質問にお答えいたします。 初めに、瓦れきの置き場についてのお尋ねです。 御指摘のとおり東日本大震災では、想像を絶する量の瓦れきが発生しています。町の復旧、復興に当たり、まず急がれるのは建物の倒壊やその他構築物等の崩壊により発生した瓦れきの処理です。 東京での直下型大地震の発生を想定した場合の新宿区での瓦れき処理については、新宿区地域防災計画に基づき、区は速やかに瓦れき処理対策班を設置し、対応します。仮置き場は災害の規模や瓦れきの発生状況にもよりますが、西戸山公園などのオープンスペースを活用することを想定しています。 また、廃木材、コンクリート殻については、東京23区清掃一部事務組合と連携し、仮置き場の確保を図ってまいります。 ◎区長室長(寺田好孝) 次に、夜間等に地震が発生した場合の対策についてのお尋ねでございます。 御指摘のとおり区内在住職員の割合は、全職員の1割強となっております。このため、夜間、休日等の非常事態に備え、区役所本庁舎に管理職1名が防災対策要員として交代で待機しております。 また、職員防災住宅を区内3カ所、計36戸を確保しているほか、震度5弱以上の地震が発生した場合には、特別非常配備体制要員約480名が指定された場所に参集し、被害状況調査及び応急対策活動に当たることとなっております。さらに緊急時職員参集システムにより、迅速な初動態勢の整備を進めております。なお、昨年7月に策定いたしました新宿区事業継続計画BCPの地震編では、発災後約5時間以内に全職員の約3分の1に当たります約1,000人の職員が参集して、初動態勢を確立することが可能となっております。 一方、区内在住職員をふやすこともBCPの観点から必要であると認識しております。このため、平成24年度の上落合防災拠点の建てかえに際し、職員防災住宅を増設する予定であり、今後も区有施設の改修等の際には、職員防災住宅の増戸についても検討してまいります。 このように、夜間、休日等に地震が発生した場合でも、迅速かつ的確に対応ができるよう、引き続き体制強化に取り組んでまいります。 ◎みどり土木部長(野﨑清次) 次に、大型重機についてのお尋ねです。 区では、土木工事を行う区内業者で構成する新宿土木防災協力会と災害時における道路障害物除去等応急対策業務に関する協定を締結しています。 また、建築会社9社や給排水設備や電気設備業者団体とも災害時における区立施設及び住宅の応急修理等の協力に関する覚書も締結しています。これらの協定に基づき、道路障害物除去等に迅速に対応するため、御指摘の重機も含めた資機材や労務を提供していただくことになっております。 ◎都市計画部長(鹿島一雄) 次に、高齢者のための共同仮設住宅を建設する計画についてのお尋ねです。 高齢者等共同仮設住宅は、グループホーム型の仮設住宅に生活支援相談員等を配置したものと聞いています。新宿区地域防災計画では、災害救助法適用後の応急仮設住宅の建設や住宅管理は東京都が行うこととなっており、区は入居者管理を行うこととなっております。このため、区は単独で建設計画を持っていませんが、都に対して共同仮設住宅の建設を含め、高齢者、障害者等への配慮を要望していきます。 また区では、応急仮設住宅において高齢者のみならず、入居者相互が支え合い、多世代間でコミュニティを形成しやすい環境をつくっていくことが大切と考えています。そのためには、集会スペース等を活用した地域ひろばの設置や食事会の開催などの取り組みも必要です。特に高齢者の環境変化による不安への対応やひきこもり、孤独死の予防等を効果的に行うには、医療、介護、生活支援等のサービスを必要に応じて適切に提供することが求められます。ケアマネジャー、サービス提供事業者、ボランティア等、さまざまな支え手と連携し、入居者だれもが人とのつながりを持ち、安心して生活できる環境を整えられるよう努めていきたいと考えています。 ◆25番(深沢としさだ) 御丁寧な答弁をいただき、ありがとうございました。 ちなみに申し上げますと、現地で御案内いただいたお二人の方なんですが、東梅氏は現在大槌町の参与をお務めでございます。津波のために加藤町長という戦友を失い、そして三十数名の部下を亡くしてしまったという自責の念も多分におありになったと思います。そしてまたもうお一人の福祉介護の御担当であります女性の職員さんなんですが、御主人が消防団の分団長として町民の救出作業中に、同じく津波のために亡くなったそうであります。お二人ともまだ深い悲しみの中にいらっしゃるにもかかわらず、私どもの視察に真摯に御対応いただきましたこと、心から感謝を申し上げたいと存じます。 まだまだ申し上げたいこともございますが、以下は来週からの決算特別委員会につながせていただきます。 どうもありがとうございました。(拍手) ○議長(宮坂俊文) ここで、議事進行の都合により15分間休憩します。 △休憩 午後5時48分--------------------------------------- △再開 午後6時10分 ○議長(宮坂俊文) ただいまから会議を再開します。 質問を続行します。 34番小松政子議員。     〔34番 小松政子議員登壇、拍手〕 ◆34番(小松政子) 公明党の小松政子でございます。 初めに、牛込地域の交通安全対策について質問いたします。 平成22年度の新宿区内4警察署管内における事故発生数は、前年より51件の減少でした。内訳として新宿署17件の減、戸塚署8件の減、四谷署37件の減に対し、牛込署は11件の増でありました。 さて、本年2月、私は牛込地域893人の方に安心して歩けるまちづくりアンケートを行いました。道路のバリアフリー化を望む声47%、歩車分離46%、歩道の拡幅42%、放置自転車対策37%、自転車レーンの設置29%、交差点のスクランブル化が11%という結果でした。自由記入欄では自転車の運転マナーの悪さ、交差点の危険性、学校や保育園周辺での車両規制のあり方などの御指摘が多くありました。区政モニターアンケートでも、道路の歩きやすさの満足度調査で、「そう思わない」との回答が62.6%を占め、同様の結果が出ております。 平成23年度、新宿区「安全で快適なまちに」のまえがきには、「交通事故から区民を守り、安全で安心な区民生活を築いていくことは、区に課せられた責務です。」中略。「日ごろから道路を利用している地域の皆様の参加を得て、関係行政機関等と合同で道路や交通安全施設などの総点検を実施し、だれもが安全で利用しやすい道づくりに取り組みます。」とありました。こうしたことを前提に3点質問いたします。 1点目は、交差点の安全対策についてです。 警視庁の本年上半期における歩行者の事故発生件数が、残念なことに新宿区は217件で、都内第1位だということです。発生場所としては交差点が48.2%、交差点付近が13.5%で、合わせると61.7%です。そこで、牛込地域の特に危険な交差点の状況として、外堀通りと交差する神楽坂下交差点は、夕方ともなると大勢の人でにぎわう人気商店街の玄関口ですが、過去には重大事故も発生しており、観光地域として危険な交差点だと言えましょう。 また、通学路に当たる大久保通りの北町交差点は、すり鉢の底に位置する形状のため、車が歩道に飛び込む事故が絶えません。店舗に2度も飛び込まれた商店主さんの依頼を受け、都にガードレールを設置していただきましたが、いまだ安全とは言えません。区内にはほかにもこのように危険な交差点があるのではないでしょうか。そこで、歩行者優先の視点で区内交差点の危険度総点検を実施すべきであると考えますが、いかがでしょうか。 次に、歩車分離式信号についてであります。2002年に警察庁が全国100カ所の交差点で行った歩車分離式信号のモデル運用実施の結果、人対車両の事故が半減するなど、歩行者の安全面で大きな効果が認められました。こうしたことから警察庁は本年6月、今後4年間で全国に歩車分離式信号2,855基を新設し、2014年度末には計8,389基に増設する計画を決定しました。さらに信号の更新や新設時のみならず、渋滞回避の交通量調査などを実施し、その上で積極的に導入との方針が全国の警察本部に指示されました。 こうしたことからも、歩きたくなるまちづくりをグランドデザインとする新宿区は、歩行者にやさしい歩車分離式信号の積極的な導入を図るべきであると考えますが、いかがでしょうか。 2点目は、準工業地域である東五軒町、西五軒町、新小川町の交通安全対策についてです。 新小川町に関して、区が人にやさしい道路の整備事業として550メートル区間の整備計画を進めていることは評価しておりますが、残念なことに昨年この地域でお年寄りの死亡事故が発生しました。この地域は、東五軒町保育園が区内最大の保育園になったことに象徴されるように、事業所集積地域からマンションや戸建て住宅へとまちがさま変わりしつつあるにもかかわらず、トラック等の大型車両は相変わらず我が物顔で走っており、アンケート調査でも多くの指摘がありました。準工業地域であることは承知しておりますが、例えば大型車両の進入経路の見直し等、ソフト面での対策も必要ではないでしょうか。ハード、ソフトあわせての今後の区の方向性をお聞かせください。 3点目は自転車レーンの設置についてであります。 本年3月、神楽坂上交差点から若松町交差点までの約1.6キロメートル区間の大久保通りの外側線が1.5メートル幅に広がりました。以来、私のもとに同区間を自転車レーンにしてほしいとの声が数多く寄せられております。第三建設に問い合わせたところ、自転車レーンではなく車の並走防止のため路肩部分を広くとっているとの回答でした。 文京区の旧白山通りには、東大農学部交差点から千石駅前交差点までの1.2キロ区間で1.5メートル幅の中を水色で塗った自転車専用レーンが昨年3月に設置されました。私も走ってきました。渋谷区幡ヶ谷の旧玉川水道道路にも同様の自転車レーンが平成20年の3月に設置されております。全国98カ所における自転車レーンモデル事業で、自転車事故が36%減少したと、本年7月21日に国土交通省並びに警察庁から発表されました。牛込地域の大久保通りは起伏が激しく、アンケート調査でも多くの方から自転車走行に対する危険性が指摘されております。この際、1.5メートル幅に広がった同区間の路肩内を自転車レーンにするべく、東京都に働きかけていただきたいと希望しますが、お考えをお聞かせください。 なお、同区間は新宿区の違法駐車等防止重点地域に指定された道路区間でもあるため、一石二鳥ではないでしょうか。 質問の第2は、赤城下町の安全対策についてです。 東日本大震災以降、首都直下地震の発生を危惧する声はいやまして高まりつつあり、東京は関東大震災の教訓から、大火災の危険性が指摘されております。中でも赤城下町は、以前にも指摘させていただきましたが、都内5,099町丁目の中で上から2番目の火災危険地域になっております。区が平成20年、平成21年度と首都圏総合計画研究所に赤城地区まちづくり構想策定支援業務の委託をされ、まちづくり協議会の立ち上げに向けて努力されてきたことは承知しております。 そこで質問の1として、区は赤城下町を建築物等耐震化支援事業のモデル地区として戸別訪問の実施で、積極的な耐震化普及啓発活動を展開されておりますが、現在の進捗状況をお聞かせください。 質問の2として、緊急車両の入れない道路が多くあり、高齢化率の高い木造住宅密集地域である赤城下町にとって、個々の住民への不燃化耐震化の推進が大変重要であることは論をまちませんが、並行して行政として空地の確保努力も必要であると考えます。 江東区には、火災の拡大防止で住民の生命、財産を守るために、防災空地の確保を目的とした江東区防災空地条例が定められております。赤城児童遊園があるとはいえ、赤城下町は公園が不足している地域にも当たっており、防災機能を兼ねた空地公園が必要であると考えます。区長のお考えをお聞かせください。 質問の3は、災害時の擁壁の崩れに対する対応策強化についてです。 赤城下町は片側を矢来町高台の擁壁に接しており、万が一、大地震でその一部が崩壊すれば、大惨事にもなりかねません。先般の大地震で、新宿区では文化センター通りに面した私有地の擁壁の一部が崩落しました。よくぞ通行人が巻き添えにならなかったとため息をついたほどです。その擁壁は6カ月たった現在もいまだ手つかずの状態にあります。しかし、その下を通行する区民の安全確保のため、鉄板を打ち込む作業に多額の税金投入がなされたわけであります。災害が起こる前に補修する必要があったと考えます。 さて、平成20年9月に私は豪雨被害による赤城下町の擁壁崩落に関して、擁壁の助成制度の創設に関する質問をしました。その答弁として区は、利用実績の少ない融資あっせんと利子補給制度を見直し、特に危険で崩壊または転倒した場合に大きな被害が発生する可能性のある擁壁について、改修工事に対する助成制度の創設を検討していきます。その際には、財源確保の面から国や都の補助制度の動向を把握しながら、対象範囲や要件など助成の仕組みを考えていきますと返答されました。あれから3年がたちましたが、どのような制度を考えていられるのか、もう一度お伺いいたします。 ◎みどり土木部長(野﨑清次) 小松議員の御質問にお答えいたします。 初めに、歩行者優先の視点で区内交差点の危険度総点検を実施すべきとのお尋ねです。 区では、これまでに警察署、PTA及び地元住民の方と連携して、通学路を中心に子どもや高齢者などのいわゆる交通弱者の視点で、交通安全施設や交差点を含む道路の危険箇所について交通安全総点検を行ってきました。今後は、通学路以外でも交通量が多く、歩行者にとって危険な交差点などについて点検を行ってまいります。 次に、歩行者にやさしい歩車分離式信号機の積極的な導入を図るべきとのお尋ねです。 昨年12月以降、牛込地域では早稲田通りなどに新たに2基の歩車分離式信号機を設置した結果、歩行者が安全に横断できるだけでなく、車両も円滑に右左折できるようになり、交通渋滞の解消に役立っていると聞いています。区としては、歩車分離式信号機が交通安全対策に効果があることから、警察署に設置を要望してまいります。 次に、東五軒町、西五軒町、新小川町の交通安全対策についてのお尋ねです。 当該地区は、製本工場を初め、大小さまざまな工場が点在し、これに伴う大型車両の交通も多い地域です。御提案の大型車両の進入経路の見直しについては、既に地域の関係者間での自主ルールにより、大型車の運行がなされているため、ルートの変更は新たな迂回道路の確保や規制を伴うことなどから、現状では難しいと考えています。このため、東五軒町保育園東側の道路については、保育園や警察と協議を行い、ガードパイプや路面標示等の交通安全対策を含めた道路整備を今年度行ってまいります。今後も、交通安全総点検を通じて、地域の意見を聞き、交通安全施設の整備を行うとともに、保育園や小学校において、交通安全教室などの充実を図ってまいります。 次に、自転車レーンの設置についてのお尋ねです。 大久保通りの外側線は、大久保通りのところどころにある緩いカーブが原因で発生する事故を防止するため、牛込警察署が東京都に要望し設置されたものです。その結果、違法駐車もなく事故も減っているとのことです。車道に自転車専用レーンを設置するモデル事業が各地で行われていますが、自転車専用レーンを設置することにより、荷さばき車両が駐車できないなどといった新たな問題が発生していると聞いています。大久保通りに自転車専用レーンを設置する場合にも、荷さばき車両の対策など考慮すべき課題もあると思いますので、設置が可能かどうかについて、東京都や警察署に検討を要望してまいります。 ◎都市計画部長(鹿島一雄) 赤城下町の安全対策についてのお尋ねです。 初めに、赤城下町における建築物等耐震化支援事業のモデル地区の進捗状況についてです。 モデル地区事業は、平成22年度より総合危険度または建物倒壊危険度が5の4地区を対象に、耐震化の必要性や耐震化支援事業の概要などについて地域説明会で説明するとともに、戸別訪問を実施するなど、区が積極的に地域に入り、耐震化を推進している事業です。赤城下町については、現在まで地域説明会を4回、戸別訪問を約150棟実施し、木造建築物の耐震診断及び補強設計を19棟実施しています。今後、この実績を着実に耐震改修工事につなげていくことで耐震化をより一層推進していきます。 次に、防災機能を兼ねた空地公園についてのお尋ねです。 赤城下町については、御指摘のとおり火災危険度について都内2番目に危険な地域となっています。区は、赤城下町を含む周辺地域の方々を対象に、木造密集地域の解消に向けた調査や手法についての協議を行ってきました。御指摘の防災機能を兼ねた空地公園は、火災の延焼拡大防止や消火活動の拠点としての機能を有するため、一定規模の敷地が必要と考えます。赤城下町周辺では、地域の防災性の向上に向けて、道路空間の拡充や建物の不燃化の促進に取り組むことにより、延焼の防止と避難消火活動の円滑化等を図っていきます。現在、これらの取り組みについて、地域の方々との話し合いを進めており、今後、他の自治体の取り組みも参考にして具体的な手法の検討を行ってまいります。 次に、擁壁の助成制度の創設について、どのような制度を考えているかとのお尋ねです。 区は、平成21年度から3年間で約3,900カ所の擁壁等について、現地点検調査を行っています。敷地の耐震化である擁壁等の安全対策の実施については、第一義的には所有者の責任で行うべきものですが、擁壁等が崩壊した場合に人命や財産への被害が大きなものや、道路閉塞による救助救援活動への影響が大きなもので、早急に改修しなければならない擁壁等については、区が関与することも必要と考えています。現在、利用実績の少ない融資あっせん利子補給制度にかわる支援制度として、こうした早急に改修しなければならない擁壁等を対象とした改修工事費への助成制度の創設を第二次実行計画で検討しているところです。 以上で答弁を終わります。 ◆34番(小松政子) 大変御丁寧な御答弁をありがとうございます。 大久保通りの路肩部分1.5メートルに拡幅された地域は、私は文京区の旧白山通りを見てきましたけれども、全く同じような状況のまちの中で、同じような幅の、そして大久保通りと同じように、その区間は商店街が面してないんですね。ガードレールがずっとありまして、荷さばきの必要な箇所というのはほとんどないという、私も自転車で走っていつも通ってわかっているつもりです。ですからあそこは最も自転車専用道路にはふさわしい。白山の自転車専用道路も本当に同じ白線の路肩の中を水色で塗って、自転車専用レーンと書いているだけですから。でも、その水色に塗って、自転車専用道路と書くかどうかという、これがすごく大きな違いで、うちの同僚議員もあの白線、路肩が広がった部分を自転車レーンができたと勘違いしている議員もいたぐらいですから、あそこはぜひ、多分都内23区でこの幡ヶ谷と文京区の2カ所しかないんじゃないかと思っておりますので、3番手にぜひ新宿区は名乗りを上げていただきたいと強く要望して終わります。 ありがとうございました。(拍手) ○議長(宮坂俊文) 次に、8番川村のりあき議員。     〔8番 川村のりあき議員登壇、拍手〕 ◆8番(川村のりあき) 日本共産党区議団の川村のりあきです。私は、落合第五幼稚園と中井保育園の子ども園化について伺います。 私は、9月3日、土曜日に開かれました幼稚園・保育園の合同保護者会に参加させていただきました。この間、区と教育委員会は幼稚園保護者と保育園保護者双方に3回ずつの説明会と今回の合同説明会を行ってきましたが、幼稚園、保育園双方の保護者が子ども園化に対してまだまだ不安や懸念をお持ちで、十分な合意が得られたとは言いがたく、このまま推し進めるべきではありません。 一方で、既に工事が始まり、10月には幼稚園の募集や説明会の時期が迫っており、この時点に立って早急に改善すべきことについて質問をいたします。 第1に、進め方についてです。 当該施設の子ども園化については、ゼロ歳児保育や専用室型の一時保育が始まるなど、地域の子育て支援の充実について期待が広がっています。 一方、保護者が特に不満に思っているのが、子ども園化の進め方についてです。もっと当事者や区民の声を反映させていく姿勢が求められていると思います。当日、保育園保護者の方が発言で、「決まってから報告するのではなく、投げかけてもらって一緒に考えていきたい」、「信頼関係が持てるような姿勢が大事」とおっしゃっていました。お話を伺ってみると、一番初めの説明会は、子ども園化することに関しての説明とは保護者が理解できない招集の仕方で、「大事な会議と考えず欠席してしまった」などの声が多く出されたことや、区側に出した要望書も回答がなかなかいただけなかったことなど、さまざまな経緯があるようです。これにはもともと教育委員会と区長部局の合同で対応していた組織上の問題や、通常の年度末の繁忙さに加え、震災対応で説明会の間があいたなどの要因が考えられますが、子ども家庭部の中に子ども園推進担当課が発足した今、抜本的な改善が望まれます。 区長は常々、これまで以上に積極的な区政情報の提供や情報公開を行うことで、公正で透明性の高い区政を実現すると述べていますが、自治基本条例が制定された今、区の方針や施策の決定過程で区民が参画するという視点が求められています。新宿区自治基本条例は、第5条で4つの区民の権利を定めていますが、第1項、区政に関する情報を知る権利は、単に区政に関する情報を受け取るだけではなく、みずから区政に関する情報の提供を求めたり、内容の理解を深めたりすることができる権利、第3項の区政に参加する権利は、政策などの立案、事業の実施、その評価などのさまざまな過程において意見を述べたり、事業の担い手として、また受け手として参加するなど、多様な方法による区民の参加を保障するものと定めています。 私は、この自治基本条例の精神から、また、新宿区子ども園理念にうたわれている子どもを真ん中に保護者と地域の人々と保育者が手を携え、子どもの幸せを実現するとの理念を実現するためにも、従来の説明会を頻回に行うことや、懇談会など、さらに幼稚園、保育園双方の保護者との意思疎通を図り、取り入れられる意見は取り上げていく必要があると考えますが、御所見を伺います。 その際、あいじつ子ども園を進める過程で行われていたように、保護者も含めて教育、保育内容の交流をすることや、行事のあり方の検討をするなど、保護者の納得と合意を大切に進めるべきと考えますがいかがでしょうか。 また、説明会を当事者が参加しやすい開催時間にするなど、改善していただいているのは評価したいと思いますが、従来の配付物に加え、仕事などで参加できない方への配慮など、あいじつ子ども園や四谷子ども園等で行ってきたように、ホームページの議事録の公開なども行うことは必須と考えますが、いかがでしょうか。お聞かせください。 第2に、園名についてです。 当日は、園名について、ひらがなで「おちごなかい子ども園」と発表されましたが、もう決まってしまうのでしょうか、との声が出されています。確かに幼稚園、保育園の代表が2名出され、保護者アンケートも行い決定はされました。多数決で決定する性質のものではないにしても、他にも「中井」、「落合第五」、「落合」や「かっぱ」、「染の町」などユニークな名前もありました。確かに園児募集の時期が迫っているにしても、園名は言うまでもなく、これから何十年も続くものであり、もっと丁寧な決め方でやるべきで、当面仮称にして地域の声に耳を傾けながらじっくりと決めてもよかったのではないかとの声が地域からも寄せられています。 あいじつ子ども園が検討プロジェクトチームを発足して、園名、園歌、園章の由来を調べるところから始まって、保護者ばかりではなく、地域の声も聞きながら1年以上かけて検討し決めており、今回の6月末の説明会で告知して、7月1日締めで集計、7月20日締めでアンケート、8月6日で絞り込み、合同説明会当日決定では、余りにも性急な感は否めません。そこで伺います。 保護者の決定は尊重しながらも、地域代表の方も含めた選定委員会を設置し、広く公募して選定するなど、地域から愛される名称を目指すべきと考えますが、いかがでしょうか。 第3に、人員配置についてです。 当日区側も答えているとおり、分園型は理想的な形ではなく、施設の有効活用との観点から出てきた形です。一方、保育園保護者が行ったアンケートでの分園化に関連する項目は、有効回答のうち全回答が反対であり、その内容は、異動の問題、異年齢保育がなくなるに集約されます。新宿区が、保護者の反対にもかかわらず分園化するとするならば、この不安を解消することは最低限の区の責務ではないでしょうか。そのためには、十分な人員の配置がなくてはなりません。また、幼稚園保護者側からの要望では、もともと保育園型ではなく幼保連携型にしてほしいとの要望が強く出されてきましたが、十分検討されず保育園型となってしまったとの思いを幼稚園保護者は強く持っています。 今度開設される「おちごなかい子ども園」は、大規模で長時間開所の上、一時保育もあり、物理的にも園舎が2カ所に離れた場所に開設されます。保護者の方も懸念されているとおり、従前にも増した人員配置をすべきと考えますが、いかがでしょうか。加配を検討しているとすれば、何名を検討しているかをお聞かせください。 また、来年度については、今いる幼稚園と保育園の先生を一定人数残してほしいとの要望がありました。特に、保育園型ということで、幼稚園の先生は一人もいなくなりますので、幼稚園保護者の不安は非常に高まっています。そこで伺います。保護者の不安解消と子どもたちが安心して新しい環境になじんでいくための人員配置の面での特段の配慮が必要と考えますが、いかがでしょうか。 同時に、幼稚園保護者の要望する短・中時間枠は現時点での計画の10名ではなく、従前幼稚園の枠の15名です。長時間の定員を減ずることなく定員をふやすことや、今後の検討課題とすることは不可能でしょうか。現在年中クラス11名、年長クラス13名と、落合第五幼稚園の園児が在園している現状も踏まえ、御所見をお聞かせください。 以上です。 ◎子ども家庭部長(伊藤陽子) 川村議員の御質問にお答えします。 まず、落合第五幼稚園と中井保育園の子ども園化の進め方についてのお尋ねです。 昨年度、子ども園化推進検討委員会の報告が出た後、速やかに両園で保護者説明会を行い、新宿区における子ども園化の基本的考え方、両園の現状、子ども園化によるメリット、スケジュールなどを説明しました。参加できなかった方には、当日の配付資料を個別に配付するとともに、議事要録をまとめ次第、全保護者に配付しました。今までに両園で保護者説明会を3回ずつ開催し、さらに合同保護者会を開催し、御要望についてもお答えしてきました。 進め方については、やりとりの中で理解を深める努力をしてまいりました。しかしながら、まだわかりにくい点や納得しづらい点もあるかと思いますので、今後も必要に応じて説明会を開催し、さらなる意思の疎通を図ってまいります。 次に、保護者も含めて教育、保育内容の交流をすることや、行事のあり方の検討をするなど、保護者の納得と合意を大切に進めるべきとのことですが、両園の保護者に他の子ども園を見学していただくことを予定しておりまして、保護者の要望も踏まえて保育、教育や行事のあり方を検討してまいります。 さらに議事要録につきましてはすべての保護者に配付しておりますが、ホームページでの公開についても検討してまいります。 次に、園名についてです。 園名については、広く公募して選定するべきではとのお尋ねです。 選定に当たっては、両園を通じて園名案を募り、その案を盛り込んだ園名アンケートを両園で実施しました。その結果、落合第五幼稚園の保護者の多くの方が「落合第五」を選択され、中井保育園の保護者の方の多くの方が「中井」を選択されました。しかし、両園の保護者数に大きな差がありますので、多数決で決定するという選択肢はとらず、両園から各2名の代表者を選出し、合意形成を模索しました。その結果、アンケート票数は多くはないものの、両園の保護者の方から挙がっている、ひらがなの「おちごなかい子ども園」を園名案とすることとなり、9月3日の両園合同保護者会でこれらの経過を説明いたしました。 このように園名決定のプロセスは、オープンかつ丁寧に行ってきておりますので、改めて選定委員会を設置する考えはございません。 最後に人員配置についてです。 まず、園舎が2カ所に離れているため、従前にも増した人員配置をすべきとのお尋ねです。 今回、落合第五幼稚園と中井保育園を子ども園化する計画は、両施設を有効に活用し、ゼロ歳児の定員の新設、各年齢児の定員の増、専用室型一時保育の実施など、保育需要への対応とともに3、4、5歳児の小学校へのスムーズな接続が図れることなど、分園方式ならではのメリットがあります。ただし、延長保育時の幼児園舎から乳児園舎への移動の安全確保に配慮を要するため、職員の増配置を検討しております。現時点で具体的な加配人数については決まっておりませんが、開所の時点までには決定し、保護者会で説明してまいります。 また、来年度、幼稚園教諭を1人残してほしいという要望があることは承知しています。要望については教育委員会へは既に伝えています。幼稚園教諭の配置については、幼稚園並びに子ども園全体の配置計画や人事異動の中で検討してまいります。 最後に、長時間の定員を減ずることなく、短・中時間の定員をふやすことを検討できないかとのお尋ねです。これまでの園児数の推移等を考慮すると、短・中時間の定員は10名が妥当と考えたところですが、今後、需要動向を見据えながら、必要であれば見直してまいります。 以上で答弁を終わります。 ◆8番(川村のりあき) 御答弁いただきましてありがとうございます。 答弁いただいた中で改善や対応していただけるというところもありました。保護者の方との意思疎通も十分図っていくということですので、子ども園の理念にもあるとおり、子どもをやはり真ん中にして、今、保護者の方が持たれている懸念、心配というところをしっかりと受けとめて解決を図っていただきたいというふうに思いますし、また、適時適切に対応も、私自身も質疑などもさせていただきたいと、今後ともそのように思っております。 以上で私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(宮坂俊文) 次に、15番沖ともみ議員。     〔15番 沖 ともみ議員登壇、拍手〕 ◆15番(沖ともみ) みんな・無所属の会の沖ともみでございます。 さきの第2回定例会の一般質問では、私の信条である本当に求められている福祉の実現、その中でも特に孤独死の問題をテーマに質問させていただきました。 今回はそれを実現させるためにも、税金の無駄遣いをなくすとともに、区民の声を施策に反映させるため、より適正かつ迅速な予算作成をすることが必要との観点から、また現在よりもより有意義な予算、決算の審議を行えるようにするとの観点から質問を行います。     〔「頑張れ」と呼ぶ者あり〕 議員は区民より負託を受けて税金の使い道をしっかりとチェックすることが職務です。議員がしっかり職責を果たせる環境が必要だと思い、決算の早期情報公開について及び今月より各部で調整されている平成24年度予算案の方針について質問させていただきます。誠意ある御答弁をお願いいたします。 まず初めに、決算の早期情報公開についてお伺いします。 最近の予算案、決算案が議会に提出された時期を見てみますと、平成23年度予算は2月上旬に発行され、審議の11日前の2月17日に配付されました。また今回、会計室が平成22年度新宿区各会計歳入歳出決算書を7月に発行されましたが、各議員に配付されたのは、審議の18日前の9月2日でした。私自身は新人議員であり、また今回決算特別委員会の委員に選ばれる予定でもあり、質問作成のためになるべく早い時期に決算案を拝見いたしたく考えておりました。区は区民の代表である議会に、できる限り早い段階で予算案、決算案などの内容を知らせるべきと考えます。 そこで、会計制度が異なっているという現状を踏まえた上においても、単純に民間企業との比較はできませんが、上場企業の決算情報公開の時期について調査してみました。上場企業の期末決算の所要日数については、東京証券取引所が毎年集計を行っています。発表資料によれば、上場企業の決算発表平均所要日数は、1992年3月期には72.3日、2000年3月期には53.9日、2011年3月期には39.3日と、毎年短縮されています。 近年の決算発表早期化の背景には、東証が上場企業に対して2007年3月期から、期末から45日以内の決算発表を要請したことがあります。上場企業の決算については、金融庁への報告書提出は期末から3カ月以内と決まっています。東証などでは、発表時期の明確な規定はないものの、期末から60日以内というのが慣例でした。それを改め、東証が45日以内の発表を求めたのは、決算情報は、投資判断のために最も重要な情報の一つであり、速やかな開示が必要と考えたからとされます。45日以内は、努力目標であり強制力はありませんが、具体的な目標が設定されたことで、それに間に合わせようと発表を前倒しする企業が相次ぐことになったということです。 新宿区を民間企業に当てはめれば、区民は株主です。株主は決算書を詳細に分析し、さまざまな意見を提案する権利を持っています。決算情報を速やかに提出するという民間企業の取り組みにならう必要性があると考えます。 地方議会における決算審議については、地方自治法第233条第1項で会計管理者は、出納の閉鎖後3カ月以内に決算書を首長に提出しなければならず、同法同条第2項で首長は決算書を監査委員の審査に付さなければならないと規定されています。新宿区の決算書類も当然この出納の閉鎖後3カ月以内という規定にのっとって作成されています。したがって、自治法上は1カ月で提出してもよいことになります。決算作成作業及び監査委員の審査を効率的に遂行すれば、区議会への提出時期も早まり、議員おのおのが入念に調査する時間も確保でき、真の意味で区民主導の政治が実現できると言えるのではないでしょうか。 そこでお伺いします。 新宿区では決算書は議案に当たるので、その性質上、9月議会の審議に入る直前に配付されます。今以上の早期情報公開ができない理由としては、数字の間違いが生じないよう一層正確性を追求されていることが想定されるわけですが、決算書の今以上の早期情報公開の必要性についてどのような御見解をお持ちで、また、どのような対策をとれば決算書の今以上の早期情報公開が実現するとお考えでしょうか。そしてこれまでの議論に付随して、決算書の電子データ化もあわせて実現すべきと考えますが、御見解をお聞かせください。 以上、決算書について御答弁をお願いします。 続いて、平成24年度予算案の方針について伺います。 現在、予算案作成に当たっては、インターネットへの予算案作成過程の情報公開の取り組みなどがなされており、進んで情報を開示する姿勢はすばらしいと評価させていただいております。平成24年度については、震災や世界的経済混乱の影響により税収減など、これまでの常識が通用しない異なる対応を迫られる可能性があると考えます。 そこでお伺いします。 平成24年度予算案については、昨年度よりも迅速に対応し、広く区民の皆様の御意見をお聞きしながら作成していただきたいと考えます。現在の予算案の取り組み状況と課題について、どのような認識をお持ちかお尋ねいたします。 また、議会事務局の調査係に御協力をいただき集計調査したところ、23区の中で最も早く予算書を発行しているのは豊島区と葛飾区で、発行時期は1月下旬でした。新宿区でも同じような時期に前倒しして発行はできないでしょうか。 最後に、平成24年度予算において自治基本条例との関係について伺います。 平成24年度は、先ほども申し上げましたとおり、震災の影響などで税収が減っていくことが予想されます。区民の皆さんからいただく税金が1円も無駄に使われることのないように、これまで以上に職員の皆さんに厳しい現状を認識していただきたいと考えます。既に平成24年度予算案については各部の単位での作成作業に着手されていると伺っております。必要なもの、無駄なものについてしっかりと優先順位をつけ、めり張りのある財政運営を心がけなければなりません。そのためには、新宿区の職員一人ひとりの意識改革が求められます。 本年4月1日より施行された新宿区自治基本条例は、職員等の心構えも定めた新宿区の憲法に相当するものです。平成24年度予算は、新宿区自治基本条例施行後初の策定ということになります。予算案には条例の精神がしっかりと反映されるべきであると考えますが、まずはその点に関する御認識をお伺いします。特に新宿区自治基本条例第4章第13条職員の責務第1項に「職員は、区を愛し、区民の視点に立って、区の自治の実現に努めるものとする」という項目に私は注目をしております。税収が厳しくなると予想される中でも、この第1項に記された内容を遂行せねばなりません。区の御見解と対策をお聞かせください。 以上で一般質問を終わります。 ◎会計管理者(竹若世志子) 沖議員の質問にお答えいたします。 決算の早期情報公開のお尋ねです。 まず、決算書の早期情報公開の必要性についてです。 議会での審議をこれまで以上に充実させるために、決算書の早期の情報提供は重要なことと認識しております。決算書については、監査委員の審査を経た上で、監査委員の意見をつけて議会の認定に付すとされております。 現在、出納整理期間終了後の6月の初めから約1カ月間程度で決算書等を作成し、長に提出し、その後、監査委員においては必要に応じて職員に説明を求めるなど、一定の期間をかけて審査を行っています。さらに、決算書の作成作業と並行して事業の成果をまとめた予算執行の実績報告の作成も行っており、決算数値等の照合など、その正確性を期すためにも、一定の事務日程を必要としております。これまでも事務作業等の効率化を図ってきましたが、今後も事務処理の迅速化に意を尽くしてまいりたいと思います。 次に、早期情報公開の方策や電子データ化についてです。 決算書及び決算事項別明細書等の附属書類の様式や記載事項、また決算審査や議会の認定のための手続は法定されておりまして、書式の手続の簡略化などは困難でございますが、今後、電子データ等を活用した区民の方々に対する早期の情報提供の方策などについて、調査、研究してまいります。 ◎総合政策部長(猿橋敏雄) 次に、現在の予算案の取り組み状況と課題についてのお尋ねです。 例年、予算案は基本となる編成方針を定め、これに基づく要領を作成し、各部局はこの方針に従って予算の見積もりを行うことになります。現在、9月1日に予算編成方針などを各部局に提示するとともに、財政課においては一次経費の枠となる概算フレームを算定しているところです。平成24年度が第二次実行計画の初年度の予算となることから、第二次実行計画の着実なスタートと東日本大震災の教訓を踏まえ、災害に強いまちづくりに向けてさらなる施策の強化などが課題となっています。また、基金残高の減少や財政構造の硬直化など、区を取り巻く財政環境が厳しいことから、第二次実行計画を支える財源の確保についても重要と考えています。 そのため、平成24年度予算編成に当たっては、経費の削減や事務事業の見直しを徹底して行うなど、将来需要を支えるため財政基盤の強化に努めています。また、各部局が見積もりを作成する段階で、区民の意見を予算に反映するとともに、区民の視点に立った予算編成に取り組んでいるところです。 次に、予算書の発行時期の早期化についてです。 予算の編成は、地方財政法に規定する地方財政運営及び予算編成に関する基本原則を初め、諸法令の規定を踏まえて地方公共団体が独自に行うものです。しかし、国や都の予算編成方針、地方財政計画や地方債計画などを参考に、地方財政に対する国の施策や東京都の動向を把握するとともに、都区財政調整の協議状況なども十分考慮して編成する必要があります。 また、予算編成については、11月に各部局による予算見積書の提出、区長プレゼンテーションの実施、予算編成過程の情報公開を経て、12月に区長の査定、1月に予算内示、2月に区議会への予算案の提出となります。こうした一連の流れの中で実施しておりますので、予算書の発行時期の早期化は現時点では難しいものと考えております。 次に、新宿区自治基本条例の精神の予算案への反映についてです。 新宿区自治基本条例は、新宿区の自治の基本ルールを定めた新宿区の最高規範であることから、条例の目的や基本理念などについて遵守すべきものと認識しています。自治基本条例では、区政運営の原則として財政の健全化及び自立的な財政基盤の確立や効果的かつ効率的な公共サービスの提供等が求められていることから、予算編成の過程で平成24年度予算案への反映に努めているところです。 次に、職員の責務が履行されるための見解と対策についてです。自治基本条例では職員の責務として、職員は区を愛し、区民の視点に立って、区の自治の実現に努めるものとすると規定しています。このような条例の趣旨を受け、平成24年度予算見積もりの依命通達では、厳しい財政状況下において、職員一人ひとりがこれまで以上にコスト意識を高め、徹底して無駄を排除するなど、さらなる行財政改革に総力を上げて取り組むことを基本的な方針として、最小の経費で事業目標が達成できるように予算の編成作業を進めているところです。 以上で答弁を終わります。 ◆15番(沖ともみ) 御答弁ありがとうございます。 区政改革の要諦は、できない理由を考えることではなく、どうすればできるのか考えることであると思います。     〔「そうだ」と呼ぶ者あり〕 今後、設置されます決算特別委員会の委員に選ばれる予定でもありますので、これで発言を終わらせていただきます。     〔「決算、頑張れよ」と呼ぶ者あり〕 ありがとうございます。(拍手) ○議長(宮坂俊文) 次に、14番佐原たけし議員。     〔14番 佐原たけし議員登壇、拍手〕 ◆14番(佐原たけし) 自民党区議団、佐原たけしでございます。 このたびの東日本大震災から学ぶべきこととして、自衛隊OBの活用について一般質問をさせていただきます。どうぞ誠意ある御答弁をお願いしたいと存じます。 このたびの大震災は、津波の被害を伴ったことで、想定される首都圏直下型の場合と趣が異なるかもしれませんが、東京に生活する私たちにとっても、この災害から学ぶべきことが数多くあったはずであります。その一つが、きずなについて考えさせられたことでありました。未曽有の災害を前にして、国内外からの多数のボランティアなどによる支援、そして世界の多くの国、地域や機関からの支援と、国レベル、世界レベルの支援もありました。このことにより、被災された多くの方々が、自分は一人ではないということを認識し、忘れていたかもしれない親子、兄弟、家族、そして地域と多くのきずなというものを改めて考え、感じられたのではないかと私は思っております。 蛇足になりますが、企業の中には1カ月という期間、ボランティアを募り被災地へ社員40名ぐらいを毎日、車中2泊3日で就業時間終了後に会社が仕立てたバスで現地に入りし、翌日の1日をボランティアし、その日の夜のバスで現地を後にし、3日目の早朝には会社に戻ることをやっている企業もあるようです。 学ぶべきことと考える2つ目は、災害における自衛隊の位置づけが改めて再認識されたのではないかということであります。このたびの災害救助等では、多くの方々の力が発揮されました。まず何よりも職務の延長上にあるとはいえ、生死をかけて対応された地元の消防団の方々を初めとして、地元の消防、警察などの捜索、救助、救援活動、そして他県からの消防、警察などの応援、支援活動、そしてまた自衛隊による災害救助活動と、携われたこれらの方々の寝食を忘れた行動は、職務とはいえ、大変な困難と体力の消耗を伴うものであったと思います。 その中の自衛隊の支援活動についてみますと、捜索、緊急輸送道路の確保、支援物資の輸送、避難所での炊き出しや入浴サービスなどと広範に及んでおります。これらの活動の状況については、大震災直後のしばらくはテレビ等でも大々的に報じられていましたが、その後には画面からそんなに多く接しなくなったように私は感じています。 8月9日、10日に先ほど質問に立ちました根本議員、深沢議員と3名で、岩手県と宮城県の現地を視察した際に伺った話では、地元の方の中に、東京消防庁を初めとした救助、救援の隊列に向かって手を合わせ感謝する数多くの市民の姿が見られたとのことでした。この救助、救援のために派遣された自衛隊員の数は当初の2万人から段階的に引き上げられ5万人、そして当時の首相の一言でそれを一挙に10万7,000人に倍増させたと聞き及びます。 また、最近の台風12号による大雨で大きな被害が出た和歌山県や奈良県などの警察や消防と一緒に捜索や救助に自衛隊も当たっていました。このように大災害においては、もはや自衛隊を抜きにした危機管理はあり得ないと考えるのは私一人ではないと思うのであります。このたびの3.11の大地震が想定外の津波を伴ったものであったとはいえ、首都直下型地震の被害想定を考慮するとき、自衛隊の役割が増しこそすれ、低減されるような話にはならないと考えます。 災害時に最も効果的に効率よく自己完結型の自衛隊の持つ能力を最大限発揮できる体制を、日ごろより培っていくことが大事だと考えるものであります。そのためには、何よりも平素から緊密な相互連携がまず欠かせません。新宿区においても、今回の大震災を機に地域防災を初めとして、各種の計画、マニュアルや体制など、広範にわたる修正や見直しに取り組んでおられます。その中で、当然、人員や人材、そして職員体制なども検討課題に上がることと考えますので、その際には、このたびの大震災における救助などの状況の振り返りなども十分に行っていただければと老婆心ながら申し上げさせていただきます。 具体的、直截的に申し上げますと、今後見直しがされる地域防災計画を実効性あるものとしていくためにも、また、日常的な訓練の場や防災センターの事業においても、各方面からの知識、情報を活用した講座、講習、訓練等が不可欠と考えるものであります。私は、昨年9月の決算特別委員会で新宿区の防災危機管理の一員として自衛隊OBの活用を提案させていただきました。 以上のようなことを今回の大震災から、私自身はみずからに学ぶべきと、この間ずっと投げかけてきました。 そこで、区長にお伺いいたしますのは、新宿区の組織に自衛隊OBの方々の活用の場があるのではないかということについてです。具体的な時期についてはともかくとして、このことは時宜にかなったものと認識していますが、御所見をお伺いいたします。 ◎区長室長(寺田好孝) 佐原議員の御質問にお答えをいたします。 自衛隊OBの活用についてのお尋ねでございます。 東日本大震災では、約10万7,000人の自衛隊員が災害応急活動に従事し、人命救助や輸送支援、生活支援、応急復旧支援活動で大きな成果を上げ、災害時における自衛隊の支援活動が大きな役割を果たすものと認識してございます。 自衛隊の災害派遣につきましては、新宿区の地域防災計画にも定めてございますが、地震等により災害が発生し、応急措置を実施するために必要がある場合に行われることとなってございます。新宿区へは陸上自衛隊の練馬第一師団第一普通科連隊から災害派遣部隊が派遣されます。また、日ごろから防災訓練への参加や防災会議委員として区の防災対策全般にわたる御意見をいただくなど、自衛隊との綿密な連携を図っているところでございます。 さきの東日本大震災の当日も、練馬第一師団の自衛隊員3名の方が連絡要員として危機管理課に待機し、被災状況などの情報収集活動を行いました。 今後は、区の地域防災計画の修正に伴う災害応急活動マニュアルの人員体制の見直しを行う中で、他の自治体の状況等も参考にさせていただきながら、自衛隊OBの活用について検討してまいります。 以上で答弁を終わります。 ◆14番(佐原たけし) 御答弁ありがとうございます。 私は自衛隊出身というだけではなくて、その組織力、機動力、それから装備品を見てきた人間の一人として、この危機を感じて新宿区に危機管理として、やはり常駐というわけでもないけれども、非常勤という形でも勤務できるのならすばらしいなと思っています。別に今すぐとは思っていませんが、今の答弁の中でもこれから考えるということですが、期待をしていきたいと思います。特に、災害は忘れたころにやってくると言いますけれども、実は災害は、忘れないでやってくるという言葉もありますので、私もこれからはしっかりと向き合って取り組んでいきたいと思います。 どうもありがとうございました。(拍手) ○議長(宮坂俊文) 次に、24番下村治生議員。     〔24番 下村治生議員登壇、拍手〕 ◆24番(下村治生) 自民党区議団の下村治生です。 旧コマ劇場の再開発と歌舞伎町ルネッサンスの今後について一般質問をいたします。どうぞ誠意ある御答弁をお願いいたします。 平成20年12月末、53年間にわたり歌舞伎町のシンボルとして存在してきたコマ劇場が閉館し、その再開発計画は長らく発表されませんでした。ことし7月11日、高さ130メートル、延べ床面積5万292平米という東宝によるコマ劇場の再開発案、新宿東宝ビル計画が発表されました。核となるのは2つの施設で、東宝シネマズによる12の映画館で定員は2,500名という都内有数の規模のシネコンと、大手のホテルチェーンによる1,000室のビジネスホテルです。再び歌舞伎町のランドマークになると期待されています。これまで東宝に対して文化エンターテインメント施設をとの要望書を提出してきた地元商店街や町会、タウン・マネージメントとしては、この計画を評価しているところです。中山区長も、そのような趣旨で直接、東宝に申し入れを行ったと聞いております。 解体時に、コマのような劇場はつくらないと明言していた東宝が、新宿三丁目地区に建設された2つのシネコンに続いて、歌舞伎町に大型のシネコンを建設すると発表したことは、地元の要望にこたえたもので、歌舞伎町のエンタテイメントシティとしてのDNAを次代に引き継ぐものとして評価できます。 そこで第1の質問は、今回の東宝の開発計画について、中山区長はどのような感想をお持ちでしょうか。既に新聞等でもコメントを出されているようですが、日ごろ、歌舞伎町のDNAは大衆文化と大衆娯楽の創造、発信にあるとコメントされている中山区長に改めてお伺いします。 シネシティ地区の最初の再開発計画となる東宝の事業は、その後に続く他社の先駆けとなるもので、その成否は今後の開発に大きな影響を与えるものと思われます。これらを踏まえ、地元商店街でも東宝が今回の再開発をスピード感を持って計画どおりに進められるように、環境整備に取り組んでいこうと動き出しています。新宿東宝ビル開発計画によれば、メーン施設であるシネコンの入り口は、セントラルロードの突き当たりに位置します。新宿駅方面からの来街者を想定したものと思われます。 そこで第2の質問です。今回の開発で来街者のメーン動線となるセントラルロードの歩道環境の整備について、区長のお考えをお尋ねします。このセントラルロードの歩道整備を平成27年4月に予定されている新宿東宝ビルのオープンを見ながら行っていくべきと考えます。 先月、東京都の市街地整備におけるエリアマネジメントの手引きが発表されました。都市計画事業におけるエリアマネジメントの重要性はますます高まっています。そのためには、改めてこの範囲をどのように定めるか、民間の活力をいかに活用するのか、特にタウン・マネージメント独自の財源、例えば広告収入などをいかに確保するかを考えていかなければなりません。 第3の質問です。このメーン通りであるセントラルロードの一部をこれまでのシネシティ広場や大久保公園に加えてタウン・マネージメントの管理下に置き、エリアマネジメントの手法をさらに拡大することによって、例えばモア4番街からセントラルロード、シネシティ、そして健康プラザハイジアを経由して大久保公園へと、面でつなげ一つの大きな人の動線を想定することを明確に打ち出してはいかがでしょうか。その際、歌舞伎町の総合案内やシネシティ広場への誘導を目的に、セントラルロードの歩道上に数カ所、モア4番街に設置されているデジタルサイネージの活用を検討してはいかがでしょうか。中山区長のお考えをお聞かせください。 このメーン通りでここ数年、ホスト等のいわゆる客引きが100名近くも集まり、体感治安を悪化させ、来街者の通行を著しく妨げている問題があります。東京都の迷惑防止条例改正による取り締まり強化や商店街のパトロールの強化などが行われましたが、一進一退を繰り返してきました。 そのような中、平成6年に歌舞伎町商店街振興組合が資金を提供し安全の拠点として開設したものの、その後利用がとまっていた靖国通りの臨時派出所が商店街の強い要望を受け、本年4月に民間青灯交番、安全安心ステーションとして再オープンしました。この安全安心ステーションでは、現在、商店街役員と警察官OBによるパトロールが行われています。区議会、都議会の超党派による働きかけと東京都、警視庁、そして新宿区の英断によって実現したこの安全・安心のシンボルの活用は、単に客引き問題ばかりでなく、今後の歌舞伎町全体の治安やまちづくりに大きなプラスなるものと期待されます。 そこで第4の質問です。 現在、タウン・マネージメント、商店街を中心にこの活用を図っているところですが、新宿区もさらなる効果的な活用について、これまで以上に客引き対策やコンシェルジュ機能などへのバックアップをお願いしたいと考えます。中山区長のお考えをお聞かせください。 戦後の混乱期に故鈴木喜兵衛氏は、この町を道義的繁華街と位置づけ、演劇を中心とする施設を誘致し、民間主導で区画整理によるまちづくりに邁進しました。氏のまちづくりにかける情熱と遺志をどのように次の世代につなげていけるのか、このまちの大きな課題です。歌舞伎町ルネッサンスの趣旨は、これまでの防犯、防災を主体とした単なる取り締まりの強化だけではなく、歌舞伎町の新たなお客様と担い手を積極的に誘致しようとするものです。この活動は、安全・安心、活性化、まちづくり、そして喜兵衛プロジェクトと言われる新たな担い手の誘致という4つの部会を柱に、民間主導で行われてきました。 質問の第5は、これまでのルネッサンスの取り組みと今後についてです。以下3点質問をいたします。 第1点目は、安全・安心の取り組みです。 本年、いわゆる歌舞伎町雑居ビル火災、明星ビル火災から10年が経過し、先日式典も行われました。中山区長は、歌舞伎町の防火防災体制についてどのように評価されるのでしょうか。この火災によって法改正が行われ、雑居ビルオーナーの責任はより厳しくなりました。また、昨年3月には商店街、町会、消防団、消防署による防火安全に関する協定も結ばれました。先日も歌舞伎町地区の雑居ビルに一斉査察が行われました。今後の防火対策の取り組みについてお伺いいたします。 第2点目も安全・安心の取り組みについてです。歌舞伎町の犯罪組織の排除についてです。 東京都暴力団排除条例がことし3月に制定され、まもなく10月1日に施行されます。さきの防火対策と同様、ビルオーナーに強く暴力団排除を要請する、これまでの暴力団対策を一歩進めたもので、新宿繁華街犯罪組織排除協議会の総会でも趣旨説明と会員への協力要請がありました。新宿地域、とりわけ歌舞伎町の治安に大きなプラスの影響を与えるものと思われます。これまでも花道通りの整備や新宿犯罪組織排除協議会の設立など、歌舞伎町ルネッサンスの活動に連動して、暴力団対策が進められてきましたが、これらの犯罪組織の問題について中山区長はどのように現状を把握されているのでしょうか。そして、今後の取り組みについてお伺いいたします。 第3点目は、再開発による交通対策、特に車、大型車両の動線についての質問をいたします。 平成17年春の花道通りの整備、補助72号線の進捗にあわせ、平成21年末には西武新宿駅前通りの歌舞伎町二丁目側の相互通行が開始されました。車の動線としては、靖国通りを大ガード方面から歌舞伎町のシネシティ広場へ入ろうとすると、区役所通りまで直進し、そこを左折し、さらに花道通りを左折して来なければなりません。これを解消するためには、西武新宿駅前通りの歌舞伎町一丁目側の一方通行を解除するか、進入できる一方通行にすることが必要となります。このような車両の動線について現状をどのように把握し、今後、どのように取り組まれるのかお伺いいたします。 以上、御答弁をお願いいたします。 ◎区長室長(寺田好孝) 下村議員の御質問にお答えをいたします。 旧新宿コマ劇場、東宝会館跡地開発についてのお尋ねでございます。 この開発について区は、土地所有者であり、開発主体でもある東宝株式会社に対し、コマ劇場が閉館した平成20年末以降、2年半にわたり歌舞伎町ルネッサンスが目指す大衆文化の創造、発信、にぎわいづくりに寄与するとともに、歌舞伎町まちづくり誘導方針に則した施設の早期整備を要請してまいりました。 こうした経緯を踏まえ、東宝株式会社がさる7月11日に発表した施設概要では、12スクリーン、約2,500席を備えます都内最大級のシネマコンプレックスと、客室数が1,000を超えるホテル等が予定されており、歌舞伎町のまちづくり誘導方針に配慮がなされた内容と評価しています。平成27年にオープン予定のこの施設が、歌舞伎町のみならず、新宿の新たなランドマークとしてまちに大きな活力を生み出すことを期待しております。 次に、モア4番街から区立大久保公園を結ぶ動線づくりとデジタルサイネージの活用についてのお尋ねです。 区と歌舞伎町タウン・マネージメントは、シネシティ広場や区立大久保公園等の公共の空間、施設を活用し、歌舞伎町ルネッサンスの目指す大衆文化の創造、発信、にぎわいづくりを進めてまいりました。御指摘のとおり、セントラルロードは新宿駅東口から歌舞伎町へと人の流れをつくる重要な動線と認識しております。したがいまして、来月開催する学生クリエイターズ・フェスタin新宿2011では、新宿駅東口、モア4番街、セントラルロード、シネシティ広場、健康プラザハイジア、そして区立大久保公園をフェスティバルの開催会場として面的につなげ、大きな人の流れをつくる新たな取り組みに挑戦してまいります。 御提案の液晶などを利用いたします電子看板、いわゆるデジタルサイネージを利活用することにつきましては、モア4番街での先行事例などを参考にしながら、区や歌舞伎町商店街振興組合、町会、警察や消防などの関係機関等で構成される歌舞伎町タウン・マネージメントの中で検討してまいります。 次に、歌舞伎町安全安心ステーションを拠点とした客引き対策とコンシェルジュ機能への支援についてのお尋ねでございます。 区、歌舞伎町商店街振興組合、歌舞伎町タウン・マネージメントは、まちの安全・安心対策、環境美化対策に取り組むため、ことし4月、靖国通りの旧臨時派出所を活用して歌舞伎町の安全安心ステーションを開設いたしました。このステーションは、歌舞伎町商店街振興組合が策定をされました歌舞伎町を安全で安心な美しいまちにするための計画、この内容を基本といたしまして、客引き防止パトロールや犯罪防止の啓発活動、違法看板に対する指導などに取り組む拠点として位置づけております。 中でも客引き防止パトロールには、毎週金曜日でございますが、区職員も参加しており、週末夜間の客引き行為には一定の効果が認められています。また、商店街振興組合では、客引きへの注意を喚起する街頭放送も実施しております。しかしながら、根本的な課題解決には至っていないことから、引き続き歌舞伎町商店街振興組合、歌舞伎町タウン・マネージメント、警察と、より実効性の高い方策について検討していくことが必要であると考えております。 次に、コンシェルジュ機能への支援でございます。 イベントや店舗等の地域情報を提供するコンシェルジュ機能は、歌舞伎町のにぎわいづくりにおいては大変重要であると考えます。 現在、安全安心ステーションでは、歌舞伎町の施設等を紹介した多言語案内板を設置しているほか、来街者に対する地理案内を週3日実施しております。今後、セントラルロードへの無線LAN設備の設置や、地域情報を提供する電子案内板の安全安心ステーションへの設置など、コンシェルジュ機能の充実について、歌舞伎町商店街振興組合、歌舞伎町タウン・マネージメントとともに幅広く検討してまいります。 次に、歌舞伎町の暴力団排除についてのお尋ねでございます。 以前は、暴力団による違法駐車や集団での練り歩き行為等が区民や来街者を不安にさせ、まちのイメージを悪化させる大きな要因となっていました。しかし、議員御指摘のとおり、花道通りは歩道を広げ、商店等の荷おろしスペースを確保した上で、違法駐車を防止するポールを設置するなどの整備を行ったことにより、駐車違反は激減をいたしました。また、平成14年2月に警視庁による全国初の街頭防犯カメラが設置されまして、現在では55台が稼動しております。そして平成15年7月に、地域住民、新宿警察署、区が連携し、新宿繁華街犯罪組織排除協議会を設立をいたしました。さらに平成18年12月にはみかじめ料等不払い宣言を行うなど、官民を挙げて暴力団との対決姿勢を明確に打ち出したことにより、暴力団の排除は着実にその効果を上げてきています。そして、来月には東京都暴力団排除条例が施行されることによりまして、暴力団を利用する事業者にも罰則が課せられることになるなど、さらなる暴力団排除が進むものと期待しております。 区といたしましても、警察や地域と連携し、暴力団を恐れない、暴力団に金を出さない、暴力団を利用しない、そして暴力団と交際しないという東京都暴力団排除条例の理念の徹底と広報啓発を推進し、引き続き、強力に暴力団排除を進めてまいります。 ◎都市計画部長(鹿島一雄) 次に、セントラルロードの歩道環境整備についてのお尋ねです。 セントラルロードについては、新宿駅方向と歌舞伎町中心部を結ぶ重要な歩行者動線となっております。また、歌舞伎町まちづくり誘導方針においては、セントラルロードを含む歩行者優先の道路について、オープンカフェやハンギングバスケット等によるやすらぎ空間としての整備を目指すこととしております。セントラルロードの整備については、沿道建物の建てかえにあわせて一体的に行うことが重要です。そこで現在、新宿東宝ビル開発計画については、建物後退部分と道路部分との連続性や車の出入口の安全性等、道路整備に関する協議を事業者と行っております。今後は、セントラルロードやシネシティ広場について、歩きたくなる歩行者空間の充実に取り組むため、地元商店街などと話し合いを行い、周辺の開発にあわせ快適な道路空間整備を実施してまいります。 次に、歌舞伎町の防火防災体制についてのお尋ねです。 44名の方が亡くなられた歌舞伎町明星56ビル火災から、今年は10年目の節目となりました。改めて亡くなられた方の御冥福をお祈り申し上げます。 区は、この火災を契機に、新宿区安全安心推進協議会のもとに、平成14年7月、雑居ビル安全対策推進部会を設置し、再発防止に向けた関係機関の連携体制を構築しました。歌舞伎町地区では、毎年関係機関の連携による一斉立入検査を実施するなど、地区内のすべての建物約580棟に対する安全対策を推進しているところです。この一斉立入検査による違反指摘率は、平成16年2月に実施した第1回の約30%から、本年8月31日に実施しました第10回においては約14%まで減少し、回を重ねるごとに歌舞伎町地区内の建物の安全性は向上しております。雑居ビルの多くは、テナントの入れかえが激しく、権利関係が複雑で管理体制が不明確なため防火意識が希薄となり、防災上危険な改修工事が安易に行われてしまうことから、さまざまな機会をとらえ、繰り返し指導、啓発していくことが重要です。 今後も、明星56ビルの惨事を風化させることなく、関係機関や地元の皆様と連携し、歌舞伎町地区内すべての建物の安全性の確保に取り組んでまいります。 ◎みどり土木部長(野﨑清次) 次に、車、大型車両の動線についてのお尋ねです。 歌舞伎町一丁目地域は、来街者が安心して歩いて楽しめるよう、地区内への車両の進入を抑制しているため、花道通りや西武新宿駅前通りなど、地区内道路の多くが一方通行となっています。このため、歌舞伎町へのアクセスが困難となっており、周辺の道路で客待ちタクシーが並んだり、歌舞伎町見学のための大型バスが二重駐車するなどの問題が生じています。 今後、これからの歌舞伎町にふさわしい道路環境を実現するため、御指摘の西武新宿駅前通りを含めた動線の見直しについて、地域の方々や警視庁と調整を行ってまいります。 以上で答弁を終わります。 ◆24番(下村治生) ただいまはご丁寧な答弁をいただきましてありがとうございます。 考えてみれば、コマ劇場一つも再開発ということですから、一民間企業のことではありますけれども、これはやはり我々いろいろな意味で歌舞伎町ルネッサンスに携わってきた者としては、今回の発表というのは本当に大きく一つ目標ができたということで、これがさらに歌舞伎町のまちづくりに役立っていくようにということで今回の質問をさせていただきました。 私、この質問の中で2回同じことを言いましたけれども、やはり安全・安心なまちづくりのためには、最終的にはやはりビルオーナーがきちんとしっかりとした信念を持ってビルを経営したり、あるいは建設をしていかなくちゃいけないんだなということを改めて感じたものですから、2度ほど書きましたけれども、また新たにこれからも頑張っていきたいと思いますので、どうぞ新宿区のほうもよろしく御協力のほどお願いしたいと思います。 どうもありがとうございました。(拍手) ○議長(宮坂俊文) 以上で一般質問は終わりました。--------------------------------------- ○議長(宮坂俊文) 次に、日程第3を議題とします。     〔次長議題朗読〕 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △諮問第4号 人権擁護委員候補者の推薦に関する意見の聴取について     〔巻末議案の部参照〕 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(宮坂俊文) 提出者の説明を求めます。     〔中山弘子区長登壇〕 ◎区長(中山弘子) ただいま上程されました諮問第4号の人権擁護委員候補者の推薦に関する意見の聴取について御説明いたします。 本案は、人権擁護委員を第6条3項の規定に基づき、人権擁護委員候補者の推薦に当たり、議会の意見を求めるもので、人権擁護委員候補者として佐野榮三郎さんを推薦するものです。 御審議の上、御賛同いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。 ○議長(宮坂俊文) 説明は終わりました。 これから、委員会付託を省略し、起立により採決を行います。 本案を諮問のとおり決定することに賛成の方は御起立願います。     〔賛成者起立〕 ○議長(宮坂俊文) 起立全員と認めます。 本案は、諮問のとおり決定しました。--------------------------------------- ○議長(宮坂俊文) 次に、日程第4から日程第8までを一括議題とします。     〔次長議題朗読〕 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △認定第1号 平成22年度新宿区一般会計歳入歳出決算 △認定第2号 平成22年度新宿区国民健康保険特別会計歳入歳出決算 △認定第3号 平成22年度新宿区介護保険特別会計歳入歳出決算 △認定第4号 平成22年度新宿区後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算 △認定第5号 平成22年度新宿区老人保健特別会計歳入歳出決算     〔巻末決算の部参照〕 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(宮坂俊文) 提出者の説明を求めます。     〔中山弘子区長登壇〕 ◎区長(中山弘子) ただいま一括して上程されました認定第1号から認定第5号について御説明いたします。 まず、認定第1号の平成22年度新宿区一般会計歳入歳出決算ですが、歳入決算額は1,341億4,492万4,068円となり、これは予算額に対して96.1%の収入率となりました。なお、2億7,786万2,613円の不納欠損処分をいたしまして、歳入未済額は41億3,028万8,619円となりました。また、歳出決算額は1,299億5,552万1,218円で、これは予算額に対して93.1%の執行率となりました。翌年度への繰越額を除きました不用額は94億8,884万9,782円です。 この結果、歳入歳出差引額は41億8,940万2,850円となりますが、このうち翌年度予算への繰り越すべき財源6,700万1,000円を差し引きますと、実質収支額は41億2,240万1,850円となりました。 次に、認定第2号の平成22年度新宿区国民健康保険特別会計歳入歳出決算ですが、歳入決算額は311億1,050万3,435円となり、これは予算額に対して93.4%の収入率となりました。 なお、12億3,220万7,554円の不納欠損処分をいたしまして、歳入未済額は38億6,445万1,103円となりました。また、歳出決算額は307億1,977万4,963円で、これは予算額に対して92.3%の執行率で、25億7,391万1,037円が不用額となりました。 この結果、歳入歳出差引額は3億9,072万8,472円となりました。 次に、認定第3号の平成22年度新宿区介護保険特別会計歳入歳出決算ですが、歳入決算額は180億3,300万6,891円となり、これは予算額に対して95.0%の収入率となりました。 なお、6,347万2,230円の不納欠損処分をいたしまして、収入未済額は1億7,032万8,633円となりました。また、歳出決算額は178億5,135万457円で、これは予算額に対して94.0%の執行率で、11億3,211万543円が不用額となりました。 この結果、歳入歳出差引額は1億8,165万6,434円となりました。 次に、認定第4号の平成22年度新宿区後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算ですが、歳入決算額は54億1,566万8,605円となり、これは予算額に対して93.8%の収入率となりました。 なお、638万9,200円の不納欠損処分をいたしまして、収入未済額は7,176万9,450円です。また、歳出決算額は53億9,103万9,904円で、これは予算額に対して93.4%の執行率で、3億8,382万3,096円が不用額となりました。 この結果、歳入歳出差引額は2,462万8,701円となりました。 最後に、認定第5号の平成22年度新宿区老人保健特別会計歳入歳出決算ですが、歳入決算額は3,366万6,639円となり、これは予算額に対して89.2%の収入率となりました。 収入未済額は146万3,748円です。また、歳出決算額は3,366万6,639円で、これは予算額に対して89.2%の執行率で、407万8,361円が不用額となりました。 この結果、歳入歳出差引額はゼロ円となりました。 以上で説明を終わりますが、各会計歳入歳出決算事項別明細書並びに主要施策の成果の概要を説明する書類等をあわせて提出しておりますので、御審議の上、認定いただきますようよろしくお願い申し上げます。 ○議長(宮坂俊文) 説明は終わりました。 ただいま一括議題となっています認定第1号から認定第5号までは、18名の委員で構成し、副委員長を2名とする決算特別委員会を設置し、一括して付託したいと思います。 これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(宮坂俊文) 異議なしと認めます。 認定第1号から認定第5号までは、18名の委員で構成し、副委員長を2名とする決算特別委員会を設置し、一括して付託することに決定しました。 次に、委員の選任については、委員会条例第5条第1項の規定により、お手元に配付しました決算特別委員会委員名簿のとおり指名します。---------------------------------------          決算特別委員会委員名簿  1番   中村しんいち    3番   北島敏昭  4番   桑原羊平      6番   久保広介  7番   佐藤佳一      9番   豊島あつし 12番   吉住はるお    15番   沖 ともみ 17番   平間しのぶ    21番   鈴木ゆきえ 24番   下村治生     25番   深沢としさだ 28番   えのき秀隆    29番   おのけん一郎 31番   近藤なつ子    32番   沢田あゆみ 36番   かわの達男    38番   雨宮武彦--------------------------------------- ○議長(宮坂俊文) 次に、日程第9から日程第15までを一括議題とします。     〔次長議題朗読〕 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △第51号議案 新宿区災害弔慰金の支給等に関する条例の一部を改正する条例 △第52号議案 新宿区特別区税条例等の一部を改正する条例 △第53号議案 新宿区障害者施策推進協議会条例の一部を改正する条例 △第54号議案 新宿区自転車等の適正利用の推進及び自転車等駐輪場の整備に関する条例の一部を改正する条例 △第55号議案 新宿区立住宅管理条例の一部を改正する条例
    △第56号議案 新宿区ワンルームマンション等の建築及び管理に関する条例の一部を改正する条例 △第57号議案 新宿区立の小学校、中学校及び特別支援学校の非常勤の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例     〔巻末議案の部参照〕 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(宮坂俊文) 提出者の説明を求めます。     〔中山弘子区長登壇〕 ◎区長(中山弘子) ただいま一括して上程されました第51号議案から第57号議案について御説明いたします。 まず、第51号議案の新宿区災害弔慰金の支給等に関する条例の一部を改正する条例ですが、本案は災害弔慰金の支給等に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴い、災害弔慰金を支給する遺族の順位について所要の改正を行うものです。 次に、第52号議案の新宿区特別区税条例等の一部を改正する条例ですが、本案は現下の厳しい経済状況及び雇用情勢に対応して、税制の整備を図るための地方税法等の一部を改正する法律の施行による地方税法の改正等に伴い所要の改正を行うものです。 次に、第53号議案の新宿区障害者施策推進協議会条例の一部を改正する条例ですが、本案は障害者基本法の一部を改正する法律の施行に伴い規定を整備するものです。 次に、第54号議案の新宿区自転車等の適正利用の推進及び自転車等駐輪場の整備に関する条例の一部を改正する条例ですが、本案は新宿区立牛込神楽坂駅自転車等駐輪場を設置するものです。 次に、第55号議案の新宿区立住宅管理条例の一部を改正する条例ですが、本案は障害者基本法の一部を改正する法律の施行に伴い規定を整備するものです。 次に、第56号議案の新宿区ワンルームマンション等の建築及び管理に関する条例の一部を改正する条例ですが、本案は高齢者の居住の安定確保に関する法律等の一部を改正する法律の施行による高齢者の居住の安定確保に関する法律の改正に伴い、ワンルームマンション等に係る高齢者円滑入居賃貸住宅の登録に関する努力義務を廃止するものです。 次に、第57号議案の新宿区立の小学校、中学校及び特別支援学校の非常勤の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例ですが、本案は公立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償の基準を定める政令の一部を改正する政令等の施行に伴い、介護補償の額を改定するものです。 以上、御審議の上、御賛同いただきますようよろしくお願い申し上げます。 ○議長(宮坂俊文) 説明は終わりました。 ただいま一括議題となっています議案のうち、第52号議案から第57号議案までは、お手元に配付しました議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託します。 ここで、第51号議案についてお諮りします。 本案は、防災等安全対策特別委員会に付託したいと思いますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(宮坂俊文) 異議なしと認めます。 本案は、防災等安全対策特別委員会に付託することに決定しました。     〔巻末議案付託表の部参照〕--------------------------------------- ○議長(宮坂俊文) 次に、日程第16から日程第19までを一括議題とします。     〔次長議題朗読〕 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △第58号議案 土地の買入れについて △第59号議案 損害賠償の額の決定について △第60号議案 特別区道の路線の廃止及び認定について △第61号議案 公の施設の指定管理者の指定について     〔巻末議案の部参照〕 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(宮坂俊文) 提出者の説明を求めます。     〔中山弘子区長登壇〕 ◎区長(中山弘子) ただいま一括して上程されました第58号議案から第61号議案ついて御説明いたします。 まず、第58号議案の土地の買入れについてですが、本案は区民ふれあいの森の整備用地として土地を買い入れるものです。 次に、第59号議案の損害賠償の額の決定についてですが、本案は負傷事故に対する損害賠償の額を定めるものです。 次に、第60号議案の特別区道の路線の廃止及び認定についてですが、本案は西富久地区における再開発事業に伴い、特別区道の7路線を廃止し、新たに1路線を認定するものです。 次に、第61号議案の公の施設の指定管理者の指定についてですが、本案は新宿区立あゆみの家の指定管理者の指定を行うものです。 以上、御審議の上、御賛同いただきますようよろしくお願い申し上げます。 ○議長(宮坂俊文) 説明は終わりました。 ただいま一括議題となっています第58号議案から第61号議案までは、お手元に配付しました議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託します。     〔巻末議案付託表の部参照〕--------------------------------------- ○議長(宮坂俊文) 次に、日程第20から日程第23までを一括議題とします。     〔次長議題朗読〕 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △第47号議案 平成23年度新宿区一般会計補正予算(第3号) △第48号議案 平成23年度新宿区国民健康保険特別会計補正予算(第1号) △第49号議案 平成23年度新宿区介護保険特別会計補正予算(第1号) △第50号議案 平成23年度新宿区後期高齢者医療特別会計補正予算(第1号)     〔巻末予算案の部参照〕 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(宮坂俊文) 提出者の説明を求めます。     〔中山弘子区長登壇〕 ◎区長(中山弘子) ただいま一括して上程されました第47号議案から第50号議案について御説明いたします。 まず、第47号議案 平成23年度新宿区一般会計補正予算(第3号)についてですが、今回、歳入歳出予算を補正する額は、それぞれ14億3,964万8,000円です。 歳出予算から述べますと、総務費において特別区民税等に係る過誤納還付金及び職員応急体制の整備等に要する経費8,880万3,000円を計上するものです。 地域文化費においては、新宿文化センターなど区民施設の管理、運営に要する経費等7,534万1,000円を計上するものです。 福祉費においては、国都支出金の収入超過に伴う返納金及び婦人保護施設整備助成等に要する経費1億3,963万8,000円を計上するものです。 子ども家庭費においては、保育所建設事業助成費等に要する経費2億4,535万1,000円を減額し、国都支出金の収入超過に伴う返納金及び保育ルーム事業等に要する経費1億1,260万4,000円を計上するものです。 健康費においては、後期高齢者医療特別会計繰出金2,432万円を減額し、国都支出金等の収入超過に伴う返納金及び国民健康保険特別会計繰出金2,346万円を計上するものです。 環境清掃費においては、都支出金の収入超過に伴う返納金244万6,000円を計上するものです。 土木費においては、区民ふれあいの森の整備及び建築物等耐震化支援事業等に要する経費1億9,587万5,000円を計上するものです。 教育費においては、義務教育施設整備基金積立金及び中央図書館移転先整備等に要する経費814万6,000円を計上するものです。 諸支出金においては、財政調整基金積立金及び社会資本等整備基金積立金10億6,300万6,000円を計上するものです。 これらの財源としては、国庫支出金及び繰入金を減額し、都支出金、寄附金、繰越金及び特別区債等を充当するものです。 これを補正前の予算額と合わせますと、歳入歳出予算の総額はそれぞれ1,407億5,424万2,000円となります。 次に、工事請負契約等の債務負担行為の補正ですが、本庁舎耐震診断委託、子ども園建設事業助成など7件についていずれも設計委託等が複数年度にわたるため、債務負担行為を行うものであり、限度額の総額14億5,001万9,000円を追加するとともに、保育所建設事業助成のために設定していました限度額3億518万3,000円の債務負担行為を廃止するものです。 次に、特別区債の補正ですが、区民ふれあいの森の用地買収に要する経費の財源として土木費6億2,700万円を計上するものです。 次に、第48号議案 平成23年度新宿区国民健康保険特別会計補正予算(第1号)について御説明いたします。 今回、歳入歳出予算を補正する額は、それぞれ26万2,000円です。 補正の内容は、総務費において職員費26万6,000円を計上するものです。財源としては繰入金を充当するものです。 これを補正前の予算額と合わせますと、歳入歳出予算の総額はそれぞれ350億545万円となります。 次に、第49号議案 平成23年度新宿区介護保険特別会計補正予算(第1号)について御説明いたします。 今回、歳入歳出予算を補正する額は、それぞれ2億4,729万7,000円です。 補正の内容は、介護給付費準備基金積立金を2億3,049万7,000円、国庫支出金、支払基金交付金及び都支出金の収入超過に伴う返納金等1,680万円を計上するものです。 財源としては、国庫支出金、支払基金交付金、都支出金及び繰越金等を充当するものです。 これを補正前の予算額と合わせますと、歳入歳出予算額の総額はそれぞれ196億7,123万5,000円となります。 次に、第50号議案 平成23年度新宿区後期高齢者医療特別会計補正予算(第1号)について御説明いたします。 今回、歳入歳出予算を補正する額は、それぞれ1,810万6,000円です。 補正の内容は広域連合納付金において保険料等納付金1,490万6,000円、受託事業収入の収入超過に伴う返納金320万円を計上するものです。 なお、平成22年度広域連合納付金の確定に伴い、保険料軽減措置納付金の財源更正もあわせて行うものです。 財源としては繰入金を減額し、繰越金及び諸収入を充当するものです。 これを補正前の予算額と合わせますと、歳入歳出予算の総額は、それぞれ59億2,890万8,000円となります。 以上、御審議の上、御賛同いただきますようよろしくお願い申し上げます。 ○議長(宮坂俊文) 説明は終わりました。 ただいま一括議題となっています第47号議案から第50号議案までは、お手元に配付しました議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託します。 ここで、第47号議案中、歳出第2款総務費第3項防災費についてお諮りします。 歳出第2款総務費第3項防災費については、防災等安全対策特別委員会に付託したいと思いますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(宮坂俊文) 異議なしと認めます。 第47号議案中歳出第2款総務費第3項防災費については、防災等安全対策特別委員会に付託することに決定しました。     〔巻末議案付託表の部参照〕--------------------------------------- ○議長(宮坂俊文) 次に、日程第24を議題とします。     〔次長議題朗読〕 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △議員提出議案第15号 新宿区心身障害者福祉手当条例の一部を改正する条例     〔巻末議案の部参照〕 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(宮坂俊文) 議員提出議案第15号の説明を求めます。 阿部早苗議員。     〔20番 阿部早苗議員登壇、拍手〕 ◆20番(阿部早苗) おそくまで御苦労さまでございます。 それでは、議員提出議案第15号 新宿区心身障害者福祉手当条例の一部を改正する条例について、提出者を代表して説明いたします。 本条例は、題名を新宿区障害者福祉手当条例と改め、対象者に精神障害者を追加し、精神保健福祉手帳1級の方に月額7,750円の手当を支給するもので、施行は2012年4月からです。 提出者らは過去に2009年、2010年、そして本年2011年の第1回定例会の計3回、身体障害者、知的障害者に加えて、精神障害者にも障害福祉手当を支給するための条例を提出いたしました。 条例が付託された福祉健康委員会では、精神障害者に手当を支給する必要性については一致を見ながら、第一義的に国が責任を負うべきこと、そして何よりも将来見込みを考慮すると、多額の財源を要することなどの理由で、残念ながら可決には至りませんでした。 しかし、2009年の第4回定例会では、国に対して精神障害者の所得保障を求める意見書を採択いたしました。 過去の条例改正提案は、1級、2級、3級の手帳所持者を対象としておりましたが、今回は1級の方だけに限定して支給をする条例改正を提案させていただきました。 本条例改正により、新たに支給の対象となる精神保健福祉手帳1級の方は、新宿区内では152名で、年間の必要予算は約1,414万円です。精神障害者に対する手当に関しては、神奈川県相模原市を初め、幾つかの自治体で実施しています。23区では品川区が1級の障害年金受給者に月額4,500円の手当を支給していることに加えて、杉並区も昨年の第4回区議会定例会で請願が採択されたことを踏まえ、精神障害者についてもより一層の福祉の増進を図るために条例を改正し、障害1級の方に月額5,000円の手当支給を開始いたしました。 杉並区の担当者は、杉並区が第一歩を切り開きたいと熱く語っています。 さて、本年6月16日に成立した改正障害者基本法は、障害を心身の状態だけでとらえるのではなく、障害者の社会参加の障壁によって障害が生み出されると定義の見直しがされ、社会的障壁の除去に当たって必要かつ合理的な配慮がなされなければならないとの規定が加わりました。 国連の障害者権利条約では、合理的配慮を行わないのは差別に当たると規定されており、条例批准のための法整備がなされたわけです。 社会的障壁を除去するための施策の実施の中心主体が政府であることは言うまでもありません。しかし自治体が率先して施策を推進することで、政府を牽引する道が否定されたり、閉ざされているわけではありません。杉並区に続いて、我が新宿区も先駆者の一翼を担おうではありませんか。 以上で説明とさせていただきます。御審議の上、御賛同くださいますようよろしくお願いいたします。(拍手) ○議長(宮坂俊文) 説明は終わりました。 ただいま議題となっています議員提出議案第15号は、お手元に配付しました議案付託表のとおり、福祉健康委員会に付託します。     〔巻末議案付託表の部参照〕--------------------------------------- ○議長(宮坂俊文) 以上で、本日の日程は終わりました。 次の会議は10月13日午後2時に開きます。ここに御出席の皆様には改めて通知をいたしませんので、御了承願います。 本日はこれで散会します。 △散会 午後8時00分                  議長    宮坂俊文                  議員    佐藤佳一                  議員    のづたけし...